【首のストレッチ方法】オフィス&家で寝ながら出来る効果的な柔軟体操6選
首のストレッチで疲れにくい体を作ろう!
「首のコリがなかなか取れない。」「PC作業をしているとすぐ首が痛くなる。」など現代人における首の悩みは後を絶ちません。最近ではスマホやパソコンを原因とするストレートネックと呼ばれる不良姿勢も危惧されています。
首は頭と体をつなぐ大切な部位です。毎日しっかりとケアすることが大切。
そこで今回は、首のストレッチとして、オフィスで出来るストレッチから家で寝ながら行える柔軟体操まで徹底解説。休憩時間を有意義に使い体をリフレッシュさせましょう。
【首の筋肉】頭と体幹を結ぶ筋肉って?
ストレッチメニューを勉強する前に、まずはほぐす首の筋肉について学んでいきましょう。首にある主な筋肉は以下の5つになります。
首の筋肉① 胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、首の横側を斜めに走る筋肉部位です。胸骨と鎖骨の内側に付着しているため、胸鎖乳突筋は首の動きだけでなく、胸骨と鎖骨の拳上にも影響を与えています。胸鎖乳突筋の深層には多数のリンパ節が存在しており、首の中でも重要度は高めの筋肉です。
胸鎖乳突筋は主に、頭部を回旋させる動作(首を後ろに回す動き)や頭部を前下方に引く動作(顎を引く動き)、胸骨と鎖骨の拳上(鎖骨を定位置よりも上げる動き)を担当しています。
首の筋肉② 頭板状筋
頭板状筋(とうばんじょうきん)は、首の後ろ側(後頭部側)に付着している筋肉部位です。首の後ろ側にある筋肉の中で最も外側にあり、人間の首を守ってくれる大切な役割を担っています。頭板状筋の触診は非常に簡単で、手を首の後ろにつけた状態で首を上げた時に動いている筋肉です。
頭板状筋は主に、頭部を進展させる動作(天井を見る動き)や頭部を回旋させる動作(首を回す動き)、頭部を側屈させる動作(頭の横に倒す動き)をサポートしています。
首の筋肉③ 斜角筋
斜角筋(しゃかくきん)は、斜角筋群とも呼ばれ、3つの筋肉(前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋)を合わせた総称です。胸鎖乳突筋の深層にある筋肉で、筋肉としてはそれほど大きくありません。各3つの筋肉にそれぞれ役割がありますが、ここでは3つをまとめた役割を解説します。
斜角筋は主に、頭部を側屈させる動作(頭を横に倒す動き)や頭部を屈折させる動作(頭を前に倒す動き)、肋骨の拳上(息を吸う動き)の3つを行っています。特に注目すべき肋骨の拳上を支える働きです。肋骨の拳上は息を吸う動作で行われますが、無意識に取り入れている時はほとんど使われません。斜角筋が使われる時は有酸素運動や筋トレといった息の上がった状態です。あくまで吸気の補助筋肉として作用するのが斜角筋になります。
首の筋肉④ 頚板状筋
頚板状筋(けいばんじょうきん)は、頭板状筋よりもさらに下側にある筋肉です。首の付け根部分にあり、頭板状筋と共に頭部の動作に貢献しています。頚板状筋は首の筋肉でも違った役割を担当しているのが特徴です。
頚板状筋は主に、頭部を進展させる動作(頭を上に上げる動き)、頭部を側屈させる動作(頭を左右に倒す動き)、頭部を回旋させる動作(頭を回転させる動き)、頭部を安定させる動作を担当しています。オールマイティに活躍する一方で、頚板状筋は頭部の位置を固定させる重要な働きがあります。
首の筋肉⑤ 肩甲挙筋
肩甲挙筋(けんこうきょきん)は、首(頸部)から肩甲骨にかけてまたがる形で存在している筋肉です。僧帽筋や菱形筋と同様に首まわりを司る大切な筋肉の1つで、ラットプルダウンやシュラッグ種目にも影響を与えています。
肩甲挙筋は主に、肩甲骨を上方に引き上げる動作(肩をすくめる動き)をサポートしています。肩甲挙筋は首の動作よりも肩甲骨と首を結ぶ役割として活躍する筋肉です。
オフィス&寝ながらできる首のストレッチ6選
ほぐすべき重要な筋肉をご紹介したところで、ここから実際に取り組んでほしい首のストレッチを6個解説していきます。オフィスのパソコン作業で疲れきった時、自宅で寝ながら体をほぐしたい時にぜひ参考にしてください。
