コミュニケーション能力が高い人の特徴とは?会話力を向上させる方法を解説
反対にコミュニケーションが低い人の特徴
コミュニケーション障害(コミュ障)という言葉を耳にする機会が増えてきています。言いたいことをうまく伝えられず対人関係が苦手な人は意外と多く、年々増加しています。
ここからは、コミュニケーション能力が低い人に見られる特徴を分析していきます。
特徴1. 防衛本能が強く、自分と意見が合わない人を拒絶しやすい
コミュニケーション能力の低い人は、自分の意見を曲げない傾向にあります。自分と違う意見を持つ人と対峙した時に、相手の意見の根底にある理由や相手の立場を理解しようとせず、自分の価値観を押し通そうとします。
自分の意見が自分の存在意義そのもののように感じられ、相手の意見に譲歩することはできません。自分の意見を守ろうとする防衛本能で、意見が合わない人は敵とみなし拒絶してしまうのです。
特徴2. 協調性がなく、人の立場にたって物事を考えられない
コミュニケーション能力の低い人には、相手に共感することが苦手です。自分の主張ばかりにこだわってしまい、相手の立場や目線で物事を見ることができないのです。
コミュニケーションとは一方通行的な情報の伝達ではなく、会話のキャッチボールのようなものです。相手の話に十分に耳を傾け、相手の立場や意見を理解しようとしなければ、コミュニケーションが成り立ちません。
特徴3. すぐ話の結論を出そうとして、人の話の腰を折る
コミュニケーション能力の低い人は、じっくり話し合うことをせずに結論を急ぐ傾向にあります。人の話の腰を折るということは、人の話を辛抱強く聞けない証拠。そして結論を急ぐということは、相手の意見や立場をくみ取る意思がないことの表れでもあります。
相手の話を聞かず、意見も取り入れないというのでは、円滑なコミュニケーションは成立しません。
特徴4. 日頃から周囲に対して挨拶をしない
挨拶は良好な人間関係を築くための基本であり、コミュニケーションの最初の一歩とも言えます。子供の頃から挨拶は大切と教わってきましたが、コミュニケーション能力の低い人は、挨拶ができない人が少なくありません。
周囲に対して挨拶をしないというのは、人に対する好き嫌いが激しかったり、周囲の人の様子に気配りができなかったり、自分に自信がないことが原因。
コミュニケーションの第一歩ともいえる挨拶ができないということは、コミュニケーション能力そのものも低いと言えるでしょう。
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特徴5. 人の話をきちんと聞いていない
円滑なコミュニケーションで最も大切なのが、人の話をしっかり聞くことと言えるでしょう。ところが、コミュニケーション能力の低い人は、人の話を聞いているようで聞いていなかったり、内容が全く理解できていなかったりします。
人の話を聞かなければ、話の内容を理解すること、相手の意見や本音も引き出すこと、そして的確に自分の意見を主張することもできません。
「言ったことを聞いていない」「人の話を聞いているのに理解できていない」ようでは、円滑なコミュニケーションは望めません。
コミュニケーションをとるのが苦手な人の原因
自分はコミュニケーションが苦手と感じている人は、決して少なくありません。コミュニケーションに対する苦手意識は、何が原因で起こるものなのでしょうか。
ここからは、コミュニケーションをとるのが苦手と感じる原因をご紹介します。原因が分かれば、苦手意識の克服につながるかもしれません。
原因1. 日頃から人と会話をする機会が少ないから
在宅ワークをしている人や、日常生活で人と接する機会が極端に少ない人は、日頃からコミュニケーション不足になってしまいます。
人と会話する機会が少ないのが日常的になってしまうと、いざコミュニケーションをとる場面では、うまく会話ができなかったり億劫に感じたりします。
人と接する機会が少ないことで、次第にコミュニケーションそのものを億劫に感じ、コミュニケーションに対する苦手意識に拍車がかかってしまうのです。
原因2. 他人に対して興味や関心が薄いため
自分の世界が強過ぎる人も、他人とのコミュニケーションを苦手に感じる傾向にあります。このような人は、自分の好きなことや興味のあることだけに執着し、それ以外のことに対しては関心を持てません。
他人に対する興味や関心が薄いので、話をしていてもリアクションが薄く、有意義な会話を続けることができません。このことから、他人とのコミュニケーションに消極的になってしまうのです。
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原因3. 伝達力が弱く話の内容が分かりにくいから
他人とコミュニケーションを図る意欲はあっても、うまくできないタイプの人もいます。このような人はたとえ熱心に話していても、聞き手に話の内容を的確に伝えることができません。
