"お気遣いいただきありがとうございます"の例文集。ビジネス敬語ガイド
「お気遣いいただきありがとうございます」の意味とは?
「お気遣いいただきありがとうございます」とは、「私のために気配りや配慮をしてもらいありがとうございます」という意味のある敬語表現です。
「お気遣い」は、相手が自分のことを気を配る気持ちや相手の配慮を指します。つまり、物や形ではなく相手が自分のためを思ってくれる気持ちを示すところがポイントです。
また、「いただく」は「もらう」の謙譲語で、自分の立場をへり下って伝えたいときに使います。そのため「お気遣いいただきありがとうございます」をビジネスシーンで使うときは、上司や取引先の人など目上の人からしてもらった心遣いに感謝を示したいときに用いることが可能です。
「お気遣いいただきありがとうございます」は、目上の方にも使える敬語表現?
「お気遣いいただきありがとうございます」は、目上の方にも使える表現です。「いただく」は「もらう」の謙譲語であり「お~いただく」は、丁寧な謙譲表現になるためです。そのため、目上の人からの心遣いに感謝したいときに使用できます。
謙譲語は、自分の立場をへり下って話す相手に用いる敬語です。そのため、自分よりも立場が上の人、ビジネスシーンでは上司や取引先の人、お客様に用いることが可能です。
一方で、謙譲語は自分よりも立場が下の人には使うことができません。したがって、同僚や部下には使えない敬語表現なので注意しましょう。
「お気遣いいただきありがとうございます」を伝えられる例文一覧
- 平素よりお気遣いいただきまして、誠にありがとうございます。
- この度は納品日につきましてお気遣いいただきありがとうございます。とても助かりました。
- 昨日は、たくさんの激励の言葉をくださり、お気遣いいただきありがとうございます。
- 先日はご多忙のところ、お気遣いいただきありがとうございました。
- お気遣いいただきありがとうございます。1日でも早く風邪を直すように致します。
- 今日の吞み会は、残業で参加できそうにありません。お気遣いいただきありがとうございます。
「お気遣いいただきありがとうございます」は目上の人からの心遣いや配慮に感謝を伝えたいときに用います。
例えば、風邪などで会社を休むときに「無理しないようにしてください」など温かい言葉をかけてもらったときには、「お気遣いいただきありがとうございます」を用いることで、心遣いに対して感謝の気持ちを述べられます。
また、「お気遣いいただきありがとうございます」の他の使い方としてメールや手紙などの書き言葉としても使用可能。
日頃の心遣いに感謝をしたいときやお中元やお歳暮などを受け取ったときに、相手の配慮に対して感謝の気持ちを伝えられます。他にも「お気遣いいただきありがとうございます」は、接待やお誘いに感謝の気持ちを示したいときにも使えますよ。
目上に使える「お気遣いいただき」以外の丁寧な敬語表現
丁寧な敬語① お気遣いくださり/くださいまして
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語として「お気遣いくださりありがとうございます」があります。
「くださる」は「くれる」を丁寧にした敬語で、「気遣ってくれてありがとうございます」という意味になります。
例文のように使えるシーンは「お気遣いいただきありがとうございます」と変わりませんが、「くれる」よりも「もらう」の方が丁寧に感じますよね。そのため、ビジネスシーンでは「いただき」を使ったほうが相手にいい印象を与えるでしょう。
「お気遣いくださり/お気遣いくださいまして」の使い方
- 先日は、お気遣いくださりありがとうございました。おかげさまで体調も回復いたしました。
- いつもお気遣いくださいまして、誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
- 本日、お中元を受け取りました。いつもお気遣いくだいまして、誠にありがとうございます。
【「例文」で使われる敬語】
・「先日」っていつまでを指す言葉?"昨日"との違いまで簡単にご紹介!