首のストレッチ1. 首の横側を伸ばせる側屈運動
まずは首の横側をほぐすストレッチ、首の側屈運動をご紹介します。胸鎖乳突筋や斜角筋など首全体をバランスよく伸ばせるストレッチですので、オフィスの休憩時間に行ってみてください。
首の側屈運動の正しい方法
- 椅子に浅く座り、背中をまっすぐ伸ばす
- 右手を腰の後ろ側に回し、椅子の逆側の淵を握る
- 左手を頭のてっぺんを通して右耳にかける
- ゆっくりと呼吸をしながら左側に倒していく
- 痛みの出ない範囲まで倒し、20秒間キープ
- 元に戻し、逆側も同様に行う
- 残り1回ずつ取り組む
- 終了
首の側屈運動の目安は、左右20秒 × 2回。フォームのコツまでしっかりと抑えていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 後ろ側に回している手の肩は上げない
- 痛みが出るまで頭を倒さない
- 20秒間リラックスしながら取り組む
首の側屈運動で大切なポイントは、後ろ側に回している手の肩は上げないということ。肩が上がってしまうと体に力が入ってしまい、首の筋肉を上手くほぐせません。呼吸を整えながらゆっくりと取り組みんでいきましょう。
寝ながら行う場合は、腰の下に手を置く形で取り組む。
首のストレッチ2. 首の後ろ側を伸ばせる前屈運動
側屈運動に引き続いてご紹介するストレッチが、首の前屈運動。名前の通り、頭を前に倒すストレッチ方法で、頚板状筋や頭板状筋などをほぐせますよ。側屈運動と併用して行うことをおすすめします。
首の前屈運動の正しい方法
- 椅子にしっかりと座る
- 前腕を胸の前でくっつける
- その状態のまま、後頭部を手で掴む
- ゆっくりと前に倒していく
- 背中が曲がらない限界まで倒したら、20秒間キープ
- 元に戻し、もう一度同じ動作を行う
- 終了
首の前屈運動の目安は、20秒 × 2回。痛みが出るまで前に倒す必要はなく、首の後ろがストレッチされていると感じたポイントで止めても大丈夫です。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 腰が丸くなるまで曲げない
- 足は組んだりせず、まっすぐ床につける
- 20秒間リラックスしながら取り組む
首の前屈運動で大切なコツは、腰が丸くなるまで首を曲げないということ。背中を曲げてしまうと、腰に負担がかかり、ストレッチの意味がなくなってしまいます。頭部が体幹と90度になるのを目安にストレッチを行っていきましょう。
同じ動作を寝ながら行ってもOK。
首のストレッチ3. 首の前側を伸ばせる伸展運動
屈折運動とは逆に、首を伸展させる柔軟ストレッチ種目。屈折運動と組み合わせることで首の後ろ側にある筋肉全体をバランスよくほぐせますよ。オフィスワーカーは首の側屈運動、屈折運動、伸展運動の3つがおすすめ。
首の伸展運動の正しい方法
- 椅子に深く座る
- 両手の親指を顎にかける
- 腰が反らないように、耳の位置は固定したまま顎を上げる
- 限界まで上げたら、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻す
- もう一度20秒間キープする
- 終了
首の伸展運動の目安は、20秒 × 2回。首の後ろ側にある筋肉が刺激されているのを感じながらストレッチしていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 上半身が後ろに反らないように背中は伸ばした状態をキープする
- 足は組んだりせず、まっすぐ床につける
- 20秒間リラックスしながら取り組む
足の伸展運動で重要なポイントは、腰を後ろに反らさないということ。首を限界まで伸展させようとして腰が反ってしまう男性がいますが、それでは呼吸を安定させられません。リラックスできる姿勢を維持しながら首の筋肉を伸ばしていきましょう。
首のストレッチ4. 首全体をほぐせる柔軟運動
