肩甲骨のストレッチ方法。硬い筋肉を柔らかくする効果的な柔軟体操とは
そもそも、肩甲骨とは?
肩甲骨(けんこうこつ)とは、背中の肩周りにある骨のことを指し、腕と脊柱(背骨の繋がり)を結ぶという役割を担っています。肩甲骨は上腕骨と鎖骨に関節しているため、腕・首を動かす時は肩甲骨も自然と刺激されます。
肩甲骨から起始する筋肉は、三角筋・広背筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋など体を動かすために無くてはならない筋肉も多いため、しっかりと肩甲骨ストレッチでほぐしてあげましょう。
肩甲骨ストレッチの効果|肩甲骨周りの筋肉を柔らかくするメリットとは?
肩甲骨ストレッチが体良いと言われていますが、実際にどんな効果が期待できるのか。ここでは肩甲骨ストレッチの代表的な効果についてご紹介していきます。ストレッチへのモチベーション維持のたまに、しっかりと覚えていってください。
肩甲骨ストレッチの効果① 体が柔らかくなる
肩甲骨ストレッチに限らず、ストレッチ全種目に言える最大のメリット「柔軟性の向上」。
筋肉の周辺には腱や靭帯といった軟部組織があり、それら結合組織は、伸ばす動きをずっと続けていると限界を超え、柔軟性の向上が期待できます。さらに詳しく話すと、筋膜のさらに中にあるサルコメア(筋肉の収縮&伸展を司る筋節)の数が増えるからだとそう。
ちなみに、お風呂上がりやトレーニング後など体が一時的に柔らかくなっているのは、サルコメアの数が増えたためではなく、血流の流れが良くなって筋膜が柔らかくなったからだと言われています。
肩甲骨ストレッチの効果② 肩こりを改善できる
肩甲骨ストレッチで肩こりを改善できるのは、間接的な効果の1つでその他にも体全体にプラスの効果を実現します。
肩甲骨ストレッチを含めて、ストレッチ運動の多くは体をただ柔らかくするだけではなく、クセなどで歪んでしまった体全体のバランスを整える効果があります。アンバランスな肩甲骨の場合、猫背など背中部分への影響はもちろん、肩こりや便秘など体全体に悪影響を及ぼすことも。
上半身の中でも重要な筋肉たちと結びついている肩甲骨をケアすれば、上半身全体の具合を良い方向へと導けますよ。
【参考記事】肩甲骨ストレッチを含めたひどい肩こりの効果的な解消法を解説▽
肩甲骨ストレッチの効果③ 作業効率が上がる
この効果は筆者自身が実際に感じたことですので、人によって個人差があります。予めご了承ください。
普段からPC作業の多い職場で働いているため、座りっぱなしの状況が長く続いています。基本的にストレッチを行わなかった筆者ですが、このままではまずいと思い、肩甲骨ストレッチを定期的に行ったところ、体がポカポカと温まり、仕事に一層集中して取り組めるようになりました。血液の循環も良くなると言われているため、オフィスで働いている人は、2時間に一度軽いストレッチを行ってみても良いと思います。
理想的な頻度は、週5~7回。毎日ちょっとした空き時間を使って取り組んでいきましょう。
肩甲骨ストレッチの効果④ 睡眠の質が上がる
ストレッチには睡眠の質を向上させる効果も期待できます。ストレッチを行うことで筋肉の緊張をほぐし、血行を促進してくれるそう。お風呂上がりのポカポカした状態と似た状況が生まれるため、睡眠の妨げになる冷えやコリなどから体を解放できるんだとか。
ただ、これもあくまで個人差があるため、必ずコリや冷えが無くなるとは言えないと思います。「それでも取り組む価値はある!」とストレッチマニアの筆者自身も考えているため、冷えやコリに悩まされている方は、お試しがてら取り組んでみるといいかも。
肩甲骨ストレッチメニュー|筋肉を簡単に柔らかくできる効果的な柔軟体操10選
肩甲骨の基礎知識からストレッチで得られる効果まで学んだところで、ここから実際に取り組んでほしい肩甲骨ストレッチ「肩甲骨はがし」をご紹介します。
