【ふくらはぎのストレッチ方法】下腿三頭筋を伸ばす効果的な柔軟体操とは
第二の心臓“ふくらはぎ”をストレッチでケアしよう!
ストレッチと聞くと、「肩甲骨ストレッチ」や「股関節ストレッチ」など著名な部位の柔軟体操を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、体の中には他にも重要な筋肉があります。その代表とも言えるのが、ふくらはぎ。ふくらはぎは“下半身を司る第二の心臓”とも呼ばれ、ふくらはぎの不良は下半身全体の血行不良に繋がるとされています。健康を保つためにも、ふくらはぎのストレッチは欠かしてはいけません。
そこで今回は、ふくらはぎの伸ばすべき筋肉と効果的なストレッチ方法について徹底解説。仕事中にオフィスで出来るストレッチから家で寝ながら行う柔軟体操まで幅広くご紹介します。
ふくらはぎストレッチで伸ばすべき筋肉とは?
ふくらはぎストレッチの方法を勉強する前に、まずはふくらはぎにある筋肉について知識を深めていきましょう。ふくらはぎで代表される筋肉は以下4つ。
ふくらはぎの筋肉① 腓腹筋
腓腹筋(ひふくきん)は、ふくらはぎの中で最も大きな筋肉でふくらはぎの外層にあります。腓腹筋は内側頭と外側頭に分かれており、どちらの筋肉も膝関節と足関節にまたがっています。関節同士をまたぐ筋肉を二関節筋と呼び、二関節筋は腓腹筋の他にもハムストリングの筋肉や大腿直筋などが挙げられます。
腓腹筋は、主に足関節を底屈させる動作(足先を伸ばす動き)と膝関節を屈曲させる動作(膝を曲げる動き)をサポートしています。腓腹筋は瞬発性の高い動きで使われる筋肉になるため、一般的な生活ではあまり使われない筋肉です。
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ふくらはぎの筋肉② ヒラメ筋
ヒラメ筋(ひらめきん)は、腓腹筋と一緒に下腿三頭筋を形成する筋肉です。ほとんどの部分を腓腹筋に覆われていますが、それでもふくらはぎでは重要な筋肉になります。ヒラメ筋は二関節筋ではなく、腓骨の膨らみである腓骨頭から踵骨隆起の部分まで繋がった筋肉です。
ヒラメ筋は、主に足関節を底屈させる動作(足先を伸ばす動き)で力を発揮します。瞬発性の強い腓腹筋と比べてヒラメ筋は歩行動作など持続する動きで使われています。
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ふくらはぎの筋肉③ 前脛骨筋
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)は下腿三頭筋の2つとは違い、すねの全面にある筋肉です。ヒラメ筋と腓腹筋の陰に隠れている筋肉ですが、前脛骨筋は2つの筋肉にはない役割があります。
前脛骨筋は、主に足関節を背屈させる動作(足先を上に上げる動き)と足をひねる動作をサポートしています。前脛骨筋が行う仕事には下腿三頭筋の筋肉はほとんど関与しないため、基本的には前脛骨筋がメインとなって動かしています。
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ふくらはぎの筋肉④ 長腓骨筋
長腓骨筋(ちょうひこつきん)は、すねの外側にある筋肉です。前脛骨筋と同様に腓骨から始まり、終わりは内側楔状骨の第一中足骨底(親指の足裏)になります。非常に長い筋肉になるため、様々な動作に影響を及ぼします。
長腓骨筋は、主に足を外反させる動作(外にひねる動き)と底屈させる動作(足を伸ばす動き)を担当しています。外反させる動作は前脛骨筋と変わりませんが、長腓骨筋には内反させる役割はありません。
ふくらはぎの筋肉を伸ばせる効果的なストレッチ方法7選
ふくらはぎの筋肉について学んだところで、ここからは実際に取り組むべきふくらはぎの効果的なストレッチ方法を解説していきます。仕事中の小休憩やお風呂上がりな時間のあるタイミングで取り組んでいきましょう。
ふくらはぎのストレッチ1. 立って行えるアキレス腱伸ばし
オフィスではもちろん、自宅でも簡単に取り組めるふくらはぎストレッチ。体を支えられる壁や支柱などがあれば、一層効果的に腓腹筋を伸ばせますよ。正しいやり方からコツまで覚えていきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 拳1つ分ほど足を開いて立つ
- 右足を大きく一歩踏み出す
- (2)の時、両足の足は地面につけたままにしましょう
- 右足の膝を曲げながら、左をゆっくり前に倒す
- ふくらはぎの筋肉が伸びているなと感じたポイントで20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻し、左足も同様に取り組む
- この動作を残り1回ずつ行う
- 終了
腓腹筋ストレッチ①の目安は、左右20秒ずつ × 2回。呼吸を安定させて、ゆっくりと取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- ふくらはぎの筋肉をしっかりと伸ばす