・「ありがとうございます」の意味/使い方|言い換えできる類語まで徹底解説
丁寧な敬語② お気遣いただき恐縮です
「恐縮」とは本来「恐れや恐怖に身が縮む」ことを表現する言葉でした。しかし、今では相手への強い感謝や気を配る気持ちに身がすくむという場面でも使われています。
そのため、「お気遣いいただき恐縮です」は「配慮や心遣いをしてもらい身がすくむ思いです」という意味を相手へ伝えられます。
ビジネスシーンでは「お気遣いいただきありがとうございます」と同様のシチュエーションで使うことが可能です。もちろん、上司からのお誘いや接待を断りたいときにも活用できます。
「お気遣いただき恐縮です」の使い方
- 私のような未熟者にお気遣いいただき恐縮です。
- 昨日は、駅まで送ってくださり本当にありがとうございました。お気遣いいただき恐縮です。
- 過分なるお気遣いいただき恐縮です。今後ともよろしくお願い申しあげます。
丁寧な敬語③ お気遣い賜り/お気遣い賜りまして
「賜る」は「受け取る」「もらう」の謙譲語です。「お気遣い賜り」は「相手からの心遣いや気を配る気持ちを受け取る」という意味になります。
「お気遣いいただき」と同じような意味で用いることができますが「賜る」のほうが謙譲の度合いが強いため、ビジネスシーンではスピーチなどのかしこまった場面やメールや手紙など書き言葉の定型文として使うことが多いです。
ただし、「賜る」を普段から乱用すると返って失礼にあたるため、話し言葉では「いただき」を使うほうが無難です。
「お気遣い賜り/お気遣い賜りまして」の使い方
- 平素よりお気遣い賜りまして、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- 昨日、お中元の品を受け取りました。お気遣い賜りましてありがとうございます。
- ご多忙のところ、お気遣い賜りありがとうございました。
【参考記事】「賜る」の意味や正しい使い方を詳しく解説します▽
「お気遣い」と「お心遣い」の違いとは?
「お気遣い」の類語といえば「お心遣い」が挙げられます。「お気遣い」は相手の配慮や気を配る気持ちに対し、「お心遣い」は相手が自分に対して気を遣う行動をしてくれたときに使うて用いる敬語表現です。
そのため、「お気遣い」は目に見える行動が伴うときに使うと覚えておくといいでしょう。また、「お気遣い」も「お心遣い」も頭に「お」を付けた丁寧な表現なので、どちらも目上の人に使用できます。
例文のように「お心遣いいただきありがとうございます」など、感謝の言葉と共に用います。他にも、体調を気遣ってもらったときや接待などにお誘いしてもらったときに使える表現です。
「お心遣い」を使った感謝の例文
- 平素よりお心遣いいただき誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
- 先日は、お心遣いいただきありがとうございました。おかげさまで体調も回復いたしました。
- 先日は納期延期のお心遣いを賜り誠にありがとうございました。先ほど発送させていただきましたので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
【「例文」で使われる敬語】
・「お心遣いありがとうございます」を使った丁寧な例文を解説!
・「ご査収の程よろしくお願いいたします」の正しい使い方を例文付きで簡単に説明します
「お気遣いいただきありがとうございます」と言い換えできる類語
類語① ご配慮いただきありがとうございます
「配慮」には「いい結果となるようさまざまな対処をすること」という意味があります。そのため、相手が自分にしてくれた心遣いや行動に対して感謝を述べたいときに用います。
使い方としては例文のように、上司や取引先の人など目上の人がしてくれたことに対して感謝を述べたいときに使えます。また、ビジネスシーンではメールなどの書き言葉としても使う機会が多いです。
「ご配慮いただきありがとうございます」の使い方
- 人事異動の件では、ご配慮いただきありがとうございました。より一層精進いたしますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- 昨日は、ご配慮いただきありがとうございました。お陰様で病院へ行くことができました。
- ご配慮いただきありがとうございます。お陰様で早く仕事を終えることができました。
類語② ご厚情ありがとうございます
「ご厚情」とは「ごこうじょう」と読む類語の1つ。「親切な気持ち、思いやり、気を配る」を示す謙譲語で「ご厚情ありがとうございます」は「親切にしてくれてありがとうございます」という意味になります。
自分をへり下って表現する謙譲語なので「お気遣いいただきありがとうございます」と同じように、上司や取引先の人など目上の人に使う敬語です。ビジネスシーンにおいては日常会話で使う機会があまりなく、スピーチなどのかしこまった場面で用います。
他の使い方としては、メールや手紙などの書き言葉の定型文として使用します。
「ご厚情ありがとうございます」の使い方
- 平素はひとかたならぬご厚情ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 先日はご厚情ありがとうございました。お陰様で無事に商品を出荷することができました。
- 日頃より格別のご厚情ありがとうございます。
類語③ ご高配ありがとうございます
「ご高配」には「相手の配慮を敬う」という意味があります。「ご高配ありがとうございます」は、相手が自分のためにしてくれた行動や気遣いに対して感謝の気持ちを述べるときに使う謙譲表現です。