首の重要な動作である回旋運動を取り入れたストレッチ種目。回旋とは喉ぼとけを前に向けたまま、頭を回転させる動作のことを指します。オフィスはもちろん、寝ながらでも取り組めるストレッチです。
首の回旋運動の正しい方法
- 椅子に深く座る
- (1)の時、首をまっすぐ伸ばし、背中は丸めないように注意しましょう
- 右手を使いながら左側を見るように左に頭を動かす
- 限界または90度左側に回転させたら、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻す
- その後左側に回して20秒間維持する
- この動作を1回ずつ行う
- 終了
首の回旋運動の目安は、左右20秒 × 2回。首の刺激を感じながらストレッチに取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 体はまっすぐ前に向けたまま、頭だけを回転させる
- 90度以上頭を回転させない
- 20秒間リラックスしながら取り組む
首の回旋運動で大切なポイントは、頭だけを回転させるということ。体も同じように回ってしまっては、首の筋肉をほぐすことは難しいでしょう。体はまっすぐ前に向けた状態で回旋運動に使われる筋肉をほぐしてください。
首のストレッチ5. 首全体を柔らかくできる簡単な首回し
小学校や中学校など義務教育の体育でもお馴染みの首ストレッチである、首回し。ここまでご紹介したストレッチとは違い、動的ストレッチと呼ばれる動いた状態で取り組むストレッチ種目です。
首回しの正しい方法
- 椅子に座る、または直立する
- 体幹は動かさずに首だけをゆっくりと右回りに一周させる
- (2)の時、大体8秒かけて一周させるスピードで行っていきましょう
- 元の位置まで戻ってきたら一度止め、逆に回す
- この動作を5回繰り返す
- 終了
首回しの目安は、左右8秒 × 5回。首は浅く曲げるのではなく、前にぐたっと倒した状態からスタートしましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 体はまっすぐ前に向けたまま、頭だけを回転させる
- 早くすることよりも、ゆっくり刺激することを意識する
- 20秒間リラックスしながら取り組む
首回しストレッチで大切なコツは、早く回すことよりもゆっくり筋肉をほぐすことを優先するということ。ストレッチは筋トレとは違い、呼吸を安定させた状態で取り組む種目です。ゆっくり時間をかけて筋肉を柔らかくしていきましょう。
首のストレッチ6. 首の前後をほどよく伸ばす開閉ストレッチ
首の動的ストレッチ2つ目として開閉ストレッチをご紹介します。首回しと同様に誰でも取り組める動的ストレッチですので、この機会に正しい方法とコツを押さえておいてください。
開閉ストレッチの正しい方法
- 足を肩幅分ほど開いて直立する
- 肘を開いた状態で両手を頭の後ろに固定する
- (2)の時、斜め上を見にように顎を少しだけ上げましょう
- 肘を閉じながら、頭をゆっくり下げていく
- 限界まで下げたら元に戻す
- この動作を5回繰り返す
- 終了
開閉ストレッチの目安は、5回。肘を閉じながら、ゆっくりと頭を倒していき、首の後部を刺激していきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸は止めずに安定させる
- 両肘を開閉する時は、時間をかける
- オフィスワーク中は椅子に座りながら行う
- 20秒間リラックスしながら取り組む
開閉ストレッチで大切なポイントは、1つ1つの動作に時間をかけるということ。首回しと同様に8秒かければ問題ないでしょう。オフィスワーク中は背中をまっすぐ伸ばした状態で取り組んでみてください。
首のストレッチで気分爽快な毎日に
首の筋肉とストレッチ方法について解説していきました。首の疲れは気分を憂鬱にし、何もかもやりたくなくなってしまいますよね。疲れがたまってしまう前に、首のストレッチでスッキリさせましょう。
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