"すみません"の意味/使い方。類語&"すいません"の違い|ビジネス敬語ガイド
「すみません」の意味とは?
「すみません」とは、「謝罪・感謝・依頼」の3つの意味を持つ言葉です。
「すみません」は、「すみ」「ませ」「ん」の3つに分解でき、動詞「済む」の連用形「すみ」、丁寧語の助動詞「ます」の未然形である「ませ」、打ち消しの助動詞「ぬ」の終止形である「ん」から構成される言葉です。
「すみません」という言葉は、迷惑をかけたり失敗をしたりした時の謝罪の場面、何かしてもらった時に感謝の気持ちを伝える場面、負担をかけることを申し訳ないと思いつつ依頼事をする場面で用いられます。
使い方の例文としては、「連絡が遅れてすみません」「すみませんが、手伝っていただけると助かります」などが挙げられ、ビジネスシーンでは自分と同等か目下の相手、親しい間柄の関係のみの使用に適した言葉となります。
「すみません」と「すいません」との違いとは?
「すいません」は、「すみません」に含まれる「み」がなまって「い」に変わったことから生まれた言葉と言われています。
「すみません」「すいません」のどちらを使っても相手に意味は伝わりますが、「すいません」は話し言葉であり、書き言葉としての使い方をしないのが一般的です。
したがって、メールや手紙などにおいては、「すいません」ではなく「すみません」を使用するようにしましょう。
ビジネスシーンの「すみません」の正しい使い方とは?
すみませんの使い方① 謝罪で使う場合
- 先日はなかなか時間が取れず、すみませんでした。
- すみません。すぐに準備に取り掛かります。
- お忙しい中、ご面倒をお掛けしてすみませんでした。
- ご心配をおかけしてすみませんでした。おかげさまで熱も下がり体も楽になりました。
- 急な依頼ですみません。お時間がある時で結構ですので、手伝っていただけると助かります。
相手に迷惑や負担をかけてしまった時、謝罪の意味を込めて「すみません」が使われますが、謝罪する事柄や謝る相手によっては不適切な言葉となるため注意が必要です。
ビジネスシーンにおいて「すみません」が使用できるのは、些細なミスに対する謝罪のみ。重大なミスや過失を犯してしまった場面での「すみません」という言葉での謝罪は、非常に軽々しい印象を与え、不適切です。
また、「すみません」は丁寧語であるものの敬語ではないため、謝る相手が自分と同等か下の立場、あるいは親しい間柄の上司などに限って使用できる言葉となります。
すみませんの使い方② 感謝で使う場合
- 出張のお土産までいただいて、すみません。
- わざわざ手伝ってもらってすみません。とても助かります。
- 新システムの使い方を丁寧に教えていただいて、どうもすみません。
- 英訳の例文までご親切に準備していただいて、どうもすみません。おかげですぐに掲示できます。
- 私のために調整していただいて、どうもすみません。これならミーティングに間に合います。
「すみません」という言葉は、感謝や謙遜の意味を込めて使われることがあります。
その場合の「すみません」の使い方としては、相手から何かをしてもらった時や何かを戴いた時に、その有難さが申し訳なく感じるほどで、自分の気持ちが済まないという意味合いになります。
「すみません」は丁寧語であり軽めの表現となるため、自分と同等か下の立場、あるいは親しい間柄の上司などに向けて、簡単な感謝の気持ちを伝える場合に使います。
感謝の気持ちを伝える際、日本人らしい謙虚さや謙遜を意味する言葉として用いられる「すみません」ですが、昨今では「すみません」を「ありがとう」と言い換えて使うことが推奨されつつあるようです。
すみませんの使い方③ お願いをする場合
- すみませんが、ファイルの整理を手伝ってもらえないでしょうか。
- すみませんが、会議の前に少しだけお時間をいただけませんか。
- すみませんが、ビジネス研修用の資料をチェックしてもらえませんか。
- すみませんが、コピー機の使い方を教えてもらえませんか。
- すみませんが、メールか手紙が届いていないか確認してきてもらえませんか。
「すみません」という言葉は、相手に何かを依頼する時にも使用できる表現です。相手に何かを依頼するということは、その人が今行っている行為を中断させ、何かしらの負担をかけるということになります。
その事に対して謝る気持ちや感謝の心が「すみません」という言葉には含まれています。
ただし、「すみません」は丁寧語であるものの敬語ではないため、ビジネスシーンで使用する場合は、依頼する相手が自分と同等か下の立場、あるいは親しい間柄の上司など相手を見極めて使うようにしましょう。
「すみません」は敬語じゃない。ビジネスで使える丁寧な謝罪表現
すみませんの丁寧な敬語① 申し訳ありません(申し訳ございません)
「すみません」は丁寧語であるものの敬語ではありません。ビジネスシーンできちんと謝ることが求められる場面では、「申し訳ありません(申し訳ございません)」が適切な表現となります。
