元ホストが経験した本当にヤバい「女性との修羅場」#3
ホスト、それはいつの時代も女性を虜にする存在。新宿・歌舞伎町で輝くホストたちは、どんな生き方をしているのか。
S級美女とのお付き合いは、史上最悪の「恐怖」のはじまりだった(33歳・元ホスト、Hさん)
長澤まさみさん激似の美人に隠された秘密
数年前の月曜日、今まで見たこともないようなS級美女のお客さんが来店しました。
顔立ちもスタイルも長澤まさみさんに似ていて、今まで見たどの女性よりもキレイな方でした。面食いの僕は、見た瞬間すぐに好きになってしまいましたね。
頑張って接客していたら、向こうも僕のことを気に入ってくれたみたいで、二人で夜景を見たり砂浜を歩いたりと、ロマンチックなデートを何回か重ねるようになりました。
彼女は毎回21時頃になると「今日はもう帰るね」と早めに帰宅していて、僕は「なんて純粋で良い子なんだ!」といつも感心していましたね。
そんなある日のデートの帰り道、彼女が深刻そうな顔をしていたので、「どうしたの?」と尋ねると
「私、あなたに話さなきゃいけないことがあるの。」
と、彼女。
随分と後ろめたそうにしているので、さすがに少しビビっていたら、
「実は私、バツイチなの・・・」
と、カミングアウトしてくれました。
別に驚くほどのことでもなかったので、「全然気にしないよ。」と言うと、
「実は子供もいるの・・・」
と、驚きの事実を知ることになりました。
さすがに驚きましたが、毎晩早く帰宅していることや普段の会話などから様々な辻褄が合っていき、徐々に冷静になりました。
そして、勇気を出して打ち明けてくれた彼女を愛おしく思い、大切にしたいなと改めて思いはじめ、
「構わないよ。ちゃんとお付き合いしよう。」
ふいに告白してしまいました。
彼女自身、だいぶ溜め込んでいたのでしょう。突然の告白を泣いて喜んでくれました。
こうして、僕らは正式にカップルになりました。
突然の豹変。激しい嫉妬に、自殺未遂
彼女に異変が起きはじめたのは、付き合ってすぐのこと。
ホストという職業柄、女性との関わりを断つことはできません。
もちろん女性と会うとしても、浮気の類はしませんし、あくまで仕事としての接客を意識していたので、彼女もそのことを理解してくれていると思っていました。
しかし、付き合って3日目の朝方、酔っ払った彼女から一本の電話が。
「あなたが他の女と会うのは許せない!今から自殺する!」
自殺というワードは怖かったし、電話越しに叫んでいたので驚きましたが、だいぶ酔っている感じだったので、「まあ酔っぱらいの戯言かな(笑)」と軽く流して、あまり気に留めていませんでした。
その翌日、家に来た彼女の様子がいつもと違うことはすぐに気が付きました。
何か元気がないし、笑かそうと思っても全く笑いません。
「何かあったの?」
「ううん、何でもない」
そんなやり取りを何回か繰り返していたら、彼女はいきなり、冗談抜きで僕のことを動画で撮りはじめたんです。
そして「他の女と関わらないようにずっと見張る」とか言い出しました。
まだ付き合いたてだったので、「いや〜、冗談でしょ〜」と苦笑いで避けていました。内心では、「情緒不安定すぎる。生理かな?」とか思いながら。さすがに一時的に荒れているだけだと思ったんです。
なんとかその場をおさめながら、その夜にはじめて彼女と寝ました。
そして、コトの最中に僕は驚愕の真実に気が付いてしまったんです。
それは、今まで衣服で隠れていて気が付かなかった、彼女の腕と手首の深い傷。何度も何度も、自傷行為を繰り返した傷痕でした。
とりあえず営みを終え、何も見なかったフリをして、「21時になったから」と帰宅する彼女を見送りました。
彼女が帰宅して、冷静になった僕は賢者タイムを通り越して、とてつもない恐怖に襲われました。
待ち構えていた包丁男と、暴かれた嘘
その後も彼女の豹変はおさまらず、彼女から束縛の電話が続きました。
「今日は女と話してない?」
「まだホスト続けるの?」
「私以外の女性に近付かないで」
「後ろから見張ってるから」
ほぼ毎日、朝方から酔っ払った彼女から「他の女と関わるな」という電話がかかってくるんです。もう軽くノイローゼになりかけました。
ただ、バツイチ子持ちで少しかわいそうだなと思いましたし、そして何よりやっぱり本当に美しい女性だったので、なんとか正気を保ちながら「それでも彼女を受け止めてあげよう」と自分を鼓舞し続けました。
彼女への気持ちが一気に冷めたのは、それから一週間くらいが経った日。
僕がいつも通りホストクラブに出勤すると、お店の前にマスクをした男が立っていました。
なんとその手には、包丁が・・・。
しかも僕を見つけたその男は、包丁を片手に凄まじい形相で迫ってきたんです。