- 足の裏は地面から離さない
- 体を使って重心を前にずらす
- 足から頭まで一直線にする
腓腹筋ストレッチ①で大切なポイントは、足の裏を地面から離さないということ。地面から足が離れてしまうと、筋肉が緩み、腓腹筋を効果的に伸ばせません。ふくらはぎを柔らかくするために、じっくり時間をかけて取り組んでいきましょう。
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ふくらはぎのストレッチ2. 両足をバランスよく伸ばせるストレッチ
腓腹筋ストレッチ①に続いてご紹介するのが、両足を同時に刺激できる腓腹筋ストレッチ②です。オフィスや仕事場ではやや行いにくいストレッチになるため、寝る前や起きてすぐなど家で時間のあるタイミングを使って行ってください。
ストレッチの正しいやり方
- マットなどを敷いた上に、膝までつけて座る
- (1)の時、膝から頭まで一直線を維持しましょう
- 両手をマットにつけ、四つん這いの形を作る
- 膝を浮かせ、足と手でバランスをとる
- ゆっくりと膝を伸ばして、かかとからお尻まで一直線にする
- ふくらはぎの筋肉が刺激されているのを感じたら止め、20秒間キープ
- ゆっくりと元に戻していく
- 足先を内・外側に向けて各1回ずつ行う
- 終了
腓腹筋ストレッチ②の目安は、20秒 × 20秒 × 20秒。足先の向き次第で腓腹筋の刺激できる位置は変わるため、各20秒ずつ取り組んでいきましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 20秒かけてふくらはぎの筋肉を伸ばしていきましょう
- バランスが取れない時は両手を少し前に置く
- 足先を外・内・中央の3段階で行う
- 足のかかとは浮かせないて取り組む
腓腹筋ストレッチ②で大切なポイントは、足先を外・内・中央の3段階で取り組むということ。たったこれだけで腓腹筋全体をバランスよく伸ばせますよ。最近、足が気だるいという方は試しに取り組んでみてください。
ふくらはぎのストレッチ3. ヒラメ筋を簡単に伸ばせるストレッチ
座って行えるヒラメ筋のストレッチメニュー。腓腹筋と同様にヒラメ筋も非常に重要なふくらはぎの筋肉になるため、時間をかけて伸ばしていきましょう。フォームがやや難しいストレッチですので、確認しながら取り組んでください。
ストレッチの正しい方法
- マットなどを敷いた上に正座で座る
- 右足だけを立てる
- (2)の時、背中が丸まらないよう注意しましょう
- ゆっくりと体を前に倒していく
- ふくらはぎが伸びているのを感じたら、20秒キープする
- 軽く足を伸ばし、左足も同様に取り組む
- 終了
ヒラメ筋ストレッチ①の目安は、左右20秒ずつ。連続で行うと少し筋肉負担がかかるため、軽く足を伸ばしてリラックスさせて行いましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- ふくらはぎの伸びを感じながら20秒行いましょう
- 痛みが出る方は軽く足を前に出す
- かかとを浮かせない
- お尻を上げるまで前に体重をかけない
ヒラメ筋ストレッチ①で重要なコツは、かかとを浮かせないということ。かかとは常にマットにつけた状態で重心を移動させていきましょう。お尻も同様で、正座している足に乗せたまま取り組んでください。
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ふくらはぎのストレッチ4. 椅子を使ったヒラメ筋ストレッチ
椅子を使って行うヒラメ筋ストレッチメニュー。膝ほどの高さを持った椅子や段差があれば誰でも取り組めるヒラメ筋の柔軟体操です。腓腹筋のストレッチと一緒に行っていきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 膝ほどの高さの椅子を用意する
- 椅子と向かい合わせになり、1mほど離れて直立する
- 椅子の背もたれ部分を持ち、椅子に右足を乗せる
- (3)の時、右足はかかとを軽く椅子から飛び出る形にしましょう
- ゆっくり体重を下にかけていく
- かかとが下がり、ふくらはぎへの刺激を感じたら20秒キープする
- その後ゆっくりと戻し、左足も同様に取り組む
- 終了
ヒラメ筋ストレッチ②の目安は、左右20秒ずつ。体重は前ではなく、真下にかけていく。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- ふくらはぎの伸びを感じながら20秒キープしましょう
- 体重は前ではなく、真下にかける
- 足先はあげすぎない
- 痛みの出ない範囲で行う
ヒラメ筋ストレッチ②で重要なポイントは、体重は前ではなく真下にかけるということ。前に重心を移動してしまうと膝へ負担がかかり、痛めてしまうリスクがあります。ゆっくり体を下げていき、ヒラメ筋を伸ばして下さい。
ふくらはぎのストレッチ5. すねにある前脛骨筋を伸ばせるストレッチ
すね部分の筋肉を伸ばせるストレッチメニュー。下腿三頭筋と比べると、前脛骨筋などのすね部分を形成する筋肉はやや刺激しにくいという特徴があります。正しい方法でしっかりと伸ばしていきましょう。
