"させていただく"は間違い敬語?使い方&例文まで解説|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2020.11.05
"させてもらう"を丁寧に伝えられる敬語、させていただく。ビジネスでよく使われる敬語ですが、実は間違い敬語なんじゃ?と思う人も多いはず。今回は、「させていただく」の意味から正しい使い方、例文、使う上での注意点まで詳しく解説します!ビジネス敬語のレベルを上げましょう!

間違い敬語?「させていただく」の意味とは?

させていただくの意味とは

「させていただく」とは、「する」+「もらう」の謙譲表現です元々はある動作や行為を行う「する」に「もらう」がついた敬語として成り立っています

「もらう」には、動詞として受け取る、手に入れる、迎える、引き受けるなどの意味がありますが、ここでは動詞の連体形につく補助動詞として使われ、ある行為によって自分が利益を得る、または迷惑を受けること。

もしくは、自分の行動によって相手が利益を得る意味になります。「する」の連体形「させて」に「もらう」がつき、「~させてもらう」となり、ビジネスシーンでは「もらう」の部分を謙譲語に変えた「~させていただく」の使い方をします。


「させていただく」は間違い敬語なのか?

させていただくは正しい敬語か

「させていただく」は、「させてもらう」の謙譲語として使われ、目上の方に使う敬語としても正しい使い方です。ビジネスシーンでは、自分がある行動をすることに対して、相手に許可を求める時に使用する敬語です。

「してもいいですか?」というよりも「させていただきたいのですが」と伺うことで、丁寧かつ相手に遠慮する気持ちを込めながら、許可を求める意味を含めて使用できます。ここでのポイントは、──許可を求める行動によって自分が利益を得ることです

例えば、「明日お休みさせていただきたいのですが」と、自分に利益のある「休む」行動を相手に許可してほしい時などの敬語として使用します。


「させていただく」の例文を許可と依頼に分けて解説

許可で使われる「させていただく」の例文

させていただくを許可で使う場合
  • 体調が悪くなってしまったので、午後は欠勤させていただきたいのですが。
  • ビル工事で会議室が使用できなくなるため、打ち合わせ日を変更させていただきます。
  • お子様用の椅子をお持ちしましたので、こちらの大人用の椅子は外させていただきますね。
  • 食材の都合によりメニューを変更させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。
  • 諸事情により、会議の開始時間を9時から9時30分に変更させていただきます。

ビジネスシーンで、相手に許可する可能性の高い依頼をする場合に「させてもらう」の謙譲語として「させていただく」を使用します。

やむをえない理由がない前提で、「キャンセルさせていただく」「変更させていただく」など、相手から許可が出る可能性が低い行動に対しては使えません

また、自分の求める行動によって、相手に不利益や迷惑が生じてしまう場合は「させていただきます」と言い切らずに「欠勤させていただきたいのですが」のように、許可の意味を含めたフレーズも一緒に付けるようにしましょう。

【「例文」で使われている敬語】
「予めご了承ください」って正しい敬語なの?使い方を例文付きで解説します

「ご了承ください」の意味とは?使い方から類語まで分かりやすくまとめました


依頼された役割を果たす時に使われる「させていただく」の例文

目上の人に見てもらう時になんて言えばいいのか
  • 僭越ながら、乾杯の音頭をつとめさせていただきます。
  • 本日司会をつとめさせていただきます、○○と申します。最後までどうぞお付き合いのほどお願い申し上げます。
  • ただいまご紹介にあずかりました○○と申します。新郎新婦のお二人のためにお祝いをご用意いたしましたので、ここで披露させていただきます。
  • 本日はお招きいただきありがとうございます。ここで、ご挨拶をさせていただきます。
  • おめでとうございます、喜んで出席させていただきます。

ビジネスシーンでは、ある役割や役職などを依頼されることも多いです

依頼された役割や役職に応える際に「司会をさせていただきます」「乾杯の音頭をつとめさせていただきます」のように使用します。祝典やイベントにおける役割を受けて応える時にも使用します。

また、ビジネスシーンだけでなくプライベートでの結婚式や式典、イベントなどへの出席を求められた時も役割を依頼されたシーンに該当しますので、「喜んで出席させていただきます」のような使い方もします

【「例文」で使われている敬語】
「僭越ながら」の正しい使い方|スピーチでの例文などもまとめて解説します!

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