股関節痛を軽減する簡単ストレッチ7選。痛みに効果的な柔軟体操とは
股関節の痛みが軽減するストレッチ|筋肉をほぐす柔軟体操のやり方とは?
「歩く時、股関節付近の筋肉が痛い!」
「足を上げたら股関節に違和感を感じる...。」
年を重ねていくに連れて、自然と衰えてしまう筋肉。お腹周りや二の腕はたるみ、もう動く気すら起きない人だっているでしょう。そんな時にふと感じるようになった股関節の痛みに、さすがにやばいかも...。と思った人も多いはず。
股関節は、上半身と下半身を結ぶ大切な筋肉で、股関節に不備が起きれば人は歩くことさえ、集中して行えなくなります。そして、その痛みは、股関節の筋肉が硬直してしまっていることが原因のことも...。
今回は、股関節の痛みを軽減するために、股関節付近の筋肉をほぐす効果的なストレッチメニューを解説。
正しいやり方をマスターして、股関節の痛みとおさらばしましょう!
─※ストレッチ前に病院へ─
本記事では、「股関節周りの筋肉をほぐして痛みを軽減する」というテーマで説明していきますが、股関節の痛みが全て筋肉に原因がある訳ではありません。
股関節の違和感などに気づいたら、まずは病院へと訪れて、その原因が筋肉の硬直などによるものと診断され、医師からストレッチが勧められた場合のみ、本記事を参考にしてください。
めんどくさいと思うかもしれませんが、プロに見てもらうことが何よりも体を守るためには重要ですので、必ず医師の診断は受けていただくようお願いいたします。
ストレッチで解決できる股関節の痛みは、主に筋肉の硬直が原因。
股関節の痛みは、全部が全部ストレッチによって解決できる訳ではありません。
筋肉の損傷が原因であれば、ストレッチは逆効果になりますし、病気が原因であれば、ストレッチをいくら取り組んでも解決はできないでしょう。
あくまでストレッチで軽減できるのは、股関節の痛みの原因が筋肉疲労などにより筋肉自体が伸縮できないほど硬くなってしまっている時だけ。
男性に比べて女性は、筋肉量の少ないことが圧倒的に多いため、筋肉疲労による硬直は起きがちですが、まずは原因が筋肉が硬くなっていることだと医師に判断してもらった上でストレッチには取り組んでいきましょう。
股関節ストレッチの注意点|痛みが悪化してしまうダメなやり方とは?
ストレッチは何歳になっても行える、日々の健康維持にはとても素晴らしい運動です。毎日続けることで、柔軟性はさらに高まり怪我のしにくい体づくりができるでしょう。
しかし、正しくストレッチしないと逆に股関節の痛みが増すこともあります。ここでは股関節のストレッチに関する3つの注意点をご紹介しますのでぜひチェックしておいてください。
ストレッチの注意点1. 痛みが走っている最中にストレッチを行わない
股関節が痛くなっている状態は、関節部分が炎症を起こしているということ。炎症とはその箇所を身体が一生懸命回復させようとしているタイミングになるため、ストレッチや運動などで無理に動かしてしまうと、回復しようとしていた部分に負荷がかかり、また回復前に戻ってしまいます。
股関節が痛い時こそ治したいと思う気持ちはめちゃくちゃ分かりますが、まずは安静にして痛みが引いてから、ストレッチなど運動するよう心がけてください。
ストレッチの注意点2. 反動をつけずにゆっくり伸ばしていく
股関節の痛みを和らげるのに大切なのは、硬くなった筋肉を柔らかくすること。筋肉は反動をつけて一瞬伸ばしても、柔らかくことはなく、逆に急な動きに耐えられず損傷してしまうケースがあります。
ストレッチには大きく分けて
の2種類。動的ストレッチは、反動などを上手に使って筋肉を柔らかくする運動ですが、やり方が分からないと怪我のリスクが高い傾向にあります。
股関節の痛みを無くすために、さらに怪我を悪化させては意味がありません。トレーニング初心者は基本的に静的ストレッチのみを行うようにしましょう。
ストレッチの注意点3. 痛くなるくらいストレッチをしすぎない
股関節に限らず、ストレッチは日々の積み重ねです。
1日、2日やっただけで筋肉を柔らかくすることはもちろん、まして劇的に股関節の痛みを和らげることはまずできません。
