高齢者におすすめの筋力トレーニング。無理なく簡単にできる運動プログラムを紹介!
高齢者に筋力トレーニングが重要な理由|どんな効果やメリットがあるの?
老化と共に筋力が落ちてくるシニア世代に筋力トレーニングは必要です。
しかし筋トレは元気のある若い人がやるもの、というイメージがあるかもしれません。体力が落ちてくる高齢者が筋力トレーニングをしても意味あるのかな、と疑問に思う人もいます。
ここではシニア層が筋力トレーニングをすることに、どのような効果やメリットがあるのか解説します。エクササイズをすることで様々な病気の予防もしていけますよ。
高齢者に筋トレが大事な理由1. 年齢を重ねても元気に生活ができる
仕事や子育てが一段落したシニア世代は自由な時間を使って趣味や旅行を楽しみたい思うものの、老化が原因で体力が低下し、疲れやすくなりがち。
しかし筋トレを始めることで低下しがちな筋肉量をアップ。筋トレには筋肉強化だけでなく、基礎代謝もアップさせて健康増進させる効果もあります。
筋力トレーニングをすることで足腰が鍛えられ、元気に生活できるようになるのです。代謝も上がるため、慢性的なだるさが和らぎ、外出も億劫ではなくなるといったメリットもありますよ。
高齢者に筋トレが大事な理由2. アルツハイマー型認知症の予防になる
超高齢化社会と呼ばれる日本では、約5人に1人がアルツハイマー型認知症になるのではと予想されています。「もし自分が認知症になったら」と考えると少し不安ですよね。
実は、筋力トレーニングには脳神経を強化し、認知症を予防してくれる効果があります。運動を始めると脳から筋肉に動くよう指令が出され、筋肉は脳へ指令に応えていると信号送るのです。つまり、エクササイズの最中に脳と筋肉はお互いに刺激し合っているということ。
筋トレをすればするほど脳が活性化され、脳の血流が良くなって機能低下を防いでいけます。
高齢者に筋トレが大事な理由3. 糖尿病などの生活習慣病の予防になる
慢性的な疲れを感じると外出が面倒になったり、自宅でテレビを見ながらゴロゴロしたりしがち。運動不足になっていると気づいたら、血糖値が上がって糖尿病や生活習慣病にかかるリスクがあるので要注意。
そんな時はエクササイズをすることで血糖値をコントロールをしていきましょう。毎週150分以上の有酸素運動をすることで、糖尿病や生活習慣病を予防できるという研究結果があります。
自宅でのんびりする時間の一部をエクササイズにあてることで、健康寿命を延ばしていけますよ。
高齢者に筋トレが大事な理由4. 骨粗鬆症の予防になる
どんなに健康なシニアの方でも加齢と共に少しずつ骨が脆くなっていくもの。骨の老化を放置していると骨粗鬆症になるかもしれません。
実は、骨には衝撃が与えられると丈夫になる特性があります。エクササイズによって骨に負荷をかけることで骨密度をアップさせ、骨を強くすることができます。
結果として、骨粗鬆症を予防していけるのです。特に下半身の骨を丈夫にすると、転倒予防や骨折予防にもなることを覚えておきましょう。
運動する習慣がない人は、毎日20〜30分有酸素運動をする習慣をつける
有酸素運動とは一定時間、リズム良く酸素を取り入れながら行うエクササイズのこと。高齢者が有酸素運動をするとエクササイズ中の呼吸量が増えるので、肺機能が向上して血行が良くなり、疲れにくい体質になっていきます。
また、有酸素運動は筋力トレーニングにもなって筋肉が鍛えられていくので、シニア世代におすすめのエクササイズです。
エクササイズの習慣を作るには頑張りすぎないこと。いきなりたくさんのメニューをこなそうとするのではなく、毎日20~30分の有酸素運動をする習慣をつけましょう。有酸素運動は一回に長い時間行うよりも、短い時間を継続して行った方が効果があります。
シニアの方に最適な有酸素運動はウォーキング。家の周りを少し速く歩いたり、普段は車で行く買い物を歩いて行くようにしたりするだけなので、気軽に始めやすく継続しやすいのが魅力です。
【参考記事】簡単に取り組める有酸素運動メニューを解説!▽
高齢者が筋力トレーニングを行う時のポイント
