"お世話になります"の使い方。"お世話になっております"との違い|ビジネス敬語ガイド
「お世話になります」の意味とは?
「世話になる」という意味の丁寧な表現として、ビジネスシーンやメールで良く使われる、「お世話になります」は相手に手をかけることへのお礼、日頃の感謝を伝える敬語表現です。
日常的に用いられる表現ではあるものの、何度もやり取りする相手に毎回「いつもお世話になります(なっております)。」などと返信し続けたりして、形だけの謝意を伝えてしまっていないかも注意したいですね。
相手に対し手間を掛ける、迷惑をかけることに対する場合に使われる敬語表現として、例文を参考に「お世話になります」の使い方をしっかり身に付けたいものです。
「お世話になります」の使い方・タイミングって?
ビジネスメールや挨拶として使われる事が多い、「お世話になります」ですが、社外の人とのコミュニケーション以外に、社内でも使われることがあります。
社内では、入社や配属初日の挨拶として最適で、
「お世話になります!この度、◯◯日付で採用していただきました、◯◯と申します。まだ新人ですが…」
というように、これからお世話になる上司、先輩への挨拶として用いると良いでしょう。
また、配属された異動先での挨拶として、
「皆様、お世話になります。この度、◯◯課より異動になりました、◯◯です。不慣れなことも多いですが…」
というような形で手間を掛けることへの申し訳ない気持ちを伝え、これからお世話になる方への挨拶として用いることができます。
メールだけでなく口語、社内でも利用できる、とても便利な表現です。
「お世話になります」と「お世話になっております」との違い
「お世話になります」と並んで使われることが多いのが、「お世話になっております」という敬語表現。
【”お世話になる対象と自分との関係性”がどうあるのか。】がポイントで、初めて世話になる、関わる相手に対しては、「お世話になります」という表現を用います。
一方、これまで関係性が続いている相手に対しての挨拶としては、「お世話になっております」とすると良いでしょう。
初めて連絡を取る相手に「お世話になっております」と送ってしまうと、なんだか違和感があったという方は、これを機に例文を参考に正しい使い方を覚えてくださいね。
「お世話になっております」と使っちゃいけない場合って?
「お世話になっております」は、これまで相手との関係性が”継続”していた場合に用いられる敬語表現です。初めて会う人には、「お世話になります」という表現を用いて、違和感がないようにしましょう。
形だけの表現ではなく、相手との関係性を考慮して表現を選ぶことが、ビジネスにおいては重要です。これはメール、電話、社外の人と直接会う場合、どのケースでも言えることですので、意識しましょう。
相手に対して丁寧な言葉遣いをしたはずが、正しくない表現を使うだけで、社外からの評判の低下にもつながるので、例文をよく読み、ビジネスマナーとして身に付けたいですね。
「お世話になります」を使った例文一覧
- お世話になります。この度はご注文、誠にありがとうございました。
- お世話になります。お問い合わせ誠にありがとうございます。◯◯担当◯◯でございます。
- お世話になります。この度はお見積りのご相談、誠にありがとうございます。
- お世話になります。お忙しい所、失礼いたします。私、株式会社◯◯広報担当◯◯と申します。
- お世話になります。◯◯の件で伺いたい事があるのですが、ご担当者様にお繋ぎいただけますでしょうか。
- お世話になります。株式会社◯◯、営業担当◯◯と申します。
「お世話になります」はメールの返信、電話で使える便利な敬語表現です。メール、電話どちらの場合も、初めて関係を持つ相手への挨拶として用いられます。
ビジネスメールの場合、「お世話になります」の後には、問い合わせや見積りへのお礼の文言、担当者名を名乗る表現が続きます。
電話の場合では、初めてコンタクトをとる企業や個人に対し、対応のため時間を頂戴する申し訳無さを表す「お忙しい所、失礼いたします」などを付け加え、その後の文で名乗ると良いでしょう。
ビジネスの場では重要な表現ですので、使い方や例文を確認してマスターしてください。
「お世話になります」と「お世話様です」との違い