オフィスで取り組めるストレッチから椅子に座ってできる柔軟体操まで正しいやり方をマスターしていきましょう。
- “ながら”ストレッチ
- 王道で一番効く肩回し
- 肩甲骨と首のストレッチ
- 全身の筋肉も伸ばせるストレッチ
- どこでも出来るストレッチ
- 肩甲骨と胸周りを伸ばせるストレッチ
- 肩甲骨はがしストレッチ
- 腰周りをほぐせるストレッチ
- 効率よくほぐせる柔軟体操
- バランスよく伸ばせるストレッチ
肩甲骨の簡単ストレッチ1. 仕事中でも出来る“ながら”ストレッチ
めちゃくちゃ手軽に取り組める肩甲骨ストレッチメニュー。電話しながら、書類に目を通しながら、談話しながら取り組める柔軟体操ですので、ちょっとした時間に取り組んでみてください。
ストレッチの正しい方法
- 背筋をしっかりと伸ばす
- (1)の時、立っていても座っていてもOK
- 右手を痛みの出ないギリギリまで後ろに下げる
- 次に痛みの出ない範囲で上に上げる
- 限界の位置を確かめたら、そこで止めて手のひらを左右に10回ひねる
- ゆっくりと元に戻し、左手も同様に取り組む
- 終了
オフィスで出来る簡単ストレッチの目安は、右&左回し10回ずつ。誰でも簡単に取り組める肩甲骨ストレッチになるため、この機会にしっかりとマスターしていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- ながらストレッチでも正しいフォームを意識する
- 痛みの出る範囲まで腕をまわさない
- 背中はまっすぐ伸ばす
- 逆の腕は後ろに持っていかない
オフィスで出来る簡単ストレッチで大切なポイントは、ながらストレッチでも正しいフォームを意識するということ。たた、腕を後ろに回して手をくるくるさせるだけじゃ筋肉はほぐせません。肩甲骨付近の筋肉が伸びているのを感じながら取り組んでいきましょう。
肩甲骨の簡単ストレッチ2. 王道で一番効く肩回し
肩甲骨ストレッチの大定番メニュー、肩回し。小学校や中学校などの体育で行ったことのあるストレッチですが、正しいやり方を勉強したことのある男性は少ないはず。ここでおさらいしていってください。
ストレッチの正しい方法
- 手で肩の服を掴みます
- (1)の時、引っ張るのではなく、軽く掴みましょう
- ゆっくり後ろに回していく
- 胸の前に両手が来た時に、肘同士を合わせる
- そのままゆっくり5周させる
- その後、逆回しも同様に行う
- 終了
肩回しストレッチの目安は、左右6周ずつ。手で掴んだ服はストレッチ中は離さないようにしましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 胸の前で両肘をつける
- 横から見た時に、大きな円を描くように動かす
- 背中はまっすぐ伸ばす
- 肩全体を動かすイメージで取り組む
肩回しストレッチ重要なポイントは、肩全体を回すイメージで取り組むということ。肘だけ回しても肩甲骨のストレッチにはなりません。柔らかくしなやかな肩甲骨にするために、大きく円を描くように回していきましょう。
肩甲骨の簡単ストレッチ3. 肩こり改善に役立つ!肩甲骨と首のストレッチ
肩甲骨と首にかけての筋肉(肩甲挙筋や僧帽筋など)を伸ばせるストレッチメニュー。座った状態で気軽に取り組める柔軟体操になるため、オフィスでも簡単に行えますよ。PC作業の多い男性は小休憩で行ってみて。
ストレッチの正しい方法
- 椅子に深く座る
- 左手を腰の後ろに回し、椅子の縁を握る
- (2)の時、背中は丸めず、まっすぐ前に向けておきましょう
- 右手は頭のてっぺんを通して、左耳の後ろを掴む
- そのまま、斜め右方向にゆっくりと頭を倒していく
- ストレッチされているのを感じた位置で止め、20秒キープ
