"ご査収くださいませ"の意味/使い方。類語&返事付き。ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2024.05.09
上司や取引先など、目上の人とやり取りにも多用されるビジネス敬語、ご査収くださいませ。仕事使う言葉だからこそ、意味や使い方はマスターしておきたいところ。そこで今記事では、「ご査収くださいませ」の意味や使い方から、類語や英語での表現まで詳しくお届けします。

「ご査収くださいませ」の意味とは?

ご査収の程よろしくお願いいたしますの類語 ご査収くださいませ

「ご査収くださいませ」とは、「内容や中身をしっかりと調べたり、確認したりして受け取ってください」といった意味を持つ言葉です。

そのため、手紙やメール、書類といった内容を確認できるものが無ければ使用できないのも大きな特徴です。

したがって、「ご査収くださいませ」と言われた際は、同封/添付されたものをよく確認してから受け取ってください、といった意味となります。


「ご査収くださいませ」は目上の人にも使える敬語?

ご査収くださいませは目上の人に使える敬語なのか?

「ご査収くださいませ」は、取引先の相手や上司など目上の方にも問題なく使用できる丁寧な言葉遣いです。

ただし、先程も少し触れたように手紙やメール、書類など、何か確認してもらいたい物が無ければ使用できません。また、「ご〜くださいませ」は、命令口調を柔らかくした表現なため、人によっては失礼だと感じることがあることも覚えておいてください

そのため、使用する際は、「○日の打ち合わせで使用する資料を送付しますので、ご査収くださいませ」など、できる限りチェックしてほしい内容を具体的に明記しておくと、相手も何を確認すればよいのか理解しやすく、受け取る側からしても返信が簡単になります。


「ご査収くださいませ」を用いた例文一覧

ご査収くださいませの使い方とは

「ご査収くださいませ」の意味について理解を深めたあとは、例文を交えながら正しい使い方を解説していきます。どれもビジネスシーンで使う機会が多いフレーズなのでしっかりと覚えておきましょう。

  • 明日行うミーティングの資料を添付致しましたので、ご査収くださいませ。
  • お見積書をお送り致します。ご査収くださいませ。
  • 必要書類を同封致しますので、ご査収くださいませ。
  • 領収書を発送いたしましたので、ご査収くださいませ。
  • 添付したデータに詳細は記載しています。ご査収くださいませ。
  • 請求書をご返却いたしますので、よろしくご査収ください。

ご査収くださいませは、自身が送った書類やメールを取引先などの先方に目を通してほしい時によく使用する言葉です。そのため、覚えておいて損のないフレーズと言えるでしょう。

もちろん、貴方自身が言われる機会もあるため、その際は速やかに内容を確認し、その旨を相手へと伝えるようにしましょう。


「ご査収くださいませ」よりも丁寧な敬語表現とは?

「ご査収くださいませ」は丁寧な表現ではありますが、文末の「ませ」は「ます」の命令形なため、人によっては不快感を感じてしまう恐れも。そんな時は、

  • ご査収くださいますよう、
  • ご査収願います
  • ご査収の程、〜
  • ご査収いただければ、〜

と、「ご査収くださいませ」より丁寧な表現を使うのがベストな判断と言えるでしょう。したがって、ここからは、「ご査収くださいませ」より丁寧なの4つの敬語表現について詳しく解説していきます。


丁寧な敬語表現① ご査収くださいますよう、

ご査収くださいますよう、は目上の人に使えるのか

クライアントや目上の方へ「ご査収ください」と述べたい場合は、「ご査収くださいますよう、〜」と伝えるのも丁寧な表現と言えます。

一件「ください」は命令形の丁寧な言い方なため失礼に見えますが、「ますよう」を繋ぎ言葉に用い、「お願い申し上げます」「お願いいたします」と伝えることで、相手へ丁寧にお願いしていることが伝えられます

「ご査収くださいますよう、」はビジネスメールなどでも一般的に使われる敬語表現ですので、必ず覚えときましょう。


「ご査収くださいますよう、」の例文

ビジネスメールの文末に用いる場合
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
検収書を送付いたしましたので、ご査収くださいますよう何卒よろしくお願いいたします。

【参考記事】「よろしくお願いいたします」の使い方&類語を解説


丁寧な敬語表現② ご査収願います

ご査収願いますは目上の人に使える敬語表現なのか

自分の会社の上司など、社内の目上の方へ述べたい場合は「ご査収願います」と伝えるのも有効的な表現と言えるでしょう。ただし、尊敬語の「ご」を文頭につけてはいますが、文末の「ます」はあくまでも丁寧語となるため、「ご査収くださいませ」と丁寧さはあまり大差ありません。したがって、社外の人に対しては謙譲表現を用いた言い方を述べるのが好ましいです。

