内転筋の効果的なストレッチ方法。太ももの内側をほぐす柔軟体操とは?

織田琢也 2022.07.07
オフィスや自宅で行える内転筋ストレッチを紹介します。普段意識することのない内転筋ですが、実は骨盤を支える重要な役割を果たしているのです。だからこそ内転筋の衰えは、体に様々な不調をもたらします。内転筋をストレッチをして、美脚や姿勢改善など多くの効果を実感しましょう。

内転筋ストレッチの効果|内ももを柔らかくするメリットとは?

長内転筋を効果的に柔らかくできるストレッチメニュー

太ももの内側にある内転筋は、意識して刺激を与えなければ衰えるばかりです。逆に言えば、内転筋はストレッチするだけで様々な効果を得られます。

ここからは内転筋をストレッチする3つの効果を解説。内転筋ストレッチであなたの悩みが解決できるかどうか、確認してください。


1. 骨盤が安定して腰痛の改善につながる

内転筋のストレッチをして腰痛の改善をする女性

骨盤は内臓を守ったり、正しい姿勢を保ったりする働きがあります。その骨盤を支えるのが太ももの内側にある内転筋。

実は内転筋が衰えると、骨盤のゆがみにつながり、結果的に腰痛を引き起こしてしまいます。だからこそ、ストレッチで内転筋を鍛えることが重要です。内転筋をストレッチすることで、筋力不足が解消され、骨盤が元の位置に戻ります

特にデスクワーカーや女性は内転筋が衰えがちなので、日常的にストレッチをするようにしましょう。

【参考記事】腰痛対策に効果的な寝ながらストレッチメニューはこちら


2. O脚を改善してスラッとした美脚になれる

内転筋のストレッチをしてO脚を改善する女性

姿勢の悪化や筋力の衰えなどが原因で、O脚が起きてしまいます。特に長時間のデスクワークが一般的になった現代では、O脚に悩む女性が多いです。

O脚改善には内転筋のストレッチが効果的。ストレッチで内転筋を刺激することで、筋肉がしなやかになり、脚が外に広がるのを防げるようになります。また骨盤の位置が正しくなるのも、O脚改善に一役買うのです。

内転筋を鍛えるだけでは、O脚改善には不十分なので、筋肉を柔らかく保つストレッチも取り入れましょう。

【参考記事】O脚改善に効果的なストレッチメニューを解説


3. 下半身の柔軟性が高まり運動パフォーマンスが向上する

内転筋のストレッチをして運動のパフォーマンスを上げる女性

スポーツパフォーマンスを高めたいなら、内転筋のストレッチは必須。

内転筋には、体を閉じたりする内旋運動や地面に力を加える、体勢を安定させるなどの働きがあります。内転筋が弱まると、力が外に逃げてしまうことに。効率よく力を発揮するためにも、ストレッチをして内転筋をしなやかにすることが大切になります。

内転筋をストレッチすることで、運動パフォーマンス向上のほか、肉離れなどの怪我予防にも効果的ですよ。


内転筋を効果的に伸ばすストレッチ|内ももをほぐす簡単な柔軟体操とは?

内転筋のストレッチをする男性

内転筋のストレッチは毎日継続するのが大切です。だからこそ特別な器具は必要なく、自宅で行えるストレッチを選びましょう。

ここからは、自宅で行えて効果的な内転筋のストレッチ8選を解説します。

ぜひストレッチメニュー作りの参考にしてください。


1. 仰向けで行うストレッチ

仰向けストレッチ


内転筋が硬い方でも、無理せずに行えるストレッチです。

床に寝た状態で、片足の膝を胸に近づけ90度になるまで曲げます。このときに身体が硬くて、曲げるのが厳しい場合はいた気持ち良いところで止めましょう。そして手で膝を押しながら、足を外側に開くと、内転筋が伸びているのを感じられます。

さらに効果を高めるには、足を横に開ききったら、深呼吸しながら30秒ほどキープしましょう。深呼吸することで、筋肉がゆるみ内転筋がしっかりと伸びます。


トレーニングの正しいやり方

  1. 床に横になる
  2. 片足を膝が90度になるまで曲げる
  3. そのままの状態で膝の内側に手をそえる
  4. 手で押しながら、片足を真横に開いていく
  5. もし真横に開くのが難しければ、片足を少し前に伸ばす
  6. 十分に開いたら、20~30秒ほどキープ
  7. このとき呼吸と内ももが伸びているのを意識する
  8. 反対の足も同様の手順で行う

