全能感の意味とは?勘違いしたまま子供から大人になった人の10の特徴

HaRuKa 2024.05.06
「自分ならなんでもできる!」と思った結果、悔しい思いをすることってありますよね。この記事では、全能感を持ったまま大人になってしまった人の特徴や原因から、思い込みを克服する方法を解説します!

「全能感(ぜんのうかん)」の意味とは?万能感との違いも解説

全能感を持ったこども大人の特徴

「全能感」とは、「自分ならなんでもできる」と思い込んでしまう感覚を指す心理学用語です。

幼児期の頃は誰もが持っており、子供の発達段階においては成長に必要な感覚といわれています。

そして、子供が成長するにつれて様々な困難にぶつかることで、徐々に薄れていくのが一般的です。

しかし、大人になってからも全能感が抜けきらない人も多く、そのような人を「幼児的万能感」という言葉で指すことも。

このタイプの人は、精神的に不安になった時、全能感に頼って困難から逃れようとするため、生きづらいと感じたり周りへ悪影響を及ぼしたりしてしまいます。

また、似た言葉で「万能感」という言葉がありますが、こちらは「全能感」と同じ意味で使われますよ。


全能感を持つ大人の10の特徴|子供のような考え方がある人とは?

全能感を持つ大人の特徴

「全能感を持ったままの大人ってどんな人?」

「全能感が抜けないまま大人になると、どんな特徴があるの?」

全能感のある大人と言われても、いまいちピンとこなかったりどんな特徴があるのかわからなかったりしますよね。

そこでここから、全能感を持つ大人の特徴を解説。

まるで幼児や子供のような思考や癖、習慣など、どんな人が全能感を持った「こども大人」に当てはまるのか把握していきましょう。


特徴1. 失敗をしても焦らない

全能感を持った大人は、「自分には可能性が秘められている」という思い込みから、物事がうまくいかなくても「どうにかなる」と反省や改善を試みません。

例えば、テストで悪い点をとっても、「全然勉強してなかったのに、これだけの点数がとれるだけのポテンシャルが自分にはある」と、本気を出していないアピールをします。

そして、「今回は本気を出さなかっただけだから」と、後から本気を出して巻き返す予定でいるんです。

本気さえ出せばいつでも結果を残せると本気で思っているので、失敗しても焦らないのでしょう。


特徴2. 他人のことを見下した発言をしがち

全能感が抜けない大人は、「自分は誰よりも優れている」という根拠のない思い込みを持っているのが特徴。

根拠がないだけに自信のあり方が不安定で、歪んだ考え方に偏ってしまい周りを見下した言動をしてしまうんです。

  • 「そんなこともできないの?自分なら5秒でできる」などと悪びれもなく言う
  • 周りが努力している姿を見ると「凡人は大変だな」と嘲笑ったり茶化したりする

など、周囲にいる人が自分より下に見えているので、無意識に見下した態度をとってしまう人が当てはまりますよ。


特徴3. 戦隊ヒーローの「レッド」になりたい

全能感を持つ大人の特徴は戦隊ヒーローのレッドになりたい

特別な存在であることを自負しているのが、全能感のある大人の特徴。

自分のやることや言うことは全て正しく、自分より劣った存在である周りはいつもそれに付随しなければならないという思い込みが激しいんです。

例えば、会話の中心でいられなかったり、自分主導で物事を進められなかったりすると、途端に不機嫌になってしまいます。

戦隊ヒーローのリーダー的存在であるレッドは自分であり、レッド以外はただの補佐役。

そう本気で思っているので、他人の意見や価値観を全く受け入れない性格といえますよ。


特徴4. 協調性がなくて団体行動が苦手

自己中心的で周りへの配慮がないのも、全能感が抜けない大人の特徴です。

自分の価値観が間違っているなど微塵も思わないので、周りから見れば恥ずかしいほど自分本位に考えてしまいます。

例えば、みんなで事前に「ここに行こう」と決めていたのに、急に「やっぱりあそこの方がいいよ」などと言って、人の意見を聞くことなく自分勝手な行動をするのです。

他人が辛い思いをしても関係なく自分の考えを無理やりにでも貫くため、周りと衝突するケースも少なくありません。

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特徴5. 思ったことをすぐに口に出す

いつだって自分が正しいと思うのが、全能感がある大人の心理。そのため、言いたいことがあれば言わずにはいられません

例えば、相手が上司であれ間違っていると思えば「それは違うと思います」などとはっきり言います。

そのことで場の雰囲気が悪くなったとしても、「自分は正しいことをした」と思って気にしないのです。

また、他人への思いやりや配慮ができない特徴もあるため、本人が気にしていることもズバズバ言って、空気を読んだり気遣ったりすることもできません。


特徴6. 3度やってもうまく行かないことは投げ出す

全能感を持つ大人の特徴は3度やって出来ない事は投げ出す

全能感が抜けない大人にとって、努力は自分の全能感や才能を否定する行為だと捉えます。なので、地道な努力を重ねる習慣や経験がなく、なんでもすぐに諦めがちに…。