「申し訳ありません(申し訳ございません)」は、上司や目上の人、取引先の相手などに使用できる敬語表現です。
誠意をもってしっかり謝る場面では、「申し訳ありません」より「申し訳ございません」の方が適した表現となります。
「申し訳ありません(申し訳ございません)」の使い方
- 申し訳ありません。すぐに修正を行い、再度提出いたします。
- この度は商品発送に遅延が生じ、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
- 急な変更によりご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした。
【参考記事】「申し訳ありません」の正しい使い方を解説▽
すみませんの丁寧な敬語② お詫び申し上げます
「すみません」の丁寧な敬語表現に、「お詫び申し上げます」という言葉があります。
謙譲表現が含まれる「お詫び申し上げます」は、相手を敬って謝罪を述べる際に使われる言葉で、かなり丁寧な敬語表現です。
上司や目上の人に用いても間違いではありませんが、一般的には、取引先の相手や顧客などに対して、重大なミスや過失を犯してしまった場合や、多大な迷惑をかけた場合等によく使用されます。
「お詫び申し上げます」の使い方
- この度は、御社に多大なご迷惑をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。
- 大変ご不便をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。
- ご不快な思いをさせてしまいまして、重ねてお詫び申し上げます。
【参考記事】「お詫び申し上げます」の使い方を例文付きで分かりやすく解説!▽
すみませんの丁寧な敬語③ 失礼いたしました
「失礼いたしました」も、謝罪の意味を含む敬語表現です。「失礼」には、「礼儀に反する振る舞い・失敬・無礼」という意味があります。
よって、「失礼いたしました」とは、相手に対して礼儀に欠ける行為や言動をしてしまった場合に、謝罪する表現となります。
謙譲語を含む敬語である「失礼いたしました」は、ビジネスシーンにおいて上司や目上の人、取引先の相手にも使用できるほか、カフェやお店のレジなど接客の場面でも多く使用されます。
「失礼いたしました」の使い方
- 先週の忘年会では醜態をさらしてしまい、大変失礼いたしました。このようなことを起こさぬよう、以後気をつけます。
- ご不幸を存じ上げず、新年のご挨拶を申し上げ大変失礼いたしました。
- 先日のパーティーでは挨拶もままならず、失礼いたしました。
「すみません」と言い換えできる類語一覧
すみませんの類語① ごめんなさい
誰もがよく使用する「ごめんなさい」も「すみません」の類語の一つです。
「ごめんなさい」は「御免」の丁寧語で、使い方としては、自分の過ちを詫びる時や、自分の失礼に対して許しを乞う時に用いられます。謝罪の意味を持つ部分では「すみません」と共通していますが、「ごめんなさい」は許しを乞うニュアンスが強く、自分の非を認めて反省する気持ちを表す言葉となります。
丁寧語である「ごめんなさい」は、ビジネスシーンで上司や目上の人、取引先の相手などに対して使用するのは失礼にあたるため注意しましょう。仮に使う場合は、あくまでも自分と同等の立場や目下の人、あるいはプライベートで使用する言葉です。
「ごめんなさい」の使い方
- ごめんなさい。先ほど渡した資料に間違いがあったので、再度配布します。
- お役に立てなくてごめんなさい。また何かあれば声をかけてくださいね。
- 手紙の返事が遅くなってごめんなさい。しばらく体調を崩していました。
すみませんの類語② 恐れ入ります(謙遜)
謙遜の意味を込めて使われる「恐れ入ります」という言葉も、「すみません」の類語表現です。「恐れ入ります」には、相手からの心遣いをかえって申し訳なく感じるといった、身の縮むような感謝の思いを表す意味があります。
「すみません」「どうもすみません」などと同じように謙遜の意味を持つ言葉ですが、「恐れ入ります」は丁寧な敬語表現であるため、上司や目上の人、取引先の相手などへの使用に適しています。
メールや手紙などの書き言葉としてもよく使用される敬語表現です。
「恐れ入ります」の使い方
- この度は、結構なお品をお送りいただき、恐れ入ります。
- 部署の者全員に美味しそうなお土産を準備していただき、誠に恐れ入ります。
- 私どものためにわざわざ遠方よりお越しいただき、恐れ入ります。心より感謝申し上げます。
【参考記事】「恐れ入りますが」をつかった丁寧な例文とは▽
すみませんの類語③ ありがとうございます
感謝の意味を込めた使い方をする「すみません」の類語に、「ありがとうございます」という言葉があります。
「すみません」「ありがとうございます」のどちらも感謝の気持ちを述べる場面で用いられる言葉ですが、「すみません」は謝罪のニュアンスが強く感じられ、必要以上に謙遜している印象を与えることから、「ありがとうございます」と言い換えて用いられることが多くなっているようです。
