責任転嫁する人の特徴とは|責任転嫁の原因を改善する克服方法を解説

あやな 2022.01.22
すぐに責任転嫁して難を逃れようとする人っていますよね。そこで今回は、責任転嫁する人の心理や特徴から、責任転嫁する人への対処法まで詳しくご紹介します。さらに、自分が責任転嫁しがちな人へ向けた改善法も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね!

責任転嫁する人との上手な関わり方をレクチャー

責任転嫁する人の心理&特徴

責任の所在を明らかにする必要がある時に責任転嫁する人がいると、話がなかなか進まず大変ですよね。職場の人や友達の中に、思い当たる人はいませんか?

本記事では、責任転嫁する振る舞いの裏側に潜む心理や、責任転嫁する人の特徴・対処法をご紹介します。

また、「自分は他人に責任転嫁する癖がある」という人のためにも、改善方法のアドバイスがあるので参考にしてみてくださいね。


前提として「責任転嫁」の意味とは?

「責任転嫁」とは「せきにんてんか」と読み、自分の失敗を他人のせいにする、仕事を他人に押しつけるなどの行動を指します。

文字で見ると「嫁」という字が目に入るので意味を勘違いしてしまいそうですが、読み方を聞けばよく聞く言葉でしょう。

協力して物事を進める必要があるチームなどに、一人でも責任転嫁する人がいると大変不快なもの。この「責任転嫁する人」に悩まされている人が、意外と多いようです。


「責任転嫁」の語源や由来は?

「責任転嫁」の「転嫁」の意味は、元来、2度目の嫁入りのこと。嫁入りがなぜか責任を押しつけるかのようですが、単に「転嫁=他に移す」という意味で使われるようになった言葉です。

このように「責任を転嫁=責任を他に移す」という意味で「責任転嫁」という四字熟語ができあがったのがその由来です。


「責任転嫁」と「責任転換」の違いについて

「責任転嫁」を言い間違えて「責任転換」と言ってしまう人が多いようですが、本来は「責任転換」という四字熟語はありません。

しかし「責任転換」という言葉を使用するならば「転換=方針などを変更する」と解釈し「責任の所在を変更すること」という解釈もできます。

とはいえ、やはり「責任転換」は誤りで、正しいのは「責任転嫁」ですので、「責任転嫁(せきにんてんか)」として覚えておきましょう。


どんな気持ち?責任転嫁する人に見受けられる心理

責任転嫁という行為の裏には、どのような心理が隠されているのでしょうか?

理不尽な責任転嫁ですが、心理を探ると意外と複雑な心理から責任転嫁してしまうようです。

まずは、責任転嫁する人の心理を、5つに分けてご説明します。


責任転嫁する心理1. 自分の失敗を認めたくない

プライドが高いタイプに多く見られる傾向として、自分の失敗を認めたくないために責任転嫁してしまうパターンがあります。

自分の失敗であることは認識しているのですが、プライドが許さないため、責任転嫁することで楽になろうとします。男性も女性も同様です。

失敗の原因を探して「○○のせいでこうなった」のように責任を追及。責任の所在は、いつの間にかその原因のほうに移ってしまいます。


責任転嫁する心理2. 怒られたり、注意されたりするのが怖い

気が小さく自己主張が苦手なタイプに多いのが、叱られたり注意を受けることを恐れて責任を他人に押しつけようとする人。

責任を追及されたときに、状況説明や弁明をすることが苦手なため、責任転嫁して逃れたいのです。大人しくて気が弱い性格の女性に多いと言えます。

「どうにか自分の責任にはならないように」と失敗の言い訳のために責任転嫁するのです。


責任転嫁する心理3. なるべく面倒事は避けて通りたい

他力本願タイプに多いのが、面倒なことから逃れるために責任転嫁してしまう心理。責任を追及されたり、言い訳や説明をする必要があったり、という一連のやり取りが面倒なので他の人に代わってほしいのです。女性が困った時に男性に頼ってしまうケースもあてはまるでしょう。

他人に失敗を押しつける、というよりも、始めから自分は問題の本筋には関わっていなかったかのような態度をとることで、面倒なことを避けたいのです。


責任転嫁する心理4. 責任転嫁をしている自覚がない

自己防衛本能が強く、無意識に責任逃れをするタイプは、自覚なく責任転嫁してしまうので周りの不快な思いにも気づきません。責任追及から逃れようとする心理が本能的に働き、責任転嫁する言動をとってしまいます。