話の内容が伝わりにくい原因は、コミュニケーション能力の一つである伝達力の弱さにあります。何が伝えるべき情報なのか、会話の目的が何なのかを明確にできていないため、一生懸命話していても話のポイントが何なのかが伝わらないのです。
原因4. 基本的に無愛想でテンションが低いため
いつもムスっとしていて機嫌が悪そうな人には、誰も近寄りたいと思いませんよね。話しかけられても無愛想、周りが盛り上がっている時もテンションが低いという人は、周囲からは近寄りにくい人、近寄りたくない人と思われてしまいます。
他人を引き寄せないので会話の輪から外れることが多くなり、その結果コミュニケーションそのものが苦手になってしまうのです。
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コミュニケーション能力を向上させる解決方法とは
さて、コミュニケーションが苦手と感じている人が、コミュニケーション能力を向上させるには、どんなことに気を付けたら良いのでしょうか。
ここからは、コミュニケーションに対する苦手意識を克服し、コミュニケーション能力を高めるテクニックをご紹介します。
方法1. 日頃から会話のキャッチボールをする機会を増やす
コミュニケーション能力を高めるためには、まずコミュニケーションを頻繁に取る努力をしてみましょう。人に声をかけることが少ない人は、まず挨拶から始め、徐々に会話する機会を増やしてみてください。
会話力というものは、スポーツや楽器のように、ある程度訓練で鍛えられるものです。いろいろな人と会話する機会を増やすことで、スムーズに会話のキャッチボールができるようになっていきます。
方法2. きちんと相手の話に耳を傾けることを心がける
数あるコミュニケーション能力の中で、最も改善しやすいのが傾聴力、つまり相手の話を聞く力です。人の話をしっかり聞かなければ的確な発言もできないため、コミュニケーションの基本となる力です。
人の話にきちんと聞くように心がけるだけで、相手に対する興味や関心が強くなります。相手の話にしっかり意識を向けることができるので、話の内容もよく理解でき、自分の意見との違いや共通点なども自然と分かってきます。
方法3. 積極的に質問する癖づけをして質問力を養う
コミュニケーションの苦手な人は、対話の中で不明瞭なことがあっても、そのままうやむやにしてしまいがちです。話の中で理解しにくい部分、不明瞭な点が出てきたら、臆することなく質問する癖をつけましょう。
話をしている人からすると、質問を投げかけてくる相手は自分の話をしっかり聞いてくれている人、理解しようと努力してくれている人と映ります。
もちろん人の話を聞いていないと的確な質問もできないので、人の話をしっかり聞くことは大前提。その上で積極的に質問するように心がけると、自然とコミュニケーション能力が高まっていきます。
方法4. 常に笑顔で大きめのリアクションをとる
表情や立ち振る舞いは、非言語コミュニケーションで大きな役割を果たしています。普段から表情が堅い、テンションが低いと自覚している人は、印象だけで損をしている可能性が高いです。
たとえ同じ内容を話していても、笑顔で話しているのと、無愛想なまま話しているのとでは、受け取り手の印象は大きく変わりますよね。また、リアクションも大切です。
人の話を聞いている時は、頷いたり、驚いたり、感心したりなど、自分の気持ちがしっかり伝わるリアクションをとるように心掛けてみましょう。
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方法5. 自分と相手の共通点を一つでも多く見つける
初対面の相手でも、自分との共通点が多い場合は、なんとなく話しやすくなりますよね。
どんな相手と接する時でも、相手と自分との共通点を一つでも多く見つけるように努めてみてください。共通点は、出身地、出身校、食歴、性別、年齢、趣味、興味など何でも構いません。
共通点が多いと、自然と親近感が湧き、会話の糸口も多くなります。自分と似た部分を探すことで、相手の意見や真意も理解しやすくなり、共感を覚えやすくなります。
方法6. 相手と声のトーンや話すスピードを合わせるようにする
極端な早口だったり、声量が小さかったりする人は、話している相手に合わせる努力をしてみてください。
声のスピード、トーン、口調などを合わせることをペーシングと言いますが、それらを合わせることによって、会話に心地の良いリズム感生まれスムーズに運ぶようになります。
また、表情や姿勢、ジェスチャーなども合わせると、話す相手に親近感を抱かせることができます。
方法7. 会話をする時は話し相手の目を見て、ハキハキと話すことを意識する
コミュニケーションが苦手な人の中には、他人と視線が合わせられない人がいます。「目は口程に物を言う」とも言われるように、コミュニケーションの上で視線は重要なポイントです。