仰向けで行うストレッチの目安は、片足20~30秒×1セット。リラックス効果が高いので、就寝前にするのがおすすめですよ。

【参考記事】はこちら▽


2. 横向きで寝ながら行うストレッチメニュー

横向きストレッチ


ひざを痛めている方や体が硬い人におすすめの内転筋のストレッチです。

このストレッチの手順は簡単で、横向きに寝て、下の足を上に上げるだけとなります。ポイントは呼吸をしっかりと行うこと。足を上げた状態で5秒間キープしながら、ゆっくりと深呼吸します。そうすることで、筋肉がゆるみ内転筋がより伸ばしやすくなるのです

このストレッチでは内転筋を使うエクササイズ要素もあるため、O脚改善や太もものスリム化に期待できますよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. 右半身を下にして横になる
  2. 左ひざを立て、必要ならば左手をおへその前においてバランスをとる
  3. そのままの姿勢で、右足の内転筋に負荷を感じながら、ゆっくりと上げる
  4. 足を上げ切るときは、体のラインに沿って真っすぐ上げるのを意識
  5. 足を上げたままの状態で、深呼吸しながら5秒ほどキープ
  6. これを5~10回行い、左足の内転筋もストレッチする

横向きで寝ながら行うストレッチの目安は、左右5回×1セット。きつい場合は、回数を3回程度に減らしても問題ありません。


3. カエル脚のストレッチ

カエル脚のストレッチ


座って行う開脚よりも、効率的に内転筋を伸ばせるストレッチです。

床にヨガマットやタオルをしき、四つん這いになります。両膝を肩幅よりも広く開き、両肘を床について、お尻を後ろに突き出すだけ。内転筋を集中的に刺激するので、伸びている感じを得られるでしょう

ポイントは背中を真っすぐにして、呼吸を止めないことです。背中が曲がってしまうと、内転筋が十分に伸びなくなってしまいます。このストレッチを行ったあと、座ったままの開脚を行うと、より効果的です。


トレーニングの正しいやり方

  1. 床にタオルやヨガマットをしく
  2. 四つん這いになり、両膝を肩幅の1.5倍ほどに開く
  3. 両肘を床について、視線を前に向ける
  4. そのままの姿勢で、お尻をぐっと後ろに突き出す
  5. このとき背中が丸まらないように注意する
  6. お尻を突き出した状態で30秒キープ
  7. 元の姿勢に戻り、これを3セット行う

カエル脚のストレッチの目安は、30秒×3セットです。テレビを見ながらなど、リラックスした状態で行いましょう。


4. あぐらをかいて伸ばすストレッチ

あぐらストレッチ


このストレッチは、椅子に座りながら行える*ので、デスクワークの方はぜひ覚えていただきたいストレッチです

あぐらをかいた状態から、両足の裏をくっつけて、両足をリズムよく揺らしたり、上体を前に傾けたりするだけです。背筋を真っすぐ伸ばして座り、ストレッチ中は背中が丸まらないようにしましょう。

内転筋のストレッチのほか、腰痛対策にもなるので、仕事の合間などにこまめに行うのがおすすめです。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を伸ばして椅子に座る
  2. あぐらをかいて、両足の裏をくっつける
  3. リズムよく両足を上下に動かす
  4. 内転筋と股関節がほぐれたら、上体を前に傾ける
  5. 背中が曲がらないように、上体を一直線に保つように意識
  6. そのままの姿勢で深呼吸しながら20秒キープ
  7. 一連の流れをこまめに行う

あぐらをかいたストレッチの目安は、30秒×1セット以上です。腰痛対策のためにも、こまめに行うようにしましょう。


5. 座りながら行うストレッチ

座りながらストレッチ


O脚改善や腰痛対策、体のゆがみ解消に効果的なストレッチです

開脚の姿勢から片足だけ折りたたんで、折りたたんだ足の方にゆっくりと上体を傾けます。簡単な動作ですが、これだけで内転筋が十分に伸ばされますよ。ストレッチのポイントは、上体を一直線に保つこと。上体を傾けるとき背中が丸くなると、骨盤が立たず十分な効果を得られません。

体が硬くて後ろに傾いてしまう場合は、お尻と床の間に丸めたタオルを置きましょう。


トレーニングの正しいやり方

  1. 床に座る
  2. 右足を横に開いて、左足は股関節に近づけるよう折りたたむ
  3. 背中を真っすぐにしたまま、上体を左側に少しずつ傾ける
  4. 右の内転筋がしっかりと伸びているところでストップ
  5. 深呼吸を意識しながら姿勢を20秒キープ
  6. 足を入れ替えて、同じ手順でストレッチを行う
  7. ストレッチ中に体が後ろに傾く場合は、お尻の下に丸めてタオルを挟む