ストレッチの正しい方法
- タオルなどを重ねて10cmほどの高さにする
- アイテムの前に正座で座る
- (2)の時、足先はまっすぐ前に向けておきましょう
- 正座の状態のまま、体重を後ろにかけ、アイテムを膝の下に入れる
- スネ部分の筋肉が伸びているのを感じながら20秒キープする
- その後ゆっくりと元に戻す
- もう一度取り組む
- 終了
前脛骨筋ストレッチの目安は、20秒 × 2回。足先をまっすぐ伸ばせない方は無理せず、自分の限界まで足先を前に向けましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- スネ部分の筋肉が伸びているか感じながら行う
- 正座ができない方は無理せず別のストレッチを選ぶ
- 股関節から頭まで一直線にする
- 膝の下に置くアイテムは高くしすぎない
前脛骨筋ストレッチで大切なコツは、すね部分の筋肉が伸びているか感じながら取り組むということ。一般的なストレッチに比べると、刺激を感じにくい柔軟体操になるため、しっかりと刺激が届いているか1回1回チェックしていきましょう。
ふくらはぎのストレッチ6. すねの前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ①
前脛骨筋と長腓骨筋を効果的に伸ばせるストレッチメニュー。誰でも一度はやったことのある足首回しですが、正しいやり方を勉強したことのある方はほとんどいないでしょう。この機会にしっかりと勉強していきましょう。
ストレッチの正しい方法
- 地面または椅子に座る
- 右足の膝を90度に曲げて、もう左足の太ももに乗せる
- (2)の時、ふくらはぎを膝側を置きましょう
- 乗せている足を手で持ち、軽く足先を伸ばす
- ゆっくりと時計周りに回す
- この動作を5回繰り返す
- 逆方向も取り組む
- 逆足も同様に行う
- 終了
前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ①の目安は、5回転 × 5回転 × 2回。ふくらはぎ全体の筋肉を伸ばすようにゆっくりと行ってください。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- ふくらはぎの筋肉をしっかりと刺激していく
- 2秒で一周させるスピードで取り組む
- 足先を伸ばしたまま、回転させる
- 力は入れずにリラックスさせた状態で足首を回す
前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ①で重要なポイントは、2秒で一周させるペースで回していくということ。無理に早く回してしまうと、足首の筋肉を傷つける恐れがあるため、ゆっくりほぐすように回転させてください。
ふくらはぎのストレッチ7. すねの前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ②
前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ①に引き続いて、前脛骨筋と長腓骨筋を伸ばせるストレッチメニューをご紹介します。ふくらはぎの中でも刺激しにくい2つの筋肉ですが、コツさえ掴めばしっかりとケアできますよ。
ストレッチの正しい方法
- 膝ほどの高さの椅子を用意し、朝く座る
- 右足のふくらはぎを左足の太ももの乗せる
- (2)の時、お尻から頭の先まで一直線にしましょう
- 左手で足先を持ち、足を回転させるように回す
- (4)の時、親指側を押し込み、小指の腹を自分に見せるように回しましょう
- その状態を20秒キープする
- ゆっくりと戻し、逆に小指の爪が見えるように回転させる
- 逆足も同様に取り組む
- 終了
前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ②の目安は、左右 × 20秒 × 20秒。痛みが出るまで回さず、筋肉が伸びているのを感じる程度で止めましょう。
ストレッチのコツ
- 呼吸を安定させた状態で取り組む
- 無理に足首をひねらない
- 20秒しっかりとキープする
- 足先を軽く伸ばした状態で回す
- 力は入れずにリラックスさせる
前脛骨筋&長腓骨筋ストレッチ②で大切なのは、足先を軽く伸ばした状態で回すということ。曲げた状態でも問題なく刺激できますが、軽く伸ばすことで目で筋肉の動作を確認することが可能に。正しいやり方で行えているかチェックしながら取り組んでください。
ふくらはぎをストレッチで柔らかくして。
ふくらはぎの重要筋肉から効果的なストレッチ方法まで解説していきました。ふくらはぎストレッチで重要なポイントは、とにかくポイント毎で柔軟体操を変えるということ。下腿三頭筋だけでなく、前脛骨筋や長腓骨筋などその他の筋肉もしっかりとほぐしていくださいね。
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