「お世話になります」と同じくらい耳にする、「お世話様です」という表現。
注意しないといけないのは、「お世話様です」は、目上の人には使えず、「お世話になります」よりも、敬語としては軽い印象を与えてしまうということ。
「お世話様です」は相手の行為への感謝というよりも、仕事ぶりの評価の意味も含んでしまっており、目上の人に使うのは避けなければいけません。
依頼した仕事をこなしてくれた相手への感謝の意味、目上ではない人限定で使うといいでしょう。目上の人が使っているからと安易に真似してはいけない、敬語表現の一つです。
【参考記事】「お世話様です」の正しい使い方を例文付きで解説▽
「お世話になります」と言い換えできる類語一覧
「お世話になります」は、メールの最初などでも使われますが、何度も使ってしまうのはどこかくどい印象になります。
そんな時は、類語で上手く言い換えることで相手からも好印象を得られる言葉に仕上がりますよ。
ここでは、「お世話になります」の言い換えに使える類語を6つご紹介。
- ご厄介になります
- 失礼いたします
- お手数をおかけします
- ありがとうございます
- ご無沙汰しております
- よろしくお願いいたします
各類語の使い方やお世話になりますとの違いなども解説しますので、この機会により理解を深めていきましょう。
お世話になりますの類語① ご厄介になります
「お世話になります」のように、相手に手間を掛けることを表す「ご厄介になります」という敬語表現も覚えたいところ。
迷惑を掛ける、お手数を掛けるなどと同じような意味を持ちますが、こちらはこれからお世話になるとう意味や、いつも大変お世話になっている方への挨拶として適切です。
短い期間だけお世話になるというような意味でも使われますので、「お世話になります」をより狭い意味、シーンで使いたい時に向いている表現と言えるでしょう。
「ご厄介になります」の使い方
- 少しの間ですが、ご厄介になります。どうか、よろしくお願いいたします。
- いつもご厄介になります。◯◯様には転職活動の際に大変お力添えいただき、誠にありがとうございます。
- この度、ご厄介になります、◯◯と申します。不束者ですが、何卒よろしくお願いいたします。
【参考記事】「お力添え」の意味/使い方を詳しく解説します▽
お世話になりますの類語② 失礼いたします
「お世話になります」と似た意味も持つのが、「失礼いたします」という敬語表現。先に帰宅する場合や、メールや電話での連絡を詫びる意味でも使われます。
本来は直接会って話す必要がある所を、メールや電話などの手段を介することへの無礼を詫び、相手への敬意を表します。
相手への敬意、申し訳ない気持ちという点では共通点がありますが、帰宅時の表現としては、どういう理由で先に帰宅するのかも一緒に伝えると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
「失礼いたします」の使い方
- ◯◯でございます。メールでのご連絡、失礼いたします。
- お電話でのご連絡、失礼いたします。株式会社◯◯、営業担当◯◯とお申します。
- 今日は息子のお迎えがありますので、申し訳ありませんが、お先に失礼いたします。
お世話になりますの類語③ お手数をおかけします
「お世話になります」の類語として、「お手数をおかけします」もよく使われます。
共通点は、相手に手間を掛ける、面倒を掛けるという点ですが、ビジネスメール等で文末に添えることで、丁寧な印象を与えることができます。
何か相手に対し、やってほしいことがある場合などに使える表現です。例文をよく覚え、お願いごとがある時に相手に失礼がないように使い方を覚えましょう。
「お手数をおかけします」と一言添えるだけで、あなたの相手への敬意がしっかりと伝わります。
「お手数をおかけします」の使い方
- お手数をおかけしますが、ご確認の程、よろしくお願いいたします。
- お手数をおかけしますが、至急◯◯までご連絡ください。
- ◯◯様にはお手数をおかけしますが、◯◯の件、ご対応の程、よろしくお願いいたします。
【参考記事一覧】
・「お手数おかけします」の使い方を例文付きで簡単に解説します
・相手へお願いする時に使える「お手数おかけしますが」の使い方とは?