- ゆっくりと元に戻し、逆方向も同様に取り組む
- 終了
肩甲骨と首のストレッチの目安は、左右20秒ずつ。呼吸を安定させて20秒しっかりと数えていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 痛みの出ない範囲で取り組む
- 椅子を掴んだ手はあまり力を入れない
- 背中はまっすぐ伸ばす
- ゆっくりと前に倒していく
肩甲骨と首のストレッチで効果を高めるコツは、背中をまっすぐ伸ばした状態で行うということ。背中が丸まったまま、頭を倒してしまうと肩甲挙筋や斜角筋などを上手く刺激できない恐れがあります。無駄時間にならないためにも、姿勢には常に気を配って行ってください。
【参考記事】首の効果的なストレッチ方法とは▽
肩甲骨の簡単ストレッチ4. 肩甲骨をほぐしながら全身の筋肉も伸ばせるストレッチ
肩甲骨周辺の筋肉はもちろん、ハムストリングや大臀筋など下半身のアウターマッスルも刺激できるストレッチメニュー。
肩甲骨以外の筋肉は、補助筋肉として刺激する程度ですので、全身ストレッチだけ取り組めば良いと言うわけではありません。体を柔らかくしたい方はポイント毎に正しいストレッチで刺激してください。
ストレッチの正しい方法
- 足を肩幅よりも広めに開きます
- (1)の時、足先はまっすぐ前に向けた状態にしましょう
- 両手を後ろに回し、手を繋ぎます
- 背中は丸めず、腰からゆっくりと前に倒す
- (4)の時、頭は前にうなだれてもOK
- 限界まで倒した位置で20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻し、再度取り組む
- 終了
全身ストレッチの目安は、20秒×2回。肩甲骨から太もも裏など、全身の筋肉が伸びているイメージを持ちながら取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 痛みの出ない範囲で体を前に倒す
- 背中ではなく、腰から折るイメージで行う
- 慣れてきたら倒した位置で、両手を左右に振る
- 体を起こす時はゆっくりと
全身ストレッチで重要なポイントは、体を上げる時はゆっくりと起こすということ。血流の流れが良くなるため、急に頭を上げるとフラっとめまいが起きる恐れがあります。体をゆっくりと解放するように戻していきましょう。
【参考記事】ハムストリングの効果的なストレッチ方法とは▽
肩甲骨の簡単ストレッチ5. 屋外・屋内どこでも出来るストレッチ
椅子に座った状態で手軽に行えるストレッチメニュー。
シンプルで誰でも簡単に取り組めるため、やり方を覚えておくだけでリフレッシュできる時間を作れますよ。
大胸筋や前鋸筋、肩甲骨まで柔らかくしていきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 椅子に浅く座ります
- (1)の時、両足を肩幅ほど広げましょう
- 右手を左足の向こう側に置く
- (3)の時、軽く背中を丸めながら、肩を大きく出しましょう
- この状態で10秒キープ
- その後、体を挟んで逆方向に手を伸ばす
- 肩甲骨と大胸筋がストレッチしているのを感じながら10秒キープ
- ゆっくりと元に戻し、逆の手も同様に行う
- 終了
どこでも出来る1分ストレッチの目安は、10秒×10秒×左右。肩から手を伸ばして肩甲骨を限界まで開きましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 痛みの出ない範囲で手を伸ばす
- 手を伸ばすだけでなく、肩から突き出すイメージで
- 逆方向に振る時は、ゆっくりと動かす
- 腕を振ったときに体を向きを変えない
どこでも出来る1分ストレッチで重要なポイントは、おへその向きは常にまっすぐ前に向けておくということ。