座りながらのストレッチの目安は、片足20秒×3セットです。セットを多めにすることで、内転筋の伸びが良くなります。

【参考記事】はこちら▽


6. 椅子にもたれながら行うストレッチ

椅子にもたれながらストレッチ


床に座って行う開脚ストレッチは内転筋に効果的です。しかし体が硬い人は、後ろに上体が傾いてしまうため、しっかりと内転筋に効かせられないのがデメリット。

このストレッチでは、椅子を補助にすることで、体が硬い人でもしっかりと開脚ストレッチを行えます。手順は簡単で、開脚ストレッチの体勢になったら、上体を椅子につけるだけです。

ポイントはおへそを前に倒すこと。上体を真っすぐにして、おへそを前に倒すことで、骨盤が立ち内転筋に効かせられますよ。


トレーニングの正しいやり方

  1. 椅子を用意する
  2. 床に座って、可能な限り広く足を開く
  3. 上体を傾けて、椅子に両手を置く
  4. このとき背筋は真っすぐにして、おへそを前に倒すイメージ
  5. 内転筋の伸びが感じられるまで、ゆっくりと椅子を前に動かす
  6. 深呼吸を繰り返して、30秒キープ
  7. その際、つま先だけを動かすと様々な刺激を得られる

椅子を使ったストレッチの目安は、30秒×3セットです。セット数をこなすたびに、より伸ばすように意識しましょう。


7. 脚に挟むだけのストレッチ

脚のストレッチ


オフィスや自宅でもこっそり行える内転筋のトレーニング。O脚や姿勢の改善がしたい方におすすめです。

必要なものは椅子とペットボトルだけ。背筋をまっすぐにして椅子に座り、両膝でペットボトルを挟みます。そのまま膝を閉じるように、ぎゅっとペットボトルを押し付けるだけです。

ポイントはぎゅっと挟んだときに5秒、スタートポジションに戻ったときに3秒静止すること。内転筋がしっかりと収縮できる**ので、大きな効果に期待できます。


トレーニングの正しいやり方

  1. 背筋を真っすぐにして椅子に座る
  2. ペットボトルやタオルなどを両膝で挟む
  3. その際、つま先と膝が同じ方向を向くようにする
  4. ペットボトルをつぶすように両膝をゆっくりと閉じる
  5. 内転筋に十分な力が入ったところで、5秒キープ
  6. スタートポジションに戻り3秒休憩
  7. これを10回繰り返す

脚に挟むだけのストレッチの目安は、10回×2セットです。仕事中と寝る前に1セットずつ行うといいでしょう。


8. 立ったままできるストレッチ

立ったままストレッチ


仕事の合間に行うべき内転筋ストレッチです。

両足を肩幅よりも広げ、両手で膝を広げながら、重心を落としていきます。そして伸ばしたい方の肩を内側に入れて、30秒キープするだけのストレッチです。 このストレッチでは、常につま先を正面に向けるのがポイントになります。膝と一緒につま先が外に向くと、内転筋に刺激がかかりません。

立ったままの内転筋ストレッチを行うことで、姿勢やO脚、歩行のふらつき改善に期待できます。


トレーニングの正しいやり方

  1. 足を肩幅の1.5倍ほど開く
  2. つま先は正面に向ける
  3. 両手で膝を外側に開きながら、重心を下げる
  4. この際、背筋が丸まらないように注意する
  5. 伸ばしたい方の肩を内側に入れ、膝をさらに広げていく
  6. 内転筋の伸びを感じたところで、深呼吸しながら30秒キープ
  7. 反対側も同じ手順でストレッチ

立ったままできるストレッチの目安は、30秒×1セット以上です。すっきりするので、休憩のたびに行うのがおすすめ。

【参考記事】はこちら▽


内転筋のストレッチで下半身美人になろう

内転筋のストレッチをしている女性

今回は自宅で行えて、効果てきめんな内転筋ストレッチを紹介しました。

内転筋ストレッチは毎日行うことで、美脚や腰痛改善、運動パフォーマンス向上などの効果を得られます。内転筋は意識しないと衰えるからこそ、ストレッチで適度に刺激してあげましょう。

まずは2週間内転筋ストレッチを続けて、効果を実感してください。

【参考記事】はこちら▽

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