一瞬で血の気が引きました。状況も理解できませんでした。
彼は包丁を向けながら、彼女の旦那であることを伝えてきました。
そして、まだ一緒に住んでいると。
「えっ・・・」
彼女から離婚したと聞いていた僕は、言葉を失いました。
怒り狂った旦那は、今にも僕を刺す勢いだったので、とにかく頭は真っ白になり「何も知らなかったんだ!許してくれ!」と泣き叫び続け、目の前で携帯を壊し、「これでもう連絡は取れないから」と許しを乞いました。
そのタイミングで仲間のホストが間一髪駆け付けてくれて、何とかその場はおさまりました。
彼女との関係は、ここでリセットされました。
新天地で快適な生活を送るはずが・・・
旦那のさらなる復讐を恐れた僕は、新しい携帯でも念のため彼女を着信拒否して、住居を引っ越して、勤務先のホストクラブも移しました。
入店から順調に成り上がり、不動のNo.1を手にしていた身だったので、お店を変更するのは大きな決断でしたが、何より命を大切にしました。
なるべく僕の痕跡を残さずに、新天地に活動のすべてを移し、新しい平和な毎日を送るはずだったのですが・・
移動して2日目くらいでしょうか。
「誰かに尾行されている。」
そう感じるようになりました。
不自然に後をつけられている感覚があったんです。
身震いして、引っ越して1週間後、2度目の引っ越しを決めました。
新しいお店の店長には良くしてもらっていたので、またも苦渋の決断でした。
2回目の新天地は快適でした。
一番最初のホスト時代に比べて、給料は「これでもか」というくらい減ってしまいましたが、後ろに人影は感じませんでしたし、心の平安がありました。
それから何ヶ月か経った頃、新店舗にも慣れてきて順調に売上を伸ばしはじめていた頃、バーで1人飲み潰れていると、雰囲気からして美人な女性が介抱してくれました。
「かわいいな〜」と思い、「ありがと〜」と惚気けながらその子の顔を見て、背筋が凍りました。
なんと、あの彼女だったのです。
潰れていたのが嘘だったんじゃないかと思うくらい、瞬間的にシラフに戻りました。
なんと、彼女は探偵を雇い、常に僕の居場所を特定していたらしく、それを聞くだけでも恐ろしく震えました。
「もう僕と関わらないでくれ」
バーにお金を置き、急いでバーから退散しました。
その次の日、彼女が今度はお店に現れたんです。
僕はすぐさま店長に事情を話して、彼女を入店拒否にしてもらいました。
それでも何度もお店に押しかけてきたので、さすがに警察にも連絡して被害を訴え、そこまでしてやっと彼女も引き下がりました。
彼女のその後
警察も出てきて観念したのか、それから彼女と出会うことはありませんでした。
ようやく平穏を取り戻し、ホスト業にも精を出して働きました。
それから1年くらい経った日でしょうか。
本当に偶然、街中で彼女の旦那に再会しました。
初対面で包丁を持っていたので第一印象最悪でしたが、改めて見ると優しい雰囲気のルックスで、1回目と2回目でまるで別人な印象を受けたのを覚えています。
「最近、彼女は元気ですか?」
ふと気になって尋ねたら、
「警察に捕まり、刑務所に行きました。」
と、予想を超えた返答が。
旦那さんによると、もともと精神が崩壊していて、僕をストーキングしていたあとも首吊りやリストカットなどの自殺未遂を繰り返していたんだとか。
そして終いには、旦那と子供を刺し殺そうとしたので、さすがに警察を通報したそう。
ホストの世界にいると修羅場はよく聞きますが、ここまでの本当にヤバい話は聞いたことがありません。まるで小説とかドラマみたいですよね。
今でも恐ろしいです。
もしも、あのまま付き合っていたら、自分が死んでいたかもしれないと思うと。
【今回の教訓】女性の容姿に騙されないこと。
──Hさん、壮絶なエピソードありがとうございます。最後にSmartlog読者の男性に向けてひと言お願いします。
女性の容姿に惑わされたら痛い目見る、ってことですかね。惑わされるという言い方が正しいかわかりませんが、僕の場合は長澤まさみさん似のS級美女だったので、やっぱり何もかもがキラキラして見えてしまったんですよね。嫌なことがあっても、そのときは気にも留めることはありませんでした。正直、見た目がタイプの女性じゃなかったら、付き合う前に彼女の危ない部分に気が付いていたと思います。旦那と別れたという嘘も見抜けたんじゃないかな。たぶん。外見関係なく内面を見極める目を持っていたら、僕が経験したような危ない出来事とは無縁の人生を送れると思います。ぜひ、いい女性と出会ってください!
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