"ご確認ください"は目上に使える?例文&言い換え類語|ビジネス敬語ガイド

長谷川大輔 2022.01.05
書類などを送った際に使う敬語、ご確認ください。ビジネスシーンで使われる敬語ですが、上司や取引先など目上の人に使っても良いのか?今回は、「ご確認くださいは正しい敬語なのか?」という基礎知識から、例文、より丁寧な言い換え敬語、類語まで徹底解説します!

「ご確認ください」は、正しい敬語表現なのか?

ご覧くださいの類語③ご確認くださいの意味とは

「ご確認ください」は、「確認」に尊敬語の「ご~ください」をつけた敬語で、文法的に正しい敬語になります

詳しく説明するなら、「確認」に丁寧語の「ご」をつけ、目下の者に何かを及ぼす行為を依頼する「くださる」を使っているため、敬語としてふさわしい用法です。

「ご確認ください」は打ち合わせや契約など、ビジネスで確認が必要な場面において、会話やメール等の文書でよく使われています

「ご確認ください」は尊敬語のため、顧客や上司などの目上の人に対して確認や承認を求めるときに使いましょう。確認作業はビジネスでよく発生する手順のため、類語も各種存在します。


「ご確認してください」は使っちゃいけないNG文

人に何かを頼むときに「~してください」といいますが、それに引きずられて、丁寧語の「ご」をつけて「ご確認してください」というのは間違いです

「ご~してください」という敬語の用法はなく、「ご~ください」というのが正しい敬語になります。「~する」という動詞、例えば「利用する」という動詞も「ご利用ください」が正しく、「ご利用してください」は誤りです。

ビジネス用語の誤りは、慣れない新社会人が無意識に起こしやすい誤りで、子どもっぽく感じられることがあります。アルバイトや社会人経験の少ない方は気をつけましょう。


「ご確認ください」の使い方・例文とは

ご確認くださいの使い方
  • 次の会議の議題について変更がありました。取り急ぎご確認ください。
  • 詳細についてはメールの添付ファイルにてご確認ください。
  • お客様各位 緊急避難経路については配布の小冊子で各自ご確認ください。
  • 誤った手順による操作により、故障が発生する場合がありますので、手順については今一度ご確認ください。
  • 報告書を提出しますので、ご確認ください。
  • お配りした資料の21ページに詳細を載せておりますので、どうぞご確認ください。

「ご確認ください」は、上司など目上の人に対して個別に確認を依頼するほか、不特定多数の人々に対して確認してもらうようお願いするときにも使います

この場合、社内の部下など目下の者が含まれていても、「ご確認ください」と使ってかまいません。「ご確認ください」は平易で誰にでもわかりやすい便利な語で、直接口頭で伝えたり、メール等の文書でも使えます。


「ご確認ください」は、目上には失礼な表現?

ご確認くださいは、目上の人に使える敬語なのか

「ご確認ください」は尊敬語なので、上司など目上の人に対して使っても全く問題のない語です

しかし、社会に出た経験がない人や、ビジネス経験の浅い若年者のなかには、丁寧語の「~してください」の印象を強く受ける人がいます。学校の集会やホームルーム等で「ご確認ください」と言われていた経験から、実質的に「確認しておきなさい」という命令の意味にとらえる人もいたでしょう

そのため、社会経験の少ない人には「ご確認ください」が失礼な言い方だと感じられることもあります。特にサービス業では多様な顧客に応対する必要があり、個別に直接伝える場合は、別の敬語表現に置き換えるのも得策です。


目上にも使える「ご確認ください」の言い換え表現

ご確認くださいの言い換えできる類語

「ご確認ください」は目上の人に使うのは、強制している印象を与えてしまうため、やや失礼に当たります。

ここからは、上司や取引先など目上の人に対して「ご確認ください」と伝えられる言い換え敬語を解説

  • ご確認くださいませ
  • ご確認くださいますよう、〜お願い申し上げます
  • ご確認のほど、〜お願いいたします
  • ご確認なさってください

各言い換え表現の使い方、例文まで確認していきましょう


言い換え敬語① ご確認くださいませ

ご確認くださいませの使い方

「ご確認くださいませ」は、「ご確認ください」をもっと丁寧にした表現です。

「ませ」は「ください」などの尊敬語につけて、相手に何らかの行為を丁寧に要求するときに使用します。

「ませ」は敬語の一種の丁寧語にあたり、敬意を相手に表すかしこまった使い方です。しかし、「ませ」は一般的によく使われる助動詞の「ます」の活用形になるため、簡素な印象を持つ人もおり、ビジネスの場ではもっと改まった語を好ましいとする人もいます。


「ご確認くださいませ」の例文

  • 詳細につきましては、お手元の資料にまとめておりますので、お手すきの際にご確認くださいませ。
  • ご不明点がございましたら、何なりと私どもにご確認くださいませ。
  • ご来店前には、電話にて在庫の有無を事前にご確認くださいませ。
  • 商品が届きましたら、セット品の欠けがないかご確認くださいませ。

「ご確認くださいませ」は、語感から女性的な柔らかい印象を与えられますが、女性だけでなく男性が使っても問題ありません

語感の柔らかさからサービス業など多くの顧客に対応する業務で使われる傾向が高く、顧客の確認後のサポートやフォローといった気づかいを伝えるのに最適な語といえるでしょう。もちろん、サービス業だけでなくビジネス一般で使えます。

【「例文」で使われている敬語】
「お手すきの際に」の使い方のマナーって?例文付きで解説します!


