"お願い申し上げます"の使い方。例文&言い換え類語も|ビジネス敬語ガイド
「お願い申し上げます」の意味とは?
「お願い申し上げます」とは、「目上の人に対して相手に敬意を示しながらお願いする」といった意味が込められており、仕事で相手に「頼む」または「依頼する」ときなどにも使える表現です。
この言葉を3つに分けて見てみると、「お願い」という言葉に、謙譲語である「申す」と丁寧な表現の補助動詞「上げる」、そしてさらに丁寧語の「ます」が使われています。
目上の人にメールを返してほしいときは、「ご返事くださいますよう、お願い申し上げます」といった使い方ができます。
「お願い申し上げます」は目上の人に使っても大丈夫なのか?
「お願い申し上げます」は、ビジネスシーンではもちろん、年賀状や手紙など日常会話でもよく目にする敬語です。言葉の通り、人に何かを頼む時に多く用いられます。
「お願い」という言葉には相手への敬意が含まれているので、目上の人でも身近な相手に対しては使用することができますが、親しくない相手だと命令口調に感じられますよ。
「お願い申し上げます」は、「お願い」だけではなく、謙譲語の「申す」や敬意を示す補助動詞「上げる」、丁寧語の「ませ」がくっついているとても丁寧な敬語ですので、上司や目上の人に対しても使っても失礼ではない敬語表現になります。
お願い申し上げますの使い方|定番フレーズの例文
「お願い申し上げます」が使われる定番のフレーズは、大きく分けて7つ。
どのフレーズも、目上の人に使われる定番の例文になります。
- 何卒〜お願い申し上げます
- ご査収のほど、〜お願い申し上げます
- 〜いただきたく、〜お願い申し上げます
- 併せて、〜お願い申し上げます
- いただきますよう、〜お願い申し上げます
- 重ねて、〜お願い申し上げます
- 〜賜りますよう、〜お願い申し上げます
各例文の使い方をこの機会にチェックしていきましょう。
お願い申し上げますの使い方① 何卒〜お願い申し上げます
「お願い申し上げます」の使い方として多いのが、「何卒~」を付けた敬語表現です。
「何卒」という言葉は、相手に強く願う気持ちを表しており、「ぜひとも」や「どうぞ」、「なんとか」「どうか」などと言い換えられます。
「何卒」と「お願い申し上げます。」を組み合わせた敬語は、年賀状や手紙などでもよく使われます。そのままつなげて「何卒お願い申し上げます」という表現も使えますが、「何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。」と動詞を組み合わせて使う事で、よりシーンに合わせた使い方ができますよ。
「何卒〜お願い申し上げます」の例文
- 本年もご指導賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。(年賀状)
- お忙しいところ誠に恐縮ですが、○○の件、何卒ご確認くださいますようお願い申し上げます。
- 何卒お返事くださいますよう、お願い申し上げます。
【「例文」で使われている敬語】
・「恐縮ですが」の意味とは?使い方から例文まで分かりやすく解説します
・「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方|例文から言い換えできる類語までご紹介!
・「ご確認ください」の使い方|目上にも使える丁寧な例文まで解説
お願い申し上げますの使い方② ご査収のほど、〜お願い申し上げます
「査収(ごさしゅう)」の「査」という感じには、「調べる」「確認する」という意味があり、「収」という漢字には「受け取る」「おさめる」という意味があります。
「査収」とは、金品や書類などをよく確認した上で受け取ることを意味しており、この言葉に尊敬語の「お」を付けることで丁寧な表現になります。
「ご査収のほど、」と「お願い申し上げます。」を組み合わせた敬語は、書類やデータなどを相手に確認してほしいときに使える表現です。
「ご査収のほど、〜お願い申し上げます」の例文
- ご依頼いただきました見積書を発送いたしましたので、ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 見積書を送付いたしましたので、ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
- ファイルを添付しておりますので、ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
【「例文」で使われている敬語】
・「ご査収の程」の意味/使い方|目上にも使える丁寧な例文とは
・「ご査収」の使い方ガイド。意味から例文まで詳しく解説します
・「ご依頼」の正しい使い方|取引先に使える丁寧なメール例文まで徹底解説
お願い申し上げますの使い方③ 〜いただきたく、〜お願い申し上げます