「早く改善したい!」と焦る気持ちは分かりますが、痛くなるくらいストレッチするのは辞めましょう。無理して伸ばすと改善するどころか筋を痛めることがあり、逆効果ですよ。
股関節の痛みを軽減するストレッチ方法|自宅でできる簡単な柔軟体操7選
股関節の痛みはストレッチにより改善できることがありますが、自己流はおすすめしません。ストレッチは何となくでしてしまうと、痛みを悪化させる危険があるのです。
そこで、ここからは自宅で簡単にできる股関節の正しいストレッチメニューをご紹介します。股関節の痛みを緩和させるだけでなく、予防にも効果が期待できるストレッチなのでぜひ試してみてください。
ストレッチメニュー1. 寝ながらできる体操「ニーアップ」
腸腰筋(腰元の筋肉)から太ももにかけて、下半身全体を伸ばせるストレッチです。寝ながらできる簡単なストレッチなので、年齢に関わらず取り組めます。
ちなみに、腸腰筋は姿勢に関わる筋肉でもあるため、股関節の痛みだけでなく腰痛の緩和にも効果が期待できます。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチマットやベッドなど柔らかいアイテムの上に仰向けで寝っ転がる
- 右足の膝を胸に近づける
- (2)の時、両手で右足の膝を支えましょう
- ゆっくりと右足の膝を胸に近づけていく
- 限界まで近づけたら20秒キープする
- 元に戻し、左足も同様に行う
- 終了
ニーアップは左右20秒ずつ、1日で両足2往復もすればOK。寝ながらできるストレッチメニューですので、テレビを見ながらでもゆっくり伸ばしていくようにしましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 股関節周辺の筋肉が伸びているのを感じながら取り組む
- 上半身は力を入れない
- 右足を抱えている時は、左足は伸ばす
- 慣れてきた男性は、直立したまま行う
ニーアップは呼吸や筋肉をリラックスさせて行うストレッチなので、上半身には基本的に力を入れないようにしましょう。
あとは足をしっかり胸につけるようにすると、股関節周りの筋肉の伸びを意識しやすいのでおすすめです。
ストレッチメニュー2. 寝ながらできる「ツイストストレッチ」
ツイストストレッチは寝ながらできるストレッチとして、股関節の外側の筋肉を伸ばすのに効果的です。また、両足を閉じてするため腰回りまで伸ばせます。
腹直筋や腹横筋などお腹周りの筋肉にも刺激を与えられるので、軽度の筋トレにもなり一石三鳥くらいのストレッチです。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチマットなどを敷いた上に仰向けで寝っ転がる
- 両手を体と垂直になるよう横に広げる
- 膝をくっつけたまま、立てる
- 膝を曲げた状態で右にゆっくり倒していく
- 限界まで倒したら20秒キープ
- 元に戻して左側に倒す
- この動作を残り1回ずつ行う
ツイストストレッチは左右20秒ずつ、1日で両側2往復もすれば十分に股関節を伸ばせます。今回は両足を付けたままのものですが、片足だけで取り組むメニューも存在し、バランス感覚を身につけながら筋肉を柔らかくできるため、非常におすすめです。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- ストレッチマットなど柔らかいアイテムの上で行う
- 上半身は固定して下半身だけを左右に振る
- お腹・腰・背中の筋肉への刺激を感じながらストレッチする
ツイストストレッチで重要なのは両肩をしっかり床につけておくことです。肩が床から離れてしまうと、股関節を上手く伸ばせず、周辺の筋肉をほぐせません。
上半身はできるだけ固定した状態を維持して、足をゆっくり左右に大きく振っていくイメージで取り組んでください。
ストレッチメニュー3. ストレッチポールを使った「骨盤スライドストレッチ」
骨盤スライドストレッチはストレッチポールを使うことで、寝ながら股関節の位置を正常に戻せる柔軟体操。