会話をする時は、話をしている人としっかり視線を合わせることが大切です。また、オドオドとした口調も自信の無さの表れ。なるべく快活にハキハキと話すことを意識しましょう。
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社交的で、コミュニケーション能力が高いと得られるメリット
コミュニケーション能力は、ビジネスでもプライベートでも、人と関わり方を左右する大切な能力です。コミュニケーション能力が高いと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、コミュニケーション能力が高いと得られるメリットをご紹介します。
メリット1. 初対面の人でも速やかに信頼関係が構築できる
初対面の人でもすぐに打ち解け、会話が弾む人っていますよね。コミュニケーション能力が高い人は、初対面の人でも自分との共通点を見出したり、相手の気持ちに寄り添ったりすることが上手で、信頼関係を速やかに構築できます。
これは、いろいろな人と出会う機会が多いビジネスマンにとっては大きなメリットです。両方の要求や要望を包み隠さず話すことができるので、交渉も成立しやすくなります。
メリット2. 周囲の人に対し、しっかりと自分の性格や意見を理解してもらえる
コミュニケーション能力の高い人は、自分のことを周りに伝えるのが得意です。周囲の人に自分の性格や意見をしっかり伝えることができるので、理解を得やすくなるのがメリットと言えます。
「〇〇さんが言うことは信頼できる」、「〇〇さんの意見なら協力したい」と周囲の人に思わせることも、コミュニケーション能力の高さの賜物。理解を得ることで、同調してもらいやすくなるのです。
メリット3. 話し相手の本音や価値観など、本質的な部分を理解してあげられる
コミュニケーションにおける最大の目的は、お互いを理解することでしょう。コミュニケーション能力の高い人は、傾聴力、 洞察力、質問力の高さから、会話を通じて相手の意見や真意を引き出すことが得意です。
語られた言葉だけに限らず、相手の本音から価値観に至るまで、本質的な部分を理解してあげることができ、円滑なコミュニケーションを図ることができるのです。
コミュニケーション能力を向上させたい人が読むべきおすすめの本3冊
コミュニケーション能力をさらに向上させたい人や、コミュニケーションに対する苦手意識を克服したい人におすすめの本をご紹介します。
コミュニケーション力の初歩的な考えを記した本、雑談力を磨く本、心理学に基づいたビジネスシーンで応用できるコミュニケーション本まで、どの本もコミュニケーション能力を向上させたいと考える人の役に立つ本ばかりです。
おすすめの本1. 『コミュニケーション力』齋藤 孝 著
コミュニケーション技法などを研究分野としている明治大学文学部教授、齋藤孝氏による実践的なコミュニケーション本。コミュニケーション力に関する初歩的な考え方から実践的なテクニックまで網羅しています。
意義のある会話や議論を成立させ、生きいきとしたコミュニケーションを取れるようになる実践的な技やヒントが示されています。コミュニケーションとは何なのかを考え、ビジネスの場で生かしたいという方におすすめの一冊です。
Amazonで詳細を見るおすすめの本2. 『雑談力が上がる話し方』齋藤 孝著
上記と同じく齋藤孝氏による著書。日頃のコミュニケーションを円滑にする雑談力を向上させるテクニックを記した一冊です。雑談を会話でその場の空気を生み出す技術とし、人間関係を円滑に進めるための雑談力を磨くアイデアが書かれています。
人と話すことに苦手意識を持っている人、初対面の人と話すのが苦手な人など、大学生から新社会人の若者におすすめの一冊です。
Amazonで詳細を見るおすすめの本3. 『アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学』小倉 広 著
ベストセラー『アドラーに学ぶ部下育成の心理学』に続く、ビジネス本の第2弾。アルフレッド・アドラーの心理学を基に、ビジネスのシーンで応用できるコミュニケーション手法を伝える一冊です。上司、同僚、部下と立場の違う人間関係もより良好にし、仕事の成果に繋げる方法を探り出します。
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コミュニケーション能力はビジネスだけでなく、あらゆる人間関係に活かすことのできる大切なスキルです。コミュニケーションの意味やコミュニケーションを図ることの目的を改めて見直してみると、その重要性が実感できます。
コミュニケーション力が高い人の特徴やコミュニケーション能力を向上する方法を参考に、自らのコミュニケーション能力を高めていきましょう。
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