"ご無沙汰しております"の意味/使い方。返事の例文も|ビジネス敬語ガイド
「ご無沙汰しております」の意味とは?
「ご無沙汰しております」の正しい使い方をマスターするために、まずは言葉の意味を確認していきましょう。
「沙汰」は、「便り、知らせ」という意味を持った言葉です。「無沙汰」は、沙汰が無いということで、「しばらく連絡をしない」ことを意味します。
頭に付く「ご」は、接頭語と呼ばれ、相手へ敬意をあわらした時に使われる表現方法の1つです。「しています」の謙譲語「しております」と組み合わせれば、ご無沙汰しておりますという表現が完成します。ご無沙汰しておりますは、敬語の中でも謙譲表現です。
「ご無沙汰しております」の使い方・目安の期間って?
「ご無沙汰しております」は、一定期間電話やメールをしていなかった相手と会ったときに、挨拶やお詫びの意味を込めて使える表現です。ビジネスシーンでは、久しぶりに訪問・メールをする取引先などに対して使用します。
「お変わりありませんか」などの表現を後ろに加えるほか、「ご無沙汰しており、大変失礼いたしました」などお詫びの一言を加える使い方をすれば、相手との関係作りにも有効でしょう。
いつも一緒に仕事をしている社内の人や、打ち合わせなどでよく会う取引先などに対しては使わない敬語のため、注意してください。
「ご無沙汰しております」は、目上の人に使えるのか?
「ご無沙汰しております」がどんな立場の人に使えるのか迷ってしまうかもしれませんが、謙譲表現のため、目上の人に使ってもOKです。
失礼にはあたらない敬語なので、世話になっている人のほか、ビジネスでの上司や取引先などにも積極的に使うと良いでしょう。
目上の人からご無沙汰しておりますと言われることもありますが、その時は同じように「こちらこそご無沙汰しております」と返事して問題ありませんよ。
ご無沙汰しておりますの期間ってどのくらい?
「ご無沙汰しております」は、どのくらいの期間が空くと使えるのか、厳密には決まっていません。しかし、一般的には、2~3ヶ月以上連絡を取らなかったり、会わなかったりした場合に使うのがふさわしいとされています。
少なくとも1ヶ月以内に連絡した相手に対しては使わない方が無難でしょう。逆に、半年~1年以上の期間が空いているときは、「大変」を頭につけて「大変ご無沙汰しております」とすればより自然な表現になります。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」の違いとは?
まず大きな違いとして挙げられるのが、「ご無沙汰」という言葉にはお詫びの気持ちも含まれていますが、「お久しぶり」にはその意味合いが無いという点です。類似表現ではありますが、丁寧なお詫びの気持ちも込めたいときには、ご無沙汰しておりますを選ぶと良いですね。
また、お久しぶりですの方が、よりカジュアルな表現になるため、ビジネスシーンで取引先や目上の人に使う場合は、ご無沙汰しておりますという表現が使われるのが一般的です。それぞれの使い方に気を付けながら、上手に活用しましょう。
「ご無沙汰しております」の使い方・例文とは?
【ビジネス的な使い方】ご無沙汰しておりますの例文とは?
- 大変ご無沙汰しておりましたが、お変わりありませんか。
- こちらこそご無沙汰しております。お元気ですか。
- 大変ご無沙汰しております。〇〇の件でお世話になった△△です。
- 久しく連絡しておらず、ご無沙汰して大変申し訳ございませんでした。
- ご無沙汰しております。本来ならこちらがお伺いするところ、大変申し訳ございません。
2~3ヶ月や連絡やメールをしていなかった相手への挨拶や返事として「(こちらこそ)ご無沙汰しておりました」と使われることが多いです。ほかには、ビジネスシーンで久しぶりの取引先にメールをする場合などにも使えます。
また、お詫びの気持ちを込めたい場合には、後ろに「申し訳ございません」を付けると、自然な使い方になりますよ。ぜひ例文を参考にして使ってみてください。
【「例文」で使われている敬語】
・「申し訳ございませんでした」を使った丁寧な例文とは?正しい使い方を解説
【年賀状での使い方】ご無沙汰しておりますの例文とは?