へその向きが変わってしまうと、フォームが乱れやすくなってしまいます。正しく前鋸筋や肩甲骨を伸ばすために、へそはまっすぐ前に向けた状態でストレッチしましょう。
【参考記事】前鋸筋の効果的なストレッチ方法とは▽
肩甲骨の簡単ストレッチ6. 肩甲骨と胸周りを伸ばせるストレッチ
肩甲骨周辺の筋肉をピンポイントでストレッチできるメニュー。オフィスはもちろん、自宅でも簡単に行える理想的な柔軟体操です。手軽に出来て、体もすぐに温まる最高の種目になります。
ストレッチの正しい方法
- 足を肩幅分ほど広げる
- 両手を両肩の平行線上まで上げる
- その状態から両手をまっすぐ前に出しながら、背中を少し丸めていく
- (3)の時、肩から手を伸ばすイメージで動かしていきましょう
- 痛みの出ない範囲まで伸ばしたら、10秒キープ
- ゆっくりと体を起こし、両手を後ろに回して手を繋いで肩甲骨を寄せる
- 元に戻し、再度取り組む
- 終了
肩甲骨の開閉ストレッチの目安は、前後10秒ずつ×2回。肩甲骨の動きを意識しながら取り組みましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 痛みの出ない範囲で手を伸ばす
- 背中は丸めすぎず、軽くストレッチさせるように曲げる
- 体を上げる時はゆっくりと起こす
- 肩甲骨を寄せる時に顔は斜め上を見るように
肩甲骨の開閉ストレッチで覚えて欲しいポイントは、背中は軽くストレッチさせるイメージで丸めるということ。両手を伸ばすだけよりも、軽く背中を丸めることで肩甲骨を大きく外に広げられます。まずは動作を確認しながら行ってみるといいでしょう。
【参考記事】ダイエットに効果的なストレッチメニューをご紹介▽
肩甲骨の簡単ストレッチ7. タオルで行う肩甲骨はがしストレッチ
肩甲骨が固くて思うようにストレッチに取り組めないという男性におすすめなのが、タオルを使った柔軟体操です。本来は、トレーニングチューブなどを使って行った方が効果的ですが、タオルでも使い方次第で筋肉をしっかりとほぐせます。
ストレッチの正しい方法
- 椅子に浅く座る
- (1)の時、足は軽く開き、背筋はしっかりと伸ばしましょう
- タオルを右手に持ち、右手を肩の上に回して腰側にタオルを垂らす
- 左手を後ろに回し、タオルを持つ
- 限界の位置まで手の感覚を狭めていく
- 痛みのない位置まで狭めたら20秒キープ
- タオルから手を離し、リラックスさせる
- 逆手で同様に行う
- 終了
タオルで行う肩甲骨ストレッチの目安は、左右20秒ずつ。痛みを無理せず、筋肉がストレッチされていると感じたポイントで止めましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- タオルは少し長めのアイテムを使う
- 無理に手の感覚を狭めない
- 背中は丸めず、軽く胸を張る
- 慣れてきたら、肘を体の中心に近づける
タオルで行う肩甲骨ストレッチで重要なコツは、背中を丸めずに胸を張るということ。体が前傾してしまうと、筋肉を変に刺激してしまい、最悪の場合損傷させる恐れもあります。筋肉を正しく伸ばすために胸を張って行いましょう。
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肩甲骨の簡単ストレッチ8. 肩甲骨から腰周りをほぐせるストレッチ
ストレッチマットなどを敷いた上で行う肩甲骨ストレッチ。前鋸筋や僧帽筋、脊柱起立筋といった肩甲骨周りの筋肉をバランスよく伸ばせますよ。やや難易度の高い柔軟体操になるため、体の硬い方は無理して行わないようにしましょう。
ストレッチの正しい方法
- ストレッチマットなどを敷いた上に、四つん這いになる
- (1)の時、両手の幅は肩幅よりも少し広げましょう