元からの事情であったかのような言い訳で、周囲はいつの間にか責任転嫁されてしまうことに。無自覚なので、矛盾を指摘しても理解してもらえないかもしれません。


責任転嫁する心理5. 自分がミスをするとは思っていない

自分を過信しているため、失敗しても「自分のせいではない」と思っていることも責任転嫁に多い心理パターンです。「自分は正しい」「自分が失敗するはずがない」という強い信念があるので、自分に責任があるとは全く思わず責任転嫁することになります。

これは、自分に自信がある男性や職場の上司によくいるタイプ。ミスや矛盾の指摘を素直に聞き入れないことが多いため、周囲が諦めざるを得ない状況になります。


どんな人?責任転嫁する人の共通点や特徴とは

責任転嫁する人はどのような人なのか知っておくと、一緒に仕事を進めなければならない場でうまくコミュニケーションをとるために役立ちます。

性格の特徴と態度の特徴をそれぞれ5つずつ解説していきますので、思い当たる人がいないか考えてみましょう。


すぐ責任転嫁する人の「性格」の特徴

まずは、責任転嫁する人によくある性格の5つのパターンを見ていきます。性格を把握していれば、責任転嫁されても冷静に対処できるかもしれません。

人間関係をうまく維持するためにも相手の性格を理解しておきましょう。


性格の特徴1. 自分の意見や考えに対して自信がない

「人の意見を取り入れた方が気が楽」と思いやすい人に責任転嫁しやすい人が多いのは、自分の考えに自信が持てない性格からくるものです。

とにかく自信がないので「○○さんにこう言われたから」のように責任転嫁してしまいます。

周囲も自信がない人に責任を追及できず、いつの間にか責任の所在がはっきりしない状態になることもあるでしょう。女性だけでなく気が弱い男性にも多いようです。

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性格の特徴2. 打たれ弱い性格で怒られるのが苦手

怒られたり注意されたりするのを避けるために責任転嫁する人は、打たれ弱くて怒られることが大変苦手な性格であることが多いようです。

強い口調で注意されると、恐怖や辛さを強く感じてしまい、とにかくその状況から逃げ出したくなります。その結果、「そんなこと言われても、ミスは私のせいではないし…」と他の人に責任転嫁してしまうのです。

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性格の特徴3. めんどくさがり屋で楽ばかりしようとする

自分だけは楽をしたい、どんな知恵でも使っても楽をすることを最優先と考えています。そのため、責任をとるのが面倒で、仕事に対していい加減な態度で責任転嫁をします。

過去に理不尽で面倒な場面に出くわしたことがあるなど、何らかの理由がある場合もありますが、楽をすることを常に最重要ポイントとして行動している人です。

他の人が苦労している姿を見ても全く平気。このタイプの人は、女性よりも男性に多いようです。

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性格の特徴4. 人に頼ったり、甘えたりするのが癖になっている

自分が失敗しても、いつも友達や甘えられる誰かがカバーしてくれるのが当然という基本的な考え方があるため、無意識で責任転嫁します。

親や兄弟に頼ってきた人など、甘えるのが習慣になっていて、自覚なく責任転嫁してしまう甘え上手な性格の人とも言えるでしょう。

女性に多いイメージですが、末っ子キャラやマザコン気質の男性にも、このタイプの人は多いでしょう。頼られるタイプの人がいるところには甘え上手な人もいて、構造的に責任転嫁がなくならない理由でもあります。


性格の特徴5. いいとこ取りをする打算的な人

「責任は取りたくないけど、手柄は欲しい」という要領よく過ごしたいタイプで責任転嫁するのは、打算的な性格の人。

結果がよければ、そのプロセスの苦労は周囲に押しつけてもいいと思っています。自分の要領の良さに自信がある男性に多いようです。

本人は、責任転嫁することで要領よくこなしているつもりになりますが、周囲の冷静な目を持つ人から受ける評価は圧倒的に低評価になるでしょう。


すぐ責任転嫁する人の「態度や行動」の特徴

責任転嫁する人によくある態度や行動の5つのパターンを見ていきます。言動のパターンを把握していれば、責任転嫁される側もうまく対応できそうですよね。

一方的に責任転嫁されないように、態度や行動のパターンを覚えておき、対策を練りましょう。


態度の特徴1. プライドが高く、自分の非を認められない

自分は周りよりも常に優位に立っていたい、劣等感は味わいたくないという心理から、問題が起きても「自分は悪くない」と主張する人に多く見られる態度です。プライドが高いだけなので、実は自分の失敗を自覚していて心の中で葛藤があることもあります。