- ご無沙汰しております。その後お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 大変ご無沙汰しております。平素の疎遠をお詫び申し上げます。
- 旧年中はとかく多忙にまぎれ、大変ご無沙汰して申し訳なく思っております。
- 平素は芳情を賜りながら、ご無沙汰しており大変申し訳ございません。
- 大変ご無沙汰しており申し訳ございません。折にふれ、〇〇様のご活躍を耳にし、陰ながら喜んでおります。
「ご無沙汰しております」は、年賀状でも使いやすい便利な敬語です。例文のように、年賀状で久しぶりに連絡する相手への挨拶フレーズとしても使えますし、お世話になっている会社の上司や取引先に、お詫びの一言を添えたいときにも適しています。
場合によっては、毎年年賀状だけでやり取りをする相手もいるでしょう。そんなときは、ぜひ例文を真似て、ご無沙汰しておりますのフレーズを年賀状でも活用してくださいね。
「ご無沙汰しております」と来た時の返事例は?
- (こちらこそ)ご無沙汰しております。
- ご無沙汰しております。お変わりありませんか。
- こちらこそ大変ご無沙汰しており、申し訳ございません。
- ご無沙汰しており申し訳ございません。いかがお過ごしですか。
- こちらこそご無沙汰しており失礼いたしました。
メールなどでやり取りする際には、相手から「ご無沙汰しております」と送られてくることもよくあります。
そんなときの返事には、例文のように「こちらこそ~」と返しましょう。「いかがお過ごしですか」などの挨拶言葉や、「失礼いたしました」などのお詫びの表現を付けるのも自然でおすすめです。例文はよくある使い方なので、取引先とメールをする際にもぜひ活用してみてください。
「ご無沙汰しております」の類語とは?
「ご無沙汰しております」の例文・返信例を確認したところで、ここからは「ご無沙汰しております」の言い換えとしても使える類語について解説していきます。
- お世話になっております
- お元気でしたか
- しばらくぶりです
- 息災でしたか
各類語は、例文まで解説していますので、「ご無沙汰しております」との違いまで確認sいておきましょう。
ご無沙汰しておりますの類語① お世話になっております
「お世話になっております」は、ビジネスシーンで毎日のように使っている人も多いのではないでしょうか。面倒を見てくれていることや尽力していただいていることへの感謝を表すフレーズで、目上の人や顧客などに対しても使えます。
来客時や電話応対時に使うことが多いでしょう。「ご無沙汰しております」と違い、1ヶ月以内など最近やり取りがあった相手に対して使います。
「お世話になっております」の例文
- 継続してお付き合いがある相手に「いつもお世話になっております。」
- 何度も取引があり、非常にお世話になっている相手に「いつも大変お世話になっております。」
- かしこまった表現を使う場合「平素は大変お世話になっております。」
現在もお付き合いがあり定期的に連絡を取っている相手に対しては、「お世話になっております」を用いましょう。特にお世話になっている取引先などに対しては、例文のように「大変」と付ければ、より一層の感謝を伝えられます。
長年ご愛顧いただいている顧客などには、かしこまって「平素は大変~」という表現も適しています。メールの場合は、一番最初の挨拶言葉として添える使い方が一般的です。
ご無沙汰しておりますの類語② お元気でしたか
「お元気でしたか」は、「ご無沙汰しております」と合わせて使われることも多いフレーズです。久しぶりにメールをした相手の健康を気づかう挨拶表現として使います。
使うタイミングはご無沙汰しておりますと基本的に同じで、メールでは冒頭の挨拶として加えると良いでしょう。お元気でしたかは、ご無沙汰しておりますと比べて、より相手の健康状態や安否を尋ねる意味合いが強くなります。
「お元気でしたか」の例文
- 連絡が半年以上空いたときに「大変ご無沙汰しております。お元気でしたか。」
- 年賀状に一言添えるときに「ご家族の皆様もお元気でいらっしゃいますか。」