お世話になりますの類語④ ありがとうございます
「お世話になります」の類語として、「ありがとうございます」も用いられます。
相手に面倒を掛ける意味を持つ「お世話になります」に対し、「ありがとうございます」は、何かしてくれたことや日頃の感謝を伝える表現で、社内外のメールの冒頭にも使っても良いでしょう。
これまで関係性が続いている相手への表現として使えるので、「お世話になっております」と類似のニュアンスともとれるでしょう。似ている部分もあるものの、しっかりと例文を確認して使い方を覚えましょう。
「ありがとうございます」の使い方
- いつもありがとうございます。人事課◯◯です。社内MTGの件ではご尽力、ありがとうございました。
- いつもありがとうございます。◯◯です。…の件についてですが…
- ありがとうございます。◯◯さんには、いつも良くしていただいて、とても助かってます。
お世話になりますの類語⑤ ご無沙汰しております
「お世話になります」は関係が初めての人、「お世話になっております」は関係が続いている人に使う表現でしたが、「ご無沙汰しております」はどうでしょうか。
しばらくコンタクトをとっていなかった相手、過去にお世話になった社外の方へのビジネスメールの冒頭で使われる表現として、適切な敬語表現です。
社外の方、目上の方にも使えるので、丁寧にしばらくぶりの挨拶をしたい場合に使いましょう。それほど、期間を空けていないのに使うと違和感がありますので、要注意です。
「ご無沙汰しております」の使い方
- 大変ご無沙汰しております。◯◯でございます。
- ご無沙汰しております。以前、◯◯の件でご尽力いただき、ありがとうございました。
- ご無沙汰しております。株式会社◯◯、◯◯担当の◯◯でございます。今回、◯◯様には…の件でご相談があり、ご連絡させていただきました。
【参考記事】「ご無沙汰しております」の正しい使い方を解説▽
お世話になりますの類語⑥ よろしくお願いいたします
「よろしくお願いいたします」も「お世話になります」同様の意味でも使われる、挨拶表現です。
初回のみの挨拶というよりは、何か頼み事をする際に添える言葉として用いられたり、これからも良い関係でいてくださいというニュアンスがあります。
また、今後の相手との関係性を良いものにしたいという意味でも使われます。例文にもあるように、メールの文末や返信をお願いする時にも使えますので、よく例文を読み、使い方を覚えましょう。
「よろしくお願いいたします」の使い方
- それでは、ご返信の程、何卒よろしくお願いいたします。
- 今後共、何卒よろしくお願いいたします。
- これを機に、何卒よろしくお願いいたします。
【「例文」で使われている敬語】
・「よろしくお願いいたします」の正しい使い方とは?目上の人に使える丁寧な例文を解説します
・「ご返信」の使い方ガイド。目上に使える敬語の例文を徹底解説
「お世話になります」の英語表現
- Long time no see.(お久しぶりです。)
- Thank you for your support.(お世話になります。)
- Thank you for your assistance.(お世話になります。)
- Thank you for your hospitality.(お世話になりました。)
- Thank you.(お世話になりました。)
- Thanks a lot.(大変お世話になりました。)
英語では、「お世話になります」と類似の表現が多く存在し、相手の関係性や、お世話になった度合いなどで使い分けるとよいでしょう。
英語での挨拶としては、「Long time no see.」はとても便利ですし、短い例文なので英語が苦手なあなたでも覚えられそうですよね。
メールの返信では、「Thank you for your support.」などの英語表現を使うとよいでしょう。
「お世話になります」は、正しく使おう。
ビジネスの場でよく使われる敬語表現、「お世話になります」の類語表現や英語での表現、使い方をご紹介しました。
例文をよく読み、必要に応じて暗記してしまうことで、適切な表現をいつでも使いこなせるようにしましょう。
相手に面倒や手間を掛けることを申し訳なく思うと伝える表現として、またビジネス上の挨拶として、ぜひマスターしてくださいね。
【参考記事】「ご尽力」の正しい使い方を例文付きで解説します▽
【参考記事】「深謝」は、のし書きにも使える。意味や使い方を徹底解説▽
【参考記事】「ひとえに」の意味/使い方をより分かりやすく説明します▽
大切な人にシェアしよう。Enjoy Men’s Life!