- 右手を左手と左足の間に通し、上半身をゆっくりと倒していく
- 右肩&右耳を床につけた状態で20秒キープ
- (4)の時、下半身は一切動かさない
- ゆっくりと元に戻り、左手も同様に行う
- 終了
腰と肩甲骨のストレッチの目安は、左右20秒ずつ。痛みは無理せず、自分のペースでゆっくりと取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 無理に体を倒さない
- 腰から下は動かさない
- 体を倒した後は、全身をリラックスさせる
- 慣れてきたら滑らせた手のひらを床に向ける
腕と肩甲骨のストレッチで覚えて欲しいコツが、体をリラックスさせた状態で20秒キープするということ。支えている腕に力が入ってしまったりすると、筋肉をほぐすどころか逆に緊張した状態が20秒続いてしまいます。筋肉をケアするためにも、意識的に筋肉への刺激を抑えましょう。
【参考記事】腰の効果的なストレッチ方法とは▽
肩甲骨の簡単ストレッチ9. 肩周りを効率よくほぐせる柔軟体操
上腕骨と肩甲骨を結ぶ肩の筋肉(大円筋や回旋筋腱板など)を伸ばせるストレッチメニュー。肩回しと同じ動的ストレッチになるため、家でゆっくりしている時など、時間のあるタイミングで取り組んでいきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 10cmほどの段差を用意する(体重をかけても安定するアイテムならOK)
- 右手だけを段差の上に乗せ、四つん這いの形を作る
- 左手を浮かせて、大きく前に伸ばす
- (3)の時、肩からしっかりと前に伸ばす
- その後、肘を曲げて肘を体よりも大きく後ろに回す
- 円を描くように元に戻す
- この動作を残り4回行う
- 逆手も同様に取り組む
- 終了
上腕骨と肩甲骨のストレッチの目安は、左右5周ずつ。伸ばすタイミングと引くタイミングでメリハリをつけましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 手を伸ばすときは、肩甲骨同士を離すイメージで広げる
- 支えている腕は動かさない
- ゆっくりと時間をかけて行う
- 肘は大きな円を描くように動かす
上腕骨と肩甲骨のストレッチで重要なポイントは、手を伸ばすときは肩甲骨同士を離すように肩を前に出すということ。ただ、手を伸ばすだけでは肩関節の筋肉はストレッチできないでしょう。無駄な時間にならないためにも、正しいフォームで行って。
【参考記事】上腕骨と肩甲骨を結ぶ肩関節のストレッチ方法とは▽
肩甲骨の簡単ストレッチ10. 上半身をバランスよく伸ばせるストレッチ
肩甲骨や腹筋、大胸筋、腰など体の前部・後部どちらもストレッチできる種目。上腕骨と肩甲骨のストレッチと同様に、四つん這いになった状態で行うため、家で時間のある時に取り組んでみて。
ストレッチの正しい方法
- 両手を肩の真下に置いた状態で四つん這いになる
- 足と手の位置は固定した状態で、できるだけ背中を丸める
- 2秒間キープした後、逆に背中を反らす
- (3)の時、反らした状態も2秒間キープ
- この動作を残り4回繰り返す
- 終了
体幹のストレッチの目安は、上下5回ずつ。背中を痛めないよう、長時間キープせずリズムよく行っていきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 体を丸める時に肩甲骨を広げ、反らす時に肩甲骨を寄せる
- 足と手は動かさない
- 丸める時は頭を軽く下げ、反らす時は斜め上を見るように顔を上げる
体幹のストレッチで重要なポイントは、肩甲骨の開閉をしっかりと行うということ。たったこれだけを守るだけで、肩甲骨周辺の筋肉を効果的にストレッチできますよ。呼吸でタイミングを取りながら行ってください。
肩甲骨の動きに影響を与える主な筋肉とは?
