"ご報告まで"の使い方。目上へ送れる丁寧なメール例文|ビジネス敬語ガイド

"ご報告まで"の使い方。目上へ送れる丁寧なメール例文|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2018.08.29
相手へ取りあえずの知らせを送る際に使う言葉、ご報告まで。「取り急ぎご報告まで」などで使いますが、上司や取引先など目上にも使えるのか。今回は、ご報告までの使い方を例文付きで詳しく解説。目上にも使えるより丁寧な言い換えも解説しますので例文までチェックしてみて。

「ご報告まで」の意味とは?

ご報告までの意味

「ご報告まで」とは、進捗を知らせる時に使われるビジネス用語としてよく知られ、多く使われている言葉の1つです。

目下の人から目上の人に対して、ある仕事や項目などの結果を知らせる作業を「報告」と言い、まだ確定していない状況を知らせる「連絡」とは違って、その仕事や項目が完了して何らかの結論が出ている場合にお知らせの意味で使います

報告という作業を丁寧に表現したのが「ご報告」で、さらに「まで」を付けると現段階での結果を伝えるという意味で使います。「まで」を付けることで、最終的な結果を伝えているニュアンスは薄れてしまいます。

ビジネスの場ではテンプレートとして多用しがちですが、使い方には注意が必要です。


「ご報告まで」を使用する際の注意点

  • 上司や取引先など目上の人には基本的に使わない
  • 相手に返信してほしいのかを明記する
  • 「取り急ぎご報告まで」は親しい間柄の人のみ使用する
  • 後から詳しい内容を明記したメールを送る

「ご報告まで」を使用する際は、上4つのポイントを必ず意識しておきましょう


注意点① 上司や取引先など目上の人には基本的に使わない

ご報告までを使う上での注意点

目下から目上へに対してある事を知らせるために行うのが報告です。

例えば、部下から上司へ、後輩から先輩へ向けて知らせる際に使います。目上の人に対して行う際に、「ご報告」はお知らせの際に使うテンプレート的な敬語として多用しがちです

しかし、「ご報告まで」という言葉の場合は使い方に注意が必要です。「まで」という言葉は丁寧なニュアンスが含まれていませんから、冷たい印象を相手に与えます

謙虚さが伝わりにくいために誤解を招きやすく、相手が不愉快になりかねません。「ご報告まで」の前や後に別の敬語を使って調整する場合を除いて、基本的に上司や取引先などの社外の人に対しては使わないようにしましょう。


注意点② 相手に返信してほしいのかを明記する

「ご報告まで」は、一般的には目上の人に対して使用しない言葉です。しかし前後の文章によっては使える場合もあります。

たとえば、終了した仕事の結果を上司に知らせる場合、上司からその報告に対して返信がほしいのか、それともお知らせとして報告を受けてもらうだけで返信不要なのかをメールの文中で明記しておくことが大切です。

返信がほしいなら「ご確認よろしくお願いいたします」などの丁寧な言葉を文末に付けておきます。返信不要なら文末に「返信不要です」と付け加えておくと、ぶっきらぼうな印象を薄めることができます。


注意点③ 「取り急ぎご報告まで」は親しい間柄の人のみ使用する

取り急ぎご報告までは仲の良い上司や取引先にのみ使う

短く言い切る「ご報告まで」という言葉は、敬語ではありますが冷たい印象を与えかねません

そのため、「取り急ぎ」という言葉を頭に付けて、迅速に処理しているニュアンスを出す言葉のテンプレートになっているケースが多いです。しかし、「取り急ぎ」という言葉に含まれているのは「現段階ではこうですよ」という意味合いです。

整理や分析が完了した最終的な報告ではないことを伝えているわけですから、至急の場合であっても目上の人や社外の人に対しては使いません。同僚など、親しい間柄である人だけに使うようにしましょう。


注意点④ 後から詳しい内容を明記したメールを送る

「ご報告まで」を使うのは、現段階での簡易的なお知らせをする場合です。つまり、見通しのついた内容をひとまず伝え、最終的な結果は今後伝えるというニュアンスが含まれています。

「ご報告まで」という言葉で相手に内容を伝える場合は、後日詳しい内容をあらためて知らせることが必要です

そのため、「ご報告まで」の後に「最終的な結果が分かり次第追って報告いたします」といった文章を文末に追加しておき、結果がまとまり次第最終的なお知らせを行うようにしましょう。


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