靴磨き屋が教える!誰でも簡単に5分でできる靴の磨き方
出張靴磨き屋の池田和弘です。
今回は、革靴の磨き方をシェアします。
靴はできるならきれいな方が良いと、みんな思っています。
お手入れしなくては…と思っていますよね。
ですが、靴磨きって意外と手間がかかるものです。沢山の道具を使って、多くの手順を踏むことになります。もちろん、その手間が良いという人もいますが、忙しい人はそうも言っていられません。
今回、私が提案するのは『習慣化できる簡単な靴磨き』です。揃える道具は最小限、手順は3ステップ。ぜひトライしてみてください。
靴磨きに必要な道具3選
- 乳化性クリーム(革靴の保湿クリーム)
- 豚毛のブラシ
- 綿100%の布
布は、不要になったTシャツなど“綿100%”のものがおすすめ。全体を水で濡らし、絞っても水滴が垂れない水分量にしておくと使い勝手◎。脱水後の洗濯物くらいが目安です。
靴磨きのステップ1.「濡れた布で靴を拭く」
靴全体を拭くことで、埃や汚れを落とします。布を押し当てて水を吸わせない様に注意。革と靴底の隙間も拭きましょう。
靴磨きのステップ2.「ブラシで靴全体にクリームを入れ込む」
まず、ブラシにクリームを米粒2つくらい付けます。その部分を靴の土踏まずのところに当てがい、一周する様にフチに伸ばしていきます。
一周したら伸ばしたクリームを、靴全体にガシガシと入れ込んでいきます。割と力を入れても革は傷つきません。ブラシを動かす方向は自分と靴が正面から向き合った時に、つま先からかかとの方向に向けて動かします。
靴磨きのステップ3.「指に布を巻き、磨き上げる」
指に布を巻きます。人差し指一本だと簡単です。布を巻くのが右手の場合で説明します。
まずは布を右手の人差し指の内側にかぶせます。
指の根元を外側から左手で強く押さえながら、右手の手首を内側(自分の身体の方向)に一回転させます。
根元がきつく締められ、人差し指に布が巻きつきました。
布の余りは親指と人差し指の間で挟むか、画像の様に手に巻きつけて固定して下さい。大事なのは人差し指に巻きつけた布が、きつく巻かれているかどうかです。磨いている最中に布にシワが寄らない様に、ぴっちり巻きましょう。
布を巻いたら指の腹にクリームを染みる程度付け、【靴磨きのステップ②】と同じく土踏まずのところから磨いていきます。この時、靴のフチをきちんと磨くことで仕上がりが美しくなります。
磨く方向は基本的にブラシの時と同じです。つま先からかかとの方向に手を動かします。
靴を美しく磨くための3つのポイント
① 指に付けるクリームは少量で良い
クリームは先程ブラシで付けたもので充分。手で磨くのは、既に付いているクリームを浸透させるためです。
② 布が乾いたら、湿った箇所に巻き直す
磨いていると摩擦熱で布が乾いてきます。濡れた布で靴が綺麗に磨かれるので、乾く前に湿っている箇所に巻き直してください。
③ あまり力を入れずに磨く
水分が革に入ると上手く仕上がらないので、指を押し付けないように手早く磨きましょう。
指のクリームがなくなれば付け足し、布が乾けば巻き直す。その繰り返しで磨き上げれば完成です。
靴磨きの「アフター←ビフォー」
革質や今までのお手入れによって仕上がりには差がありますが、実際に磨いた靴のビフォー(写真右)/アフター(写真左)になります。
磨くことで、程よい光沢を取り戻しているのが分かりますね。
慣れれば両足5分でピカピカになる。
以上が靴磨きの工程です。この方法なら慣れてしまえば両足で5分程度で磨くことができます。
一般的な靴磨きでは汚れ落としの道具やワックスを使用します。ご紹介した方法ではそれらの道具を使用していませんが、乳化性クリームは汚れを落とす効果がありますし、ワックスはそもそも革にとっての栄養がありません。革を良好に保つにはこの3ステップ(ほこりを落とす→ブラシでクリームを入れ込む→布で磨き上げる)が大事です。
また、靴の状態によって磨く方法やコツは変わります。例えば、汚れを落としたい箇所があればくるくると円を描く様に磨く、などです。今回の磨き方は基礎ですので、ぜひ色いろな磨き方を試して靴磨きを楽しんでみてくださいね。
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