骨盤の位置を正常に戻すことにより、股関節の痛みの緩和だけでなく可動域や引っ掛かりなど動きの改善も期待できます。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチマットなどを敷いた上にストレッチポールをおく
- 頭からお尻にかけてストレッチポールが当たるよう、仰向けに寝る
- 両膝を立てて、背中全体がストレッチポールに当たるよう調節する
- ストレッチポールを左右にゆっくりと揺らし、骨盤を平行に動かす
- 骨盤の動きを意識しながら同じ動作を10回〜15回ほど繰り返す
骨盤スライドストレッチは骨盤を揺らす動作を左右10〜15回ずつ、1日で2回ほどすれば大丈夫です。
1回2〜3分、寝ながらでもできる簡単なストレッチなので隙間時間にできます。
ストレッチのコツ
- ストレッチポールに背中全体をしっかりつける
- ストレッチポールと骨盤が当たるのを意識する
- 上半身はできるだけ力を抜き、リラックスして動く
- お腹や背中の中心部分まで意識してストレッチする
骨盤スライドストレッチでもっとも重要なのは体を動かす時に、ストレッチポールに骨盤が当たるのを意識することです。
骨盤は意識しずらい部位ですが、ストレッチポールを利用することで意識しやすくなりしっかりストレッチできます。
ストレッチメニュー4. 床に座りながら行う「ノーマルエクササイズ」
その名の通り、誰もが1度は試したことがあるほど一般的(ノーマル)な股関節周りのエクササイズです。
ただ一般的すぎて正しいやり方を知っている方は意外と少ないので、この機会に正しいやり方を確認しておきましょう。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチマットなどを敷いた上に座る
- 両足の裏をくっつける
- 足のかかとはつけたまま、かかとを自分側に引き寄せる
- その後、膝をゆっくりと下げていく
- 限界まで下げたら20秒キープ
- ゆっくりと元に戻し、再度取り組む
- 終了
ノーマルストレッチは座ったままできる簡単なストレッチで、1回20秒を2回もすれば十分に効果が期待できます。
もし20秒も伸ばすのがツライのなら、1回3秒を5回でも大丈夫です。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 膝まで床についた方は、体を軽く前傾させる
- 背中を丸めない
- 筋肉をじっくり伸ばす
- リラックスした状態で行う
ノーマルストレッチのポイントは自分のペースでじっくりと伸ばすこと。1回20秒でも5秒でもいいのはそのためです。
無理に伸ばすと股関節の痛みを和らげるどころか、筋を痛めるなど怪我をする原因になるので注意しましょう。
ストレッチメニュー5. 床に座りながら「脚組みストレッチ」
股関節の脚組みストレッチは股関節の可動域を広げるだけでなく、腰から背中にかけてのストレッチにもなります。
ただ、体が硬いと痛みを感じることがあるので、まずはツイストストレッチなどで十分にほぐしてから取り組むようにしましょう。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチマットなどを敷いた上にあぐらをかいて座る
- 右足の膝を立てる
- 膝を立てたまま、右足を左足の太もも側に回す
- 体を右側にひねる
- お尻近くに筋肉が伸びているのを感じながら20秒キープ
- ゆっくりと元に戻し、左足も同様に取り組む
- 終了
股関節の脚組みストレッチは左右20秒ずつ、1日2往復も行えば十分に股関節をほぐせます。普段はあまり動かさない筋肉を伸ばせるので、少しずつ増やしましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 膝を立てた足側のお尻を上げない
- 筋肉が伸びているのを感じながら行う
- 膝をできるだけ胸に引きつける
- 頭までひねっていく
脚組みストレッチでは足をできるだけ胸に引き寄せることを意識するのが重要です。
また、動きに合わせてゆっくりと深呼吸をすることにより、普段使わないことで硬くなりがちな股関節の筋肉をしっかりとほぐせます。
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ストレッチメニュー6. 床に座りながら行う「片足前屈」