- メールで「〇〇でお世話になった△△です。お元気でお過ごしでしょうか。」
「ご無沙汰しております」に「お元気でしたか」と続けると、相手を気づかう気持ちがより伝わるため、良く使われます。年賀状やメール、手紙で一言添えるときや挨拶の言葉を加えるときには、例文のように「皆様~」という表現もおすすめですよ。
また、「~お過ごしでしょうか」という言い回しにすれば、より丁寧な印象になります。
ご無沙汰しておりますの類語③ しばらくぶりです
「しばらくぶりです」は、長い間相手に会っていなかった場合などに使う表現で、「ご無沙汰しております」と似た意味を持っています。
丁寧語の「です」が付いてはいるものの、尊敬や謙譲の表現ではなく、よりカジュアルな印象になるため、同じ立場の人や目下の相手に対して使うのが一般的です。目上の人にはご無沙汰しておりますを使いましょう。
「しばらくぶりです」の例文
- 長い間、連絡をしていなかった相手に「しばらくぶりです。」
- 久しぶりにメールをする相手に「しばらくぶりです。お元気でしたか。」
- 数年連絡を取っていなかった友人に「やぁ、しばらくぶり。2年ぶりかな。」
カジュアルに久しぶりの挨拶をする際に、一言「しばらくぶりです」と使われることが多いです。同じ立場や目下の人にメールをするときにも挨拶表現として使えます。
相手の様子を伺う「お元気でしたか」なども「ご無沙汰しております」と同様に付け加えて使うと良いでしょう。
ご無沙汰しておりますの類語④ 息災でしたか
「息災」とは、「病気をせず元気なこと」を意味する言葉です。そのため、「息災でしたか」は、しばらくぶりに連絡を取った相手が元気で過ごしているかどうか、気遣う気持ちを伝えるフレーズとして使われます。
先ほどご紹介した「お元気でしたか」と同様、より相手の健康を気づかう意味合いが強くなりますが、かしこまった表現のため、メールや年賀状などで使われるのが一般的です。
「息災でしたか」の例文
- 久しぶりに連絡をとった相手に対して「息災でしたか」
- 年賀状の挨拶言葉として「皆様、息災でいらっしゃいますか」
- 長い間、連絡していなかった相手と会ったとき「ご無沙汰しております。ご息災でしたか。」
例文のように、「ご無沙汰しております」に続けて使うことも可能です。
ほかには、かしこまった内容のメールを送るときや、年賀状・手紙の挨拶で一言添えたいときには、「息災でしたか(でいらっしゃいますか)」と、加えると丁寧な印象になりますよ。
ご無沙汰しておりますの英語表現
- Great to see you again.(またお会いできて幸いです)
- It has been a long time since I last contacted you.([メールで]大変ご無沙汰しております)
- It's been a long time since we met before.(ご無沙汰しております)
- I haven't seen you for a long time.(ご無沙汰しております)
- It's been a while.(お久しぶりです)
- Long time no see.(お久しぶりです)
取引先や目上の人に対しては、1~4番目の英語例文が適しています。ややかしこまった表現で、一定の距離を置きつつも、丁寧なあいさつの気持ちを盛り込むことが可能です。
5~6番目の例文は、ややカジュアルな英語表現になりますが、友人のほかビジネスで親しく相手などにもよく使われます。相手との関係性によって、適切な英語表現を選ぶようにしてくださいね。
「ご無沙汰しております」は、相手との関係を続けるために必要な敬語。
挨拶や謝罪の気持ちを伝える表現として、日常生活でもビジネスシーンでも頻繁に使われるため、類似表現と合わせてきちんと使えるようになりたいものですね。ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にして、活用していってください。
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