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語で、「お気遣いいただきありがとうございます」と同じように目上の人に対して感謝の気持ちを述べたいときに用います。
しかし、「ご高配ありがとうございます」は気持ちだけでなく、行動を伴うときに使うところが異なります。使い方としては例文のように、スピーチや書き言葉などかしこまった場面で活躍します。
「ご高配ありがとうございます」の使い方
- 平素は格別のご高配ありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
- 本年もひとかたならぬご高配ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 格別のご厚情ありがとうございます。皆様のお陰でこのような賞を受賞することができました。
類語④ お気遣い痛み入ります
「お気遣い」は相手の心遣いや気持ちを示す表現です。
「痛み入ります」は「恐縮です・恐れ入ります」と同じような意味を持つので「お気遣い痛み入ります」は「心遣いや気遣いに身が縮む思いです」という意味になります。
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語で、「お気遣いいただきありがとうございます」と同様に目上の人から受けた心遣いに対して感謝の気持ちを伝えたいときに活用します。
しかしながら、「お気遣いいただきありがとうございます」のように日常会話で使うことは少ないです。ビジネスシーンでは接待などのお誘いを受けたときにお礼や感謝を伝える書き言葉として使うのが一般的です。
「お気遣い痛み入ります」の使い方
- 先日はご足労いただきありがとうございました。粗品までいただきお気遣い痛み入ります。
- いつも何かとお世話になり、お気遣い痛み入ります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
- 本日は、参加できず申し訳ありませんでした。お気遣い痛み入ります。
類語⑤ 誠に恐れ入ります
「恐れ入ります」は「ありがたく思う気持ち」を表現できる謙譲語です。
「誠に」には「本当に」という意味があるため「誠恐れ入ります」は「本当にありがとうございます」という意味で使います。
「お気遣いいただきありがとうございます」と同じように、上司や取引先の人など目上の人に使うことができる表現で、単に「ありがとうございます」というよりも、丁寧でかしこまった印象を与えます。
使い方としては例文のように、お客様や取引先の人などに感謝の気持ちを伝えたいときに用いることが多いです。
「誠に恐れ入ります」の使い方
- 平素より格別のご高配を賜り誠に恐れ入ります。今後ともよろしくお願い申し上げます。
- ご多忙のところ、わざわざご足労いただき誠に恐れ入ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
- この度は、たいそうな品を頂戴し誠に恐れ入ります。
類語⑥ 大変恐縮です
「恐縮」は相手への強い感謝の気持ちを示すときに使う敬語表現です。そのため「大変恐縮です」は「とても感謝をしています・とてもありがたく感じています」という意味になります。
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語で、上司や取引先の人など目上の人へ感謝を伝えるときに用いることが可能。
一方で、何に対しての感謝かまでは示すことができないため、例文のように「お気遣い」や「お気遣い」などとセットで使うことが多いです。
「大変恐縮です」の使い方
- 平素より格別のお気遣いを賜り大変恐縮です。今後ともよろしくお願い申し上げます。
- 身に余るような評価をいただきまして大変恐縮です。今後ともより一層精進してまいります。
- たいそうな粗品を頂戴、大変恐縮です。
【参考記事】「大変恐縮ですが」の意味から使い方まで解説します▽
「お気遣いいただきありがとうございます」の英語表現
- Thanks for your concern.(お気遣いありがとうございます)
- Thank you for your thoughtfulness.(お気遣いいただきありがとうございます)
- I am very much obliged to you(恐縮です)
- I appreciate your thoughtfulness.(お気遣い痛み入ります)
- Thank you for being so considerate.(ご高配ありがとうございます)
- I am sorry for troubling you when you are busy.(お忙しいところ恐れ入ります)
「お気遣いいただきありがとうございます」の類語の英語表現にはさまざまなものがあります。
もっとも簡単な英語表現は「Thanks for your concern.」で「お気遣いありがとうございます」という意味になります。
英語を使うビジネスシーンに合わせて、正しい使い方ができるようにしておくといいでしょう。
「お気遣いいただきありがとうございます」はきちんと使いこなしましょう!
今回は「お気遣いいただきありがとうございます」の意味や使い方、類語、例文や英語表現をまとめてご紹介しました。
ビジネスシーンで目上の人に感謝の気持ちを伝えたいときに使える便利な敬語表現ばかりでしたね。謙譲語なので、自分の立場をへり下って表現できるところもポイントです。
話し言葉としてはもちろん、メールなどの書き言葉としても使えます。目上の方にも問題なく使用できるため、シーンに合わせた使い方をマスターしてくださいね!
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