「~いただきたく」とは「~してもらいたい」の敬語で、目上の人に対して何かを頼むときやお願いがあるときなどによく使われます。
「いただく」は、「もらう」の謙譲語ですので、自分をへりくだって相手に敬意を示す敬語表現です。この「~いただきたく」と「お願い申し上げます。」を組み合わせると、より丁寧な敬語になります。
例文にもあるように、相手に連絡してもらいたいときに「ご連絡していただきたくお願い申し上げます。」といった使い方ができます。
「〜いただきたく、〜お願い申し上げます」の例文
- カタログをご確認いただきたく、お願い申し上げます。
- 予定を15日に変更していただきたく、お願い申し上げます。
- 至急、お返事をいただきたくお願い申し上げます。
お願い申し上げますの使い方④ 併せて、〜お願い申し上げます
「併せて」という言葉には、「全部で」、「総計して」、「それとともに」「同時に」などの意味があり、シチュエーションによって使い分けられますよ。
「併せて」と「お願い申し上げます。」を組み合わせるて、「また、◯◯についての書類作成も、併せてお願い申し上げます。」という使い方ができます。
「併せて」と間違いやすい言葉に「合わせて」がありますが、「合わせて」は2つ以上のものをくっつけることを意味します。例としては、「力を合わせる」などが挙げられます。
「併せて、〜お願い申し上げます」の例文
- 先日の資料の送付をお願いします。併せて、見積書のご確認をお願い申し上げます。
- 〇〇様の30日のスケジュール確認をお願いします。また、〇〇様のスケジュールのご確認も、併せてお願い申し上げます。
- 10日までに納品をお願いします。また、◯◯についての書類作成も、併せてお願い申し上げます。
お願い申し上げますの使い方⑤ 〜いただきますよう、〜お願い申し上げます
「~いただきますよう、~お願い申し上げます」という敬語は、ビジネス文書やメールなどでもよく使われています。
この言葉は、「ご連絡頂きますようお願い申し上げます。」という例文のように、「誰かに何かを頼むとき」や「お願いがあるとき」などに使います。
「~いただきますよう、」の「いただく」は、「もらう」の謙譲語なので相手へ敬意を示す表現なので、上司や取引先の人、ビジネスパートナーなど目上の人に対しても使用できますよ。
「〜いただきますよう、〜お願い申し上げます」の例文
- 〇〇までご連絡頂きますようお願い申し上げます。
- 先日お伝えした資料をご確認いただきますようお願い申し上げます。
- お忙しいところ大変恐縮ではございますが、○○の書類を送付していただきますようお願い申し上げます。
お願い申し上げますの使い方⑥ 重ねて、〜お願い申し上げます
「重ねて、~お願い申し上げます。」は、メールや文書などビジネスシーンで多く目にする敬語です。
「重ねて」とは、「同じことを繰り返す」や「もう一度」、「再び」という意味で、同じことを再び行うことを表すときに使います。「重ねてお願い申し上げます。」は、同じ依頼を念入りに繰り返しすことを意味します。
例えば、約束した日を過ぎても相手から返事がもらえないときや期限を過ぎたのに納品してもらえないときなどに使うのが一般的です。
「重ねて、〜お願い申し上げます。」の例文
- 先日お伝えした○○の件、重ねてお願い申し上げます。
- 11日までに納品をお願いしていた〇〇の件ですが、期限を過ぎていますので、ご連絡いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
- 〇〇の資料の送付をお願いいたします。また、〇〇の件も重ねてお願い申し上げます。
お願い申し上げますの使い方⑦ 〜賜りますよう、〜お願い申し上げます
ビジネスシーンでもよく使われている「賜りますよう、~お願い申し上げます」という敬語は、「賜る」は、「もらう」の謙譲語であり、「与える」の尊敬語でもあります。
謙譲語として使用する場合は、「目上の人から何かをいただく、もしくは頂戴する」といった意味になり、尊敬語として使用する場合は「目上の人が何かをくださる」という意味になります。
例文にもあるように、資料を確認してほしい時や何かを許してほしいときなどに「お願い申し上げます」と組み合わせて使えますよ。
「〜賜りますよう、〜お願い申し上げます」の例文
- 資料を同封しておりますので、ご高覧賜りますようお願いいたします
- 本年も相変わらずご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。(年賀状、手紙)
- お客様には大変ご不便をお掛け致しますが、何卒ご容赦を賜りますようお願い申し上げます。
【「例文」で使われている敬語】
・「賜る」の使い方|例文を使って分かりやすく解説します
・「ご愛顧」の意味とは?例文から言い換えできる類語まで簡単にご紹介!
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