反対に、直属の上司を筆頭に、近い距離感の人に丁寧すぎる表現は逆に他人行儀っぽく聞こえてしまうため、最低限の丁寧な表現「ご査収願います」を用いるのもありと言えます。

ただし、上司に対してもフランクな表現は避けたい場合は、謙譲表現などを用いるなどしてより丁寧な表現を用いるようにしましょう。


「ご査収願います」の例文

上司へ確認を促したい場合
添付ファイルに概要をまとめておりますので、お時間のある時にでもご査収ねがいます。
資料のチェックを依頼したい場合
資料を送付させていただきましたので、ご査収願います。


丁寧な敬語表現③ ご査収の程、〜

ご査収の程は目上の人に使える敬語なのか

「ご査収の程よろしくお願いいたします」など、「ご査収の程」を使った表現はビジネスメールなどの定例文としてよく用いられるフレーズです。断定的な表現を避ける「の程」を使用することで、柔らかく伝わるため、取引先や目上の方にも問題なく使用できる丁寧な敬語表現と言えます。

したがって、「ご査収くださいませ」よりも更に丁寧な言葉づかいを使用したい時は、「ご査収の程よろしくお願いいたします」と述べるのも適切な表現です。


「ご査収の程、〜」の例文

相手へ資料を送る場合
資料一式を送付させていただきましたので、ご査収の程よろしくお願いいたします。

相手へ再確認してもらう場合
発注内容を添付ファイルにて送付したので、ご査収の程よろしくお願いいたします。


丁寧な敬語表現④ ご査収いただく/ご査収いただき

ご査収いただく/ご査収いただきは目上の人に使える敬語なのか

取引相手へビジネスメールや資料を送付する際、「ご査収いただく」という敬語表現を使うのも良いでしょう。「ご〜いただく」は、謙譲語で相手よりもへりくだる意味を持っています

「ご査収いただく」には、「内容をよく調べて確認して貰えると、〜」といった意味をあり、こちらから一方的に伝えるのではなく、相手にへりくだってお願いしている旨が伝わるからです。

ご査収いただくを実際に文章で使う場合は、

  • ご査収いただければ、〜
  • ご査収いただきけますと、〜
  • ご査収いただきますよう、〜

と変化させることで幅広いシチュエーションに対応した謙譲語表現を作り出せます。「査収」という言葉の場合、「いただく」よりも「くださる」の方が一般的に使われているため、自然な言い回しを重視したい方は、「くださいますよう、〜」を使うのが良いでしょう。


「ご査収いただき/ご査収いただく」の例文

メールの文末に用いる場合
ご査収いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
ご査収いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

丁寧に依頼したい場合
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご査収いただければ幸いです。

【「例文」で使われている敬語】
「恐縮ですが」を使った丁寧な例文とは?使いあk他から類語まで解説

「幸いです」は目上には失礼?正しい使い方を詳しく解説します


「ご査収くださいませ」の類語や言い換え表現とは?

ご査収くださいの類語とは

ご査収くださいませの使い方やより丁寧な敬語表現についてお届けしましたが、類語や同等の意味で使用できる言い換え表現を知りたい方もいらっしゃるはず。ご査収くださいませの類語は、

  • ご確認くださいませ
  • ご検収くださいませ
  • お納めくださいませ
  • お受け取りくださいませ
  • ご高覧くださいませ

の主に5つ。ここからは、それぞれの意味合いやご査収くださいませとの違いについてお届けするので、シーンや相手との距離感に応じて最適な言葉遣いをチョイスしましょう。


ご査収くださいませの類語① ご確認くださいませ

拝見するの類語⑤確認するの意味とは

「ご査収くださいませ」は、「ご確認くださいませ」と言い換えることも可能です。中身を調べたりして受け取る意味の「ご査収」に対し、「ご確認」は中身を調べたりする必要がなく、チェックだけして欲しい時にも使えるため、より多くの場面で活用できます。

どちらも丁寧な表現ではありますが、「ご査収くださいませ」の方がより丁寧な言葉遣いとなるため、相手との関係性や調べる内容の有無に合わせて使い分けるようにしましょう

【参考記事】「ご確認ください」の正しい使い方を解説します


ご査収くださいませの類語② ご検収(けんしゅう)くださいませ

「査収」の類語「検収」の意味とは

「ご検収くださいませ」とは、仕事において発注した商品やサービスを調べて受け取って欲しい場合に用いる敬語表現です。したがって、「ご査収くださいませ」のように書類やメール等を確認してもらうのはなく、「ご検収くださいませ」は取引相手などに自社の製品やサービスを点検してもらいたい旨を伝える時に使用する敬語表現となります