シニア世代が生活を健康的に楽しむことをサポートするのが筋トレ。
せっかくエクササイズするなら効果を実感して楽しみながら続けられるのがベスト。そのためには無駄な筋トレメニューはしない、エクササイズ中にケガをしないことが大切です。
ここでは、高齢者の方に意識してほしい筋トレのポイントを解説していきます。
紹介する情報を参考にして安全で効率的な筋トレをしてくださいね。
筋力トレーニングのポイント1. はじめは下半身の筋肉を中心に鍛える
下半身には太ももやお尻の筋肉、ふくらはぎの筋肉など歩くのに必要な筋肉が集中しています。これらの筋肉を鍛えていくことで歩行時の安定感が高まります。
体のバランスが取りやすくなり、つまずきや転倒を防止できるのです。また、足を上げることが楽になるため、階段の上り下りや、小走りなどが苦にならなくなりますよ。
筋力トレーニングのプログラムには色々な種類がありますが、最初は下半身の筋肉を強化することを意識してください。
筋力トレーニングのポイント2. 自宅で簡単にできる自重トレーニングがおすすめ
自重トレーニングとは自分の体重を利用して負荷をかける運動のこと。ジムに行って特別な筋トレプログラムを組んでもらう必要もないですし、特殊な機具も必要ありません。いつでも気軽に自宅でできるメリットがあります。
自重トレーニングのプログラムは比較的負荷が小さいため、筋力が低下しているシニア世代でも安全に行え、時間を掛けて筋肉を強くしていけます。
筋力トレーニングのポイント3. トレーニング前後に入念にストレッチをする
シニア世代は筋肉や関節が硬くなりがちなので、トレーニング前のストレッチを怠るとケガをしやすくなります。
体操する前にストレッチを行うことで筋肉と関節の柔軟性を高め、ケガの予防をしましょう。また、運動前のストレッチによって心拍数や血流が増えるので、急な動作で心臓に負荷がかかることを防いでくれます。体操後にストレッチをすることも大切。筋トレで緊張していた筋肉をリラックスさせ、疲れを残さない効果があります。
ジムでも安全のために体操前後にストレッチするよう勧められるので忘れないようにしてくださいね。
高齢者におすすめの筋力トレーニング6選|無理なく続く筋トレメニューを大公開!
高齢者は筋力トレーニングで健康寿命を延ばしていけます。
しかし「筋トレが健康に良いことは分かるけど今までしたことないし、いきなり初めても続けられるかな」と心配になるかも。高齢者でも無理なく続けられる筋トレメニューを大公開します。
ここからは、自宅ですぐに始められる初心者向けメニューから少し負荷の高いトレーニングを紹介。筋トレを続けて活発に毎日を過ごしましょう。
高齢者向け筋力トレーニング1. スクワット
スクワットは足や体幹を鍛えられます。つまずきやすくなった、階段を上るのが辛いと感じるシニア向きの筋トレです。
回数は自分次第なのでシニアでも気軽に始めやすいです。
トレーニングの正しいやり方
- 足を肩幅に開き、両手を前へ
- お尻を突き出すよう腰を下ろす
- 太ももが床が平衡になったら元の体勢へ
トレーニングのコツ
- 膝とつま先は同じ方向
- 腰を下げた時、膝がつま先より前へ出ないように
- きついと感じたら椅子の背もたれにつかまる方法を試す
- 上体を起こすときに息を吐く
呼吸を意識することで筋肉や脳の血流が良くなります。
【参考記事】スクワットの詳しいやり方を解説!▽
高齢者向け筋力トレーニング2. ランジ
ランジは足を遠くへ伸ばしてしゃがむ動作をしますが、負荷を自分で調整できるので腰への負担が少なく、腰痛持ちのシニアでも痛みを感じずに取り組めます。
足腰に踏ん張る力が付いて転倒を防止に効果的な筋力トレーニングです。
トレーニングの正しいやり方
- まっすぐ立ち腰に手を当てる
- 片足を前に踏み出す
- 別の足は膝を曲げて腰を下げる
- 元の体勢に戻る
5回1セットで行いますが、回数より頻度を意識して継続して下さい。
トレーニングのコツ
- 膝とつま先はまっすぐ
- 前に出す足の太ももと床が平衡になるように
- 息を吸いながら足を踏み出す
- 腰を落としすぎない
腰痛持ちのシニアは無理して腰を落とさなくてOKです。