人体の中でも多くの筋肉と起始停止している肩甲骨は、どんな筋肉と触れてどんな動きで働いているのか、知っている人は少ないでしょう。今回は、ストレッチの後にはなりますが、肩甲骨の動きに影響を与えている筋肉について解説していきます。
動きや役割を覚えておけば、ストレッチはもちろん、トレーニングにも使える知識になりますよ。
肩甲骨に影響を与える筋肉① 肩甲挙筋(けんこうきょきん)
肩甲挙筋は、肩甲骨と頚椎を結ぶ首の筋肉です。肩甲骨を動かす筋肉としては非常に重要な役割を担っており、僧帽筋による肩甲骨の拳上動作をサポートします。
今回ご紹介する5つの筋肉の中で最も小さい肩甲挙筋ですが、その分意識しなければストレッチできない筋肉でもあります。肩甲挙筋は、肩こりの原因として最も挙げられる筋肉ですので、肩こりを治したいと肩甲骨ストレッチに取り組む方は肩甲挙筋は柔らかくしていきましょう。
おすすめのストレッチは、【肩甲骨ストレッチ3】になります。
肩甲骨に影響を与える筋肉② 僧帽筋(そうぼうきん)
肩甲骨を動かす最大の筋肉である、僧帽筋。肩甲挙筋の6倍以上の体積を持ち、下方回旋を除いた肩甲骨の動作に影響する最も重要なアウターマッスルです。僧帽筋は、上部・中部・下部の3つに分けられ、全ての部位で担う役割は異なっています。
僧帽筋上部は、上方回旋、内転、拳上、伸展。
僧帽筋中部は、内転。
僧帽筋中部は、上方回旋、内転、下制。
三角筋と共に腕を上げる動きもサポートする筋肉でもあります。肩甲骨ストレッチは、主に『僧帽筋をほぐすストレッチ』とも言えるほど密接な関係があるため、体を動かしながら感覚を掴んでおくと良いでしょう。
今回ご紹介したストレッチは、全て僧帽筋もほぐせるストレッチメニューになります。
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肩甲骨に影響を与える筋肉③ 小胸筋(しょうきょうきん)
小胸筋(しょうきょうきん)は、大胸筋の深層に隠れているインナーマッスルになります。肩甲挙筋の次に小さな筋肉にはなりますが、僧帽筋が担えない『下方回旋』をサポートしている大切な筋肉です。
一般生活では足元に落ちている物を拾う動作や、息が上がっている時の呼吸を補助する役割などで力を発揮しています。非常に意識しにくい筋肉の1つですが、下方回旋運動を取り入れた【肩甲骨ストレッチ5】に取り組めば問題なくほぐせますよ。
肩甲骨に影響を与える筋肉④ 菱形筋(りょうけいきん)
菱形筋は2つの筋肉【大菱形筋・小菱形筋】の2つをまとめた呼び名のことを指します。大小と名前は付いているものの、見た目の大きさ以外、体積や長さ自体はほとんど変わりません。
菱形筋はどちらも担う役割は同じで、肩甲骨の内転・拳上・下方回旋の3つ。どちらも僧帽筋に隠れている背中のインナーマッスルになります。
菱形筋を柔らかくするおすすめのストレッチは、【肩甲骨ストレッチ10】で解説した体幹ストレッチです。
肩甲骨に影響を与える筋肉⑤ 前鋸筋(ぜんきょきん)
意外と知られていない筋肉の中でも、トップクラスの重要度を誇るインナーマッスル、前鋸筋。力こぶで知られている上腕二頭筋と同等の体積を持ち、呼吸など人間には必要不可欠な動きにも影響を与えています。
前鋸筋は縦長の形をした筋肉で、大きく【上部・下部】の2つに分けられます。
上部は、下方回旋をサポートし、下部は上方回旋の役割を担当。
【ストレッチ5】は、前鋸筋を伸ばすのにうってつけのストレッチメニューと言えるでしょう。
【参考記事】前鋸筋の効果的な鍛え方はこちらを参考に▽
肩甲骨ストレッチでライフスタイルを充実させる。
ストレッチはたった1分で出来るトレーニングメニューです。普段ちょっとゆっくりしている時間に取り組むだけで、体の柔軟性は変化するでしょう。たかが肩甲骨ストレッチ、されど肩甲骨ストレッチです。まずは手軽な柔軟体操から始め、最終的には週5回取り組む習慣を身につけましょう。
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