例えば、勉強や仕事、スポーツなど、3度やってもうまくいかないことは「自分ができないことは、誰がやってもできない」と考えて、投げ出します

3度やってできないということは全能ではないことを示しているのですが、本人は言い訳や逃げ道を作って絶対に認めようとはしないでしょう。


特徴7. 人から指摘されると機嫌を悪くする

全能感がある大人は、成長期や思春期に挫折や失敗を受け入れて克服した経験がないため、些細なことにも打たれ弱い特徴があります。

例えば、一般的な大人なら「次から気をつけよう」と思える程度のケアレスミスでも、

全能感を持つ人は、上司や先輩から軽く指摘されただけで機嫌が悪くなってしまうんです。

身体は大人でも中身は幼児や子供のままなので、全能感を否定するような発言をする人を敵とみなし、ひどく傷ついてしまいます。

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特徴8. 自分の都合よく解釈する

自己愛が強く、自分は特別でいつも正しく完璧と思っているのが全能感のある大人。

周りから嫌味を言われても気にすることなく、むしろ特別感を認められた気がしています。

例えば、「君はいつも自由でいいね」と協調性のなさに対して嫌味を言われても、

「自由にできるのは自分だからこそ」と捉え、全能感と認められたと思って満足気な表情を浮かべるでしょう。

嫌味を言われることに「辛い」「恥ずかしい」と思わず、都合よく解釈して自分の考え方は正しいのだと再認識するのです。


特徴9. 友達など、周りの人の自慢話には興味がない

全能感を持つ大人の特徴は周りの自慢話には興味がない

全能感のある大人は、特別な存在である自分が大好き。自分がいつも一番でなければ気が済まないため、他人の自慢話を面白いと思いません。

  • 相手の話を途中で遮り、自分の話をぶっこむ
  • うわの空だったり空返事ばかりする
  • 相手が話している最中に時間を気にする素振りをする

など、あからさまにつまらなそうな態度をします。

なのに、自分のことを話すときはすごく楽しいので、同じようなことをされると機嫌が悪くなるのです。


特徴10. 誰が見ても「人に厳しく自分に甘い」

自分はなんでもできる完璧な人間という思い込みを持つ全能感がある大人。そんな自分が大好きなので、自分に対しては甘くなりやすい特徴があります。

例えば、他人が寝坊して遅刻すると「どうしてこんな簡単なことを守れないんだ!」と強く叱責しますが、自分が同じように遅刻するとヘラヘラ笑ってごまかそうとすることも…。

周りから見ても恥ずかしいくらい、自分に甘く他人に厳しい性格の持ち主と言えますよ。


全能感が抜けなかった3つの原因|幼児性を手放せない理由とは?

全能感が抜けなかった原因

「どうして全能感が抜けないまま大人になったの?」

「自分は全能感がある大人かも…」

一般的な大人とは、大きく異なる特徴や考え方を持っている全能感がある大人。どんな経験が原因でそうなってしまったのか、知りたい人も多いですよね。

そこでここから、全能感が抜けなかった原因を解説。

どのような経験や育ち方をして幼児性を手放せなくなったのか、原因を把握してみましょう。


原因1. 甘やかされて育ったから

子供は様々な経験を通して、自力で困難を乗り越えたり、自分の実力や現実を知って折り合いをつけたりして成長していくもの。

しかし、親が過保護であったり過干渉であったりすると、自分で何もしなくても物事が整う経験しか得られません。

  • 欲しいものはなんでも買ってもらえた
  • 「やって」と言ったら親が代わりに宿題をしたり、学校の準備をしたりした

など、自分が人をコントロールしている錯覚に陥ってしまうのです。

自分の望むことを人がしてくれる経験が積み重なり、全能感が克服されないまま大人になります。


原因2. 本気を出さずに生きてきたから

人に依存してなんでも思い通りになる環境で育ってきたため、全能感がある人は思い通りにならないことがあるとすぐに投げ出します。

地道で辛い努力をする習慣がなく、本気で物事に取り組んだ経験もありません。

例えば、うまくいかない出来事に直面しても「これまでもなんとかなったから大丈夫」と考え、実際に努力したり克服したりしようとはしないのです。

自分の本当の能力や限界を知らないので、「いつか本気を出そう」「自分が本気を出したら相当すごいことになる」と思い、それがずっと続いています。


原因3. 両親からひたすら褒められてきた

全能感が抜けなかったはひたすら両親から褒められてきた

自分の可能性は無限大だと思っている全能感のある人。それは、小さい頃に言われた言葉が大きく影響しています。

「あなたはなんでもできるすごい子」
「こんなことできるなんて!天才ね」

など、両親からひたすら褒められて育ってきたんです。

そんなことを言われ続けたため、本人も「自分はすごい人間なんだ」と勘違いしたまま大きくなってしまうのです。


全能感による思い込みを克服する8つの方法|現実と向き合う方法とは?