【参考記事】レッグランジの詳しいやり方を解説!▽
高齢者向け筋力トレーニング3. プランク
プランクはお腹の筋肉を鍛えていくので、ぽってりしたお腹を引き締めたいシニアに最適な筋トレ。何かグッズを買ったりジムに行ったりする必要もなく、今すぐ始められるトレーニングです。
トレーニングの正しいやり方
- 肘を肩の真下に置き、両手は前へ伸ばす
- 両足を伸ばし、つま先で体を支える
- 前を向き方からかかとまでが直線になるように
ジムでは長い時間キープと言われますが、最初は30秒から1分キープできれば良いです。
トレーニングのコツ
- 足幅は肩幅より狭く
- 息を止めない
- 腹筋に力を入れる
- 背筋を伸ばす
背筋を伸ばし、お尻を下げないようにすることで腹筋を鍛えられます。
【参考記事】プランクの詳しいやり方を解説!▽
高齢者向け筋力トレーニング4. プランクレッグレイズ
プランクは股関節周りの筋肉を強化できるため、椅子から立ち上がるのが辛いなど、足腰の弱さが気になるシニアに試して欲しいトレーニングです。
継続すると上半身のインナーマッスルが鍛えられ、姿勢が良くなり、肩こりや腰痛が改善する効果もありますよ。
トレーニングの正しいやり方
- 肘をついて四つん這いになる
- 足を伸ばし、つま先と肘で体を支える
- 左足だけを上に上げる
目標は左右10回3セットですが、シニアの方は1セットを目指していきましょう。
トレーニングのコツ
- 顔は常に前を向く
- 肩から足首までが直線になるように
- 足を上げる時は膝は曲げない
- 足の上下運動はゆっくり
上下運動はゆっくりリズミカルにしないと股関節を痛めるので気をつけてください。
【参考記事】プランクレッグレイズの詳しいやり方を解説!▽
高齢者向け筋力トレーニング5. ヒップリフト
ヒップリフトをシニアにおすすめする理由は、一番サイズの大きなお尻の大臀筋を鍛えられるから。大臀筋は股関節周りの筋肉のため、強化することで腰痛の予防や改善ができます。簡単な動作なので筋トレ初心者のシニアにぴったりです。
トレーニングの正しいやり方
- 仰向けに寝る
- 膝を立てて両手を広げる
- 腰を持ち上げる
- 元の姿勢へ戻る
10回を目指してください。
トレーニングのコツ
- 動作はゆっくり行う
- 腰を上げた時、肩から膝まで直線になるように
- 腰は上げたまま5秒キープ
- 腰は反らしすぎない
腰を膝より上に反らしてしまうと、腰や背中の筋肉を痛めるので注意しましょう。動画を見て腰を上げる位置を確認しておくのも良いですね。
【参考記事】ヒップリフトの詳しいやり方を解説!▽
高齢者向け筋力トレーニング6. ヒンズープッシュアップ
ヒンズープッシュアップでは上半身の筋肉を鍛えられます。上半身の筋肉が落ちると、物を持ち上げられなかったり転倒時に体を支えられなかったりします。腕や胸の筋肉を強化したいと感じるシニアにぴったりの筋トレメニューです。
トレーニングの正しいやり方
- 膝をつき両手を目一杯前へ
- 足を伸ばし腰を上に上げる
- 体を床近くまで下げる
- 元の体勢に戻る
トレーニングのコツ
- 膝をついた時、両手は肩幅より広めに開く
- 腰を上げる際は体がくの字になるように
- 体を下げる時は棒の下をくぐる感じ
- ゆっくり大きく体を動かす
動作をゆっくりすることで上半身の筋肉をしっかり強化できます。
【参考記事】ヒンズープッシュアップの詳しいやり方を解説!▽
無理なく続けられるトレーニングで健康的な体を作ろう!
高齢者が元気な生活を続け、病気の予防をするために欠かせない筋力トレーニング。
今まで運動したことがないシニアでも、無理なく続けられる運動プログラムがあるので試してみましょう。まずは有酸素運動や、自宅でできる自重トレーニングにトライしてみるのはいかがでしょうか。
筋力トレーニングを始めることで健康的な毎日を手に入れてください。
【参考記事】他にもある高齢者に効果的な筋トレメニューも確認!▽
【参考記事】はこちら▽
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