周囲がそのプライドを見透かしているかのように冷静に対応すると、責任転嫁することも減ってくるかもしれません。

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態度の特徴2. 相手によって態度を変える

自分は周囲よりも高い評価を受けたい、ほめられたい、という心理が働くことで、会社の上司など目上の人には従順なのに同僚や部下を平気で裏切るしたたかな人が責任転嫁する人。

このタイプは、同僚や部下に責任転嫁しやすいと言えるでしょう。友達までも要領よく使い分けることがあります。

周囲は気分が悪いものですが、目上に限らず、全ての人間関係を良好に保てない人は、会社のような組織ではあまり好まれません。それでも、実際に手のひらをかえすような態度をとる人はよくいるものです。


態度の特徴3. すぐに言い訳や嘘を口にする

自分の失敗を認めたくない、自分の評価が下がることを極端に恐れるためにとってしまう態度です。「〇〇さんが言ってたから」「(今まで)知らなかった」などと反論をします。言い訳や平気で嘘まで並べられるのも責任転嫁する人によくある態度です。

もっともらしい言い訳を並べて責任を押しつけようとしますが、周囲も慣れてくると聞き流せるようになります。聞き流されていることがわかると、無駄な言い訳はしなくなるかもしれません。

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態度の特徴4. 優しい人や断れない人がいると、すぐ身代わりにしようとする

責任転嫁することにわずかな罪悪感や自覚があると、責任転嫁の方向は自分に対して甘い態度をとってくれる人に向きがちです。

都合が悪い立場を他人に押しつけようとする人は、自分に従う人を見つけて自分の身代わりにします。

会社の上司が部下に対して、先輩が後輩に対して、というパターンが多いのもこの態度の特徴と言えます。


態度の特徴5. 周囲にすぐ「完璧な人」アピールをしようとする

プライドが高いため、低評価を受けるはずがないと自負し、自分がいつも正しいと思いたいタイプの人がいます。このような見栄や虚勢を張るタイプに多いのが、周囲に「完璧」アピールをする人です。

自分の完璧さの邪魔になる失敗は責任転嫁して、自分は無関係であることをアピール。絶対にミスなどしない自分でいることが優先なのです。


どうして責任転嫁するのか、主な原因を紹介!

心理や性格などにもよりますが、責任転嫁するようになるには何らかの原因があったはずです。ここでは、周囲に責任転嫁する人のその行動の原因を3つご紹介します。

なぜ責任転嫁してしまうのかを知った上で、上手に対処していきましょう。


責任転嫁する原因1. 自分は失敗しない人だと周りに思われたいから

見えっ張りでプライドが高い人が責任転嫁するのは、「自分は失敗しない人だと思われたい」のが原因であることが多いようです。

仕事に限らず、全てのおいてプライドの高さや見栄っ張りなところが見え隠れするので、意外と対処しやすいとも言えます。

プライドが傷つくような何らかのきっかけ1つで、たちまち虚勢を張らなくなる可能性が大きいのもこのタイプです。

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責任転嫁する原因2. 周りの誰かが解決してくれると思っているため

平和主義で、トラブルに巻き込まれたくないと思っている人が責任転嫁するのは、誰かが解決してくれると思っているからです。周りの人に苦労をかけようとも「自分だけは平和に穏やかに過ごしていたい」と考えています。

普段から小さなことでも周囲に依存していることが多いタイプなので、甘やかさないことが必要。責任転嫁させない環境を作っていかなければなりません。


責任転嫁する原因3. 自己愛が強く、自分がよければいいと考えている

責任転嫁してしまう人は周囲と合わせることが苦手なタイプで自己愛が強く、自分が快適にいられることが最優先です。自分さえよければ、責任を押し付けてもいいと思っているため、自分の失敗を責任転嫁します。