全能感による思い込みを克服する方法

「全能感がある人の特徴に当てはまった…」

「自分が全能感のある人間だったら、どう克服すればいいの?」

万が一、自分が全能感のあるタイプだった場合、どうやって直せばいいのか悩みますよね。

改善しないと、周りから嫌われたり恥ずかしい思いをしたりしてしまいます。

そこでここから、全能感による思い込みを克服する方法を解説。現実と向き合う秘訣を知って、本当の自分を知りましょう。


克服方法1. 自分の現状を知る

本当に全能な人間であるなら、既にすごい人間になっているはず。

そうなれていないのであれば、まずは理想と現実の差を把握することからはじめましょう。

  • 平均年収を調べて、自分はどのあたりなのか
  • 自分の持っているスキルはどのレベルのものなのか
  • 現実に自分を慕ってくれている人はどのくらいいるか

など、客観的に見て、世の中で自分はどのくらいの実力なのか知ることが大切。

ポイントは理想や未来の自分という不確かなものではなく、現在の自分を比べること。現在の現実を知ることで「なんでもできる」と思わなくなりますよ。


克服方法2. 本気で努力をして現実を見る

「本気を出したら」「努力をすれば」と『たられば』が多いのが、全能感がある人の特徴。

努力さえすればなんでもできると思い込んでいるので、実際に努力をしてみるのも一つの方法です。

  • 国家資格をとる
  • TOEICで満点をとる

など、努力しないと達成が難しい、難易度が高いことにチャレンジしてみましょう。

地道で辛い努力を積み重ねる大変さを知り、努力してもなかなかうまくいかない現実もあることを知れば、自分の限界やただの思い込みだったことを理解できますよ。


克服方法3. 他人と自分の都合のいい比較をやめる

全能感による思い込みを克服するは自分と他人の比較をやめる

全能感を克服するには「自分は特別だから、他人ができることは自分もできる」という思い込みをなくすことが大切。

  • 仕事や勉強が自分よりできる人
  • 歌が上手い人や絵が上手な人
  • いつも笑顔でいる人や周りへの気遣いがすごい人

など、自分にも同じことができるのか再確認してみてください。

自分と他人は全く別の生き物

完璧な人間などいないので、それぞれ良さや違いがあることを理解して、

自分に都合のいい部分だけを比較して優越感に浸るような恥ずかしい癖をなくしましょう。

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克服方法4. 決めつける癖をなくす

全能感がある人は「自分の考えが100%正しい!」といった思い込みのせいで、凝り固まった思考になっています。

そのため、自分の意に沿わないことは受け入れられない性格なので、世の中にはいろいろな考え方があることを知らなければなりません。

  • 他人の意見に耳を傾ける癖をつける
  • 答えは一つだけではなく複数持つようにする
  • 白黒はっきりつかないこともあるのだと知る

など、他の可能性についても考えるようにしましょう。

日頃から意識することで、徐々に思考のレベルが上がったり幅が広がったりしますよ。


克服方法5. 周囲をよく観察してみる

全能感を克服するには、現実を見ることなく自分が一番だと思っていたこれまでの考えを改めなくてはいけません。

いつも自分が一番と思い込んでいるので、それ以下の集まりである周囲の人なんて目にも入らなかったはず。

例えば、じっくり周りを観察してみて、

  • どんな性格の人がいるのか
  • 他の人はどんな考えをして、どんな行動をとっているのか
  • 周りには、自分より能力の高い人がいないか

など、周囲にいる人たちの実際のレベルを知ってみましょう。

現実を改めてよく見ることで、新たな発見があったり自分のレベルを知れるため、これまでの思考を「恥ずかしい」と自覚できるかもしれません。


克服方法6. 何事にも柔軟に生きる

全能感による思い込みを克服する方法は柔軟に生きる

人生は何が起こるのかいつだって誰にも予測できないもの。

一つの考えに固執していると上手に立ち回れず生きづらさを感じてしまうので、柔軟な思考を持つことが大切です。

例えば、努力することが大切と前述しましたが、世の中には「あれだけ辛い思いをしながら努力したから」といってうまくいかないこともたくさんあります。

「努力は報われる」という一つの考えではなく、「努力しても報われないこともある」と違う視点から物事を捉えるようにしましょう。

失敗したら、違う道を探したり状況に合わせたりすればいいだけ。臨機応変に生きることで、随分と楽に思えますよ。


全能感が抜けない大人は、早めに等身大の自分を自覚しよう。

大人になっても全能感が抜けないと、いろいろな面で辛いと思ったり生きづらさを感じてしまいます。

「全能感は克服できるの?」と思う人もいるかもしれませんが、まずは等身大の自分を受け入れることからはじましょう。

全てを完璧にできる人間なんておらず、できる必要もありません。いつも肩の力を抜いて、現実としっかり向き合いながら楽しく生きましょう。


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