ご査収くださいませの類語③ お納めくださいませ

「査収」の類語「納める」の意味とは

「(相手に)受け取ってください」を尊敬語で表した「お納めくださいませ」も「ご査収くださいませ」の類語の一つとして挙げられます。

主にプレゼントや贈り物、仕事上の付き合いであれば主にお中元やお歳暮などを贈る際に用いる言葉です。目上の方にも使用できるため、ギフトを贈る際は上手に使い分けましょう。

【参考記事】「お納めください」の正しい使い方を解説します


ご査収くださいませの類語④ お受け取りくださいませ

頂戴するの類語②受け取るの意味とは

「ご査収くださいませ」をよりフランクな表現した言葉「お受け取りくださいませ」。使用しても問題ない敬語表現ではありますが、親しい上司や親睦のあるクライアントなど、なるべく距離の近い方へ使用するのがベターな言葉遣いと言えるでしょう

また、「ご査収くださいませ」とは違い、内容を調べたり、確認したりすることよりも“受け取って欲しい”事を主張したい場面においては、「お受け取りくださいませ」が多く用いられます。


ご査収くださいませの類語⑤ ご高覧(こうらん)くださいませ

「査収」の類語「高覧」の意味と読み方

「ご高覧くださいませ」も「ご査収くださいませ」と並び、ビジネスシーンにおいてよく活用される表現です。意味は「見て欲しい、見ていただきたい」を丁寧に表現した言葉。

そのため、取引先やクライアントに自社の製品をPRしたい時に「新製品を開発いたしました。どうぞご高覧くださいませ。」といった形で使用します。使い方は微妙に異なりますが、「相手へ見て欲しい」という意味合いでは類義語とされるため、上手に使い分けれるようにしましょう。


「ご査収くださいませ」にはどう返信するのがベストか?

ご査収の程よろしくお願いいたしますを使った丁寧な例文

「ご査収くださいませ」はビジネスシーンで多用される言葉なため、相手から言われるケースも珍しくありません。そこでここからは、「ご査収くださいませ」と言われた際のスマートな返答を3つをご紹介していきます。


ご査収くださいませへの返信① 拝受(はいじゅ)しました

承知の類語④拝受の意味とは

メール等で「ご査収くださいませ」と言われた際は、「受け取る」の謙譲表現に当たる「拝受しました」と返信するのが正しい表現です

目上の方にも使用できる敬語表現なので、内容を調べて受け取ったら「拝受しました」と返答し、相手へきちんと受け取った事を伝えましょう。

【「拝受」の敬語一覧】
「拝受」の意味&使い方。メールで使える例文から類語まで解説します


ご査収くださいませへの返信② 拝見(はいけん)しました

「拝見」の意味とは?

中身をチェックした主旨を相手へ伝えたい場合は、「拝見しました」と返信するのもOKです。「資料を拝見します」など、ビジネスシーンでも多用される言葉なので、覚えておいて損のない言い回しと言えます。


ご査収くださいませへの返信③ 受領(じゅりょう)いたしました

受領の意味とは

ビジネスメールの定例文としても重宝される「受領いたしました」も、「ご査収くださいませ」の返答として正しい表現と言えます。本来はお金などを受け取るという意味合いでしたが、最近では「大事な資料を受け取る」など、重要なものを受け取る際にも使用される機会も増えました

したがって、大事な書類やデータを「ご査収くださいませ」と言われた際は、「受領いたしました」と返信するのもスマートな受け答えと言えます。


「ご査収くださいませ」を意味する英語文

ご連絡差し上げるの英語表現

仕事柄、英語を使用するビジネスパーソンも多いはず。そこでここからは、「ご査収くださいませ」を英語で伝えたい場合の例文をお届けします。「ご査収」には内容を確認すると受け取るの2つの意味合いが込められているため、ご査収という英単語は存在せず、

  • Please have a look.(見て下さい)
  • Please find enclosed.(添付(したもの)を見てください)
  • Please see.(御覧ください)
  • Please refer.(ご参照ください)
  • Please check the attached file.(添付ファイルを確認してください)
  • Please receive.(受け取ってください)

の上記6つがご査収くださいませの近い意味合いで用いられます。したがって、内容に応じて最適な表現方法を採用するようにしましょう。


意味や使い方を理解して、「ご査収くださいませ」を有効活用しよう!

「ご査収くださいませ」はビジネスシーンで多用される言葉遣いです。そのため、意味や使い方はマスターしておいて確実に損のないフレーズと言えます。

相手に応じてより丁寧に表現したり、言い換え表現を用いたりするなど、正しい言葉遣いを使い分けて、教養のある素敵なビジネスパーソンを目指しましょう!

【参考記事】「ご査収」は目上の人には使えない?正しい使い方を解説します▽

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【参考記事】「了解しました」は目上にはNG!正しい敬語表現をご紹介します▽

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