感謝の気持ちがストレートに伝わる「ありがとうございます」という表現は、言う方も言われる方も明るい気持ちになる言葉です。
「ありがとうございます」の使い方
- 休憩時間にもかかわらず、資料作りを手伝っていただいて、本当にありがとうございます。
- 早々にメールの返事をいただきまして、ありがとうございます。
- 新しいコピー機の使い方を教えていただいて、ありがとうございます。
すみませんの類語④ 恐縮です(謙遜)
「恐縮です」の「恐縮」には、身が縮まるほど恐れ入るという意味があります。「恐縮です」とは、相手から受けた行為に対し、感謝しつつも恐れ多く申し訳ない気持ちを表す言葉です。
「恐縮です」という言葉は、同じように感謝や謙遜の意味で用いられる「すみません」の丁寧な敬語表現にあたります。
ビジネスシーンにおいて上司や目上の人、取引先の相手に対し、自分にとっては恐れ多いという謙遜の意味を込めて感謝やお礼を伝える際に適した言葉となります。
「恐縮です」の使い方
- お忙しい中、わざわざお時間を割いていただきまして恐縮です。
- 気にかけていただき恐縮です。少しでも早く貢献できるよう精進してまいります。
- ご心配をおかけし申し訳ございません。お見舞いまでいただき恐縮です。
【参考記事】「恐縮ですが」の意味とは?使い方から例文まで解説します▽
「すみません」の英語表現
- I’m sorry(すみません- ごめんなさい- 申し訳ありません)
- I apologize for ~(お詫び申し上げます)
- I sincerely apologize ~(心からお詫び申し上げます)
- I beg your pardon.(申し訳ありません- 恐れ入ります)
- Excuse me.(失礼しました- ご容赦ください)
- I am truly sorry.(心から申し訳ないと思っております)
例文1つ目の「I’m sorry」という英語表現は、「すみません」など謝罪をする様々な場面でよく用いられます。
ビジネスシーンで目上の人に対して「sorry」を用いる場合は、「truly」「very」などの強調表現と合わせるとフォーマル度が上がります。
また、ビジネスシーンの謝罪の場面でよく使用されるのが「apologize」。日本語の敬語表現にあたる堅いニュアンスを持つ英単語です。例文2つ目の「I apologize for ~」という英語表現はビジネスシーンよく用いられる謝罪のフレーズです。
「すみません」の韓国語表現
- 미안해요(すみません- ごめんなさい)
- 미안합니다(すみません- ごめんなさい)
- 죄송합니다(申し訳ございません)
- 정말 죄송해요(本当にすみません)
- 사과 드립니다(心よりお詫び申し上げます- 謝罪いたします)
- 불편을 드려 대단히 죄송합니다.(ご迷惑をかけてしまい、大変申し訳ございません)
ビジネスシーンにおいて上司や目上の人、取引先の相手に対し、「申し訳ございません」などときちんと謝罪したい場合は、例文3つ目の「죄송합니다」を使用します。
また、重大なミスや過失を犯し、「お詫び申し上げます」と謝罪したい場合は、例文4つ目の「사과 드립니다」を使用します。
「사과 드립니다」は、かなり深刻なミスや失態に対して使用される言葉なため、状況に応じて使うようにしましょう。
「すみません」の中国語表現
- 对不起(すみません- ごめんなさい- 申し訳ありません)
- 不好意思(すみません- ごめんなさい)
- 实在对不起(本当にごめんなさい- 本当にすみません)
- 麻烦您了(ご迷惑をおかけしてすみません)
- 请多包涵(どうかお許しください- 大目に見てください)
- 我们表示深深的歉意(心からのお詫びを申し上げます)
「すみません」の中国語での一般的な謝罪の表現としては、例文1つ目の「对不起」が多く使用されます。
例文2つ目の「不好意思」は、ちょっとした不手際や失礼に対して申し訳ない時や、人から好意を受けた時にも使用できる言葉で、日本語の「すみません」とニュアンスが似ています。
ビジネスシーンで目上の人や取引先の相手に対し、メールや手紙などの書き言葉として丁寧に謝罪を述べる場合は、例文6つ目の「我们表示深深的歉意」を使用します。
日頃から多用する「すみません」は、きちんと使いこなしましょう!
「すみません」の正しい意味や使い方、敬語や類語、外国語表現などについて、様々な例文を交えてご説明しました。
「謝罪・感謝・依頼」の意味を含む「すみません」には様々な使い方や類語があり、とても便利な言葉ではありますが、シチュエーションや相手との関係性によって使い分けることが重要です。
「すみません」は敬語ではないため、ビジネスシーンでは丁寧な敬語表現に言い換える必要があることを覚えておきましょう。
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