学校の体育でも筋肉痛の予防などに取り入れられるほど一般的なストレッチ。股関節からふくらはぎ、太ももにかけて伸ばせます。
両足同時に伸ばす「両足前屈」もあり、合わせることで股関節の痛みの対策や足回りの疲れの予防にも効果を発揮。初心者はつい手を伸ばすだけを意識しがちが、ゆっくり腰から押し出すようにすると、ぐーっと奥まで押し込めるようになりますよ。
ストレッチの正しいやり方
- ストレッチマットなどを敷いた上にあぐらをかいて座る
- 右足を右斜めに伸ばす
- (2)の時、左足の裏を右足の付け根につけましょう
- 両手を右足の太もも置き、ゆっくりと体を倒す
- 限界まで伸ばしたら20秒キープ
- ゆっくりと元に戻し、左足も同様に行う
- 終了
片足前屈は左右20秒ずつ、1日2往復で大丈夫。運動前後に1回ずつすればいいでしょう。
ただ、運動不足の方だと1人では難しいことがあるので、2人で行うと安全にできます。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 体を前に倒す時は頭を倒すのではなく、腰から押し込むイメージで
- 伸ばしている足の膝は曲げない
- 筋肉痛や痛めている時に取り組まない
- リラックスした状態で行う
片足前屈を無理にすると股関節や筋を痛める可能性があるため、伸ばせる範囲でゆっくりと行うのが基本です。
また、筋肉痛などにより股関節やふくらはぎが痛む時には無理して行わず、リラックスした状態の時に試すことをおすすめします。
ストレッチメニュー7. 椅子を使って股関節を伸ばす「脚伸ばしストレッチ」
疲れがたまりやすく、筋肉痛になりやすい腸腰筋(腰元の筋肉)や太もものリフレッシュにもおすすめのストレッチです。
椅子が2脚さえあれば自宅はもちろん、学校や会社でも簡単にできるので股関節が痛むときにぜひ試してみてください。
ストレッチの正しいやり方
- ベッドや椅子2脚など、高さのあるアイテムから50cmほど離れて立つ
- (1)の時、アイテムを左に見た状態で直立しましょう
- 左足をアイテムに寝かせるように置く
- 右足を少しずつ前に踏み出していく
- その後、ゆっくりと体を下に下げて、20秒キープ
- ゆっくりと元に戻し、右足も同様に行う
- 終了
脚伸ばしストレッチは左右20秒ずつ、2往復もすれば十分に腰の筋肉や太ももを伸ばせます。
ただ、股関節が痛むときや筋肉痛の強いときは、無理せず左右5秒ずつと短くしても大丈夫です。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 無理に体を下げない
- 背中は丸めず、まっすぐをキープする
- 膝から腰までの高さのアイテムを選ぶ
- 体は左右に振らず、進行方向を向く
脚伸ばしストレッチでまず意識したいのは体を沈める時に背中をまっすぐにキープするすることです。
背中を曲げてしまうと股関節を伸ばせずに痛みを和らげられませんし、反対に反ってしまうと腰の筋肉を刺激しすぎて痛むことにもなります。
どうしても股関節の痛みが続くなら、必ず病院に行くこと!
簡単なストレッチでも筋肉痛や疲れの予防、股関節が痛むことの対策になります。特に運動不足の方には効果が期待できるので、運動していなくても続けるのが良いでしょう。
ただし、股関節が痛むのは何も筋力や柔軟性の衰えだけではありません。万が一、お医者さんから筋肉の硬直による痛みだと判定された場合でも、痛みがずっと続くのであれば再度通院するよう心がけてください。
股関節の痛みが改善すれば、毎日の生活は本当にハッピーになる。
年齢を重ねるほど運動不足になりやすく、筋肉や関節は硬くなってしまいがちです。ほんの少し運動しただけで、次の日には筋肉痛に悩まされることも珍しくはありません。
だからこそ、股関節が痛むからだけでなく、体のケアのためにも日常的なストレッチが重要です。ぜひ紹介したストレッチを参考に、まずは股関節から対策を始めてみてください。
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