責任転嫁することで他の人が困っていることをしっかり理解してもらいましょう。会話が成り立つ身近な人が教えてあげる必要があります。

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すぐに責任転嫁する人への上手な対処法や接し方

責任転嫁する人がいたら、周囲の人もだまって従うのではなく、正しく対応をする必要があります。

続いては、すぐに責任転嫁する人に対する対処法や接し方を、具体的に4つご紹介します。実際に困っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。


対処法1. 日頃から証拠やログを残しておく

責任転嫁する人は平気で嘘をつくため、日頃から証拠を残しておくことが大切です。証拠があれば、嘘を指摘することも簡単。揚げ足をとるようであまり気持ちのいいものではありませんが、責任転嫁が目に余るようなら仕方ありません。

職場の人間関係を良好に保つための対策として、日頃から気づいたら記録を残すようにしましょう。


対処法2. 距離感を保つ

責任転嫁するタイプの人が身近にいる場合、その人と距離感が近すぎて甘えられやすいことで、責任転嫁されるきっかけを作ってしまっている場合があります。

責任転嫁されないためには、距離を置くのも1つの方法。適度な距離感を保てば、簡単に責任転嫁しにくくなります。

本人の心理や性格は変えられなくても、責任転嫁が不可能な環境を周囲が整えることで対処。その環境づくりとして、まずは距離を置くようにしましょう。


対処法3. 定期的に責任の所在を明確にしておく

責任がどこにあるのか常に把握しておくのも効果的。責任転嫁する人は、責任の所在がはっきりしないところをうまく利用しているのです。

普段からしっかり業務を分担して責任者を決めておけば、責任転嫁も不可能になります。業務の進捗管理などにも役立ちますので、責任転嫁対策としてだけでなく意識するべきポイントです。


対処法4. 責任転嫁をされた場合、はっきり「違う」と言い返す

責任転嫁を受け入れてしまうと自分の責任に勘違いされてしまいます。間違っている場合は「違う」とはっきり述べることが大切。責任転嫁する人は甘えの心理があるので、その甘えは通用しないことをわかってもらう必要があります。

また、甘えだけでなく、プライドが高いタイプにも同様。周囲を味方につけて正しい主張をすることが効果的な場合があります。


反対に、自分がすぐ責任逃れしてしまう性格を改善する方法

実は自分自身が責任から逃れたいために責任転嫁してしまうタイプである、という人も少なからずいるでしょう。自覚がある場合は、その行動を改善したいものです。

最後に、自分の責任転嫁する癖を直したい人へ、改善して克服する方法を3つご紹介します。


改善法1. 間違ってもいいので自己主張する習慣をつける

間違ったら謝って改善すればいいだけです。間違うことを恐れずに、失敗の原因や対策を冷静に分析し、相手に伝えられるようにしましょう。

全くの無感情になる必要はありませんが、仕事のうえでは冷静沈着な姿勢が必要。主張することが性格的に難しいと感じる人も、まずは失敗を分析する習慣を身につけることから始めてみましょう。


改善法2. 自分の意見や考えに対して自信を持つ

自分の考えに自信があれば周りにも堂々と公言できるため、自信をもって伝えられる意見を持つことは必要です。

あまり物事を深く考えない人やめんどくさがり屋の人は、自分の意見を持たない人も多いのが特徴。責任感があることは仕事上で重要なポイントです。

他人に責任転嫁したくならないように、自分の考えに自信を持つように意識してみましょう。


改善法3. 失敗をした時は言い訳をせず、素直に非を認める

誰にでも失敗はあるため、失敗をした時はすぐ認めて速やかに対策を練るのが賢明です。また、言い訳をするより、素直に認めたほうが潔い印象を抱いてもらえます。

責任転嫁したくならないために、まずは素直に非を認めてしまいましょう。そして、その気分を引きずることなく、すぐに対策を練るほうに脳をシフト。

やるべきことを着実に進めるという基本原則に戻って仕事を進めるようにしましょう。


責任転嫁する人に巻き込まれないようにしてくださいね。

責任転嫁する人には、その行動をとる原因があり、そこに性格や隠れた心理も関係しています。

それでも、責任転嫁される側にしてみれば大変不快なもので、人間関係に問題が生じることにもなりかねません。

周りに思い当たる人がいる人は、ぜひ対処法を実践してみてください。自分の責任転嫁の癖を改善したいという人も、小さなことから1つずつ克服へ向けて努力してみてくださいね。


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