言い換え敬語② ご確認くださいますよう、〜お願い申し上げます

ご確認くださいの言い換え表現

「ご確認くださいますよう、〜お願い申し上げます」は「ご確認ください」を最上級に丁寧にした表現です。

「ご確認ください」に、さらに「お願い」「申し上げる」と丁寧な言葉をたたみかけています。しかし、場合によっては少し失礼だと感じる人もいるようです。

通常の確認をお願いするときに使うこともありますが、イレギュラー対応で特別にお願いするときに使うこともあるため、多用するのはあまりおすすめしません。メールや文書などの締めに使われることも多いです。


「ご確認くださいますよう、〜お願い申し上げます」の例文

  • ご確認くださいますよう、お願い申し上げます。
  • ご確認くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
  • お手数おかけしますが、ご確認くださいますよう、何卒お願い申し上げます。
  • 先日お伝えした件、再度ご確認くださいますよう、重ねてお願い申し上げます。

これらの例文は会話で直接相手に使うより、メールなどの文書で使われる場合が多く、相手に念を押すために締めの文面として用いられることもあります

「お願い申し上げる」という通り、非常に丁寧に、確認の履行を相手に求める言い方です。こういった文面を使うのは、非常に改まった場面が多いということを覚えておくといいでしょう。

【「例文」で使われている敬語】
「お願い申し上げます」を使った丁寧な例文とは?使い方から類語までご紹介!

「お手数おかけしますが」の意味/使い方を分かりやすく解説します


言い換え敬語③ ご確認のほど、〜お願いいたします

ご確認くださいの丁寧な言い換え表現

「ご確認のほど、〜お願いいたします」は「ご確認ください」を丁寧にした表現で、洗練されたフレーズといえます。ここで使われている「ほど」は、断定を避け柔らかい印象にする役割を持った語です。

相手に確認を履行するよう要求しながらも、「ご確認ください」のように単刀直入に伝えるのではなく、「ほど」や「~お願いいたします」のようなクッション言葉をつけています。

そのため、耳障りがよく、幅広いシチュエーションで使える便利なフレーズです。メールなどの比較的短い文章で締めの言葉として使われることがあります。


「ご確認のほど、〜お願いいたします」の例文

  • ご確認のほど、お願いいたします。
  • 詳細については、メールにてお送りしています文書をご確認のほど、よろしくお願いいたします。
  • お忙しいところ大変恐縮ですが、ご確認のほど、何卒お願いいたします。
  • 先日の件につき、再度ご確認のほど、重ねてお願いいたします。

「ご確認のほど、〜お願いいたします」は上司など目上の人に、相手の確認を求める依頼文として最上級に丁寧な表現です

改まった場で口頭で述べたり、メール等の文章としても使えます。相手に念を押すために、メール等の文書の最後の締めに使って印象づけるのもいいでしょう。

「お願いいたします」の前に置く語はたいてい決まっているので、例文を参考にしてください。

【「例文」で使われている敬語】
「よろしくお願いいたします」の正しい使い方を例文付きで分かりやすく徹底解説!

「恐縮ですが」の使い方|言い換えできる類語まで詳しく解説します


言い換え敬語④ ご確認なさってください

ご確認なさってくださいの意味

「確認してください」の尊敬語が「ご確認なさってください」です

「~なさる」は相手の行為について敬意を表す敬語で、「~ください」という命令形で使われることはそれほど多くはありません。類語の「ご確認ください」の言い換えとして使い勝手はあまりよくないため、「ご確認のほど、〜お願いいたします」や別の表現を使ったほうがよいでしょう。

「~してください」の言い方によっては、ぶっきらぼうな印象を与えることもあるので、使う際は話し方にも気をつけましょう。


「ご確認なさってください」の例文

  • ~については、添付データをご確認なさってください。
  • 差し上げた商品サンプルは包装されておりますが、後で自由にご確認なさってください。
  • 奥には地元の作家による素敵な作品もありますが、ご自身でご確認なさってください。
  • 必要なアメニティは用意されていますので、お部屋についたらご確認なさってください。

「ご確認なさってください」は敬語表現といえど、「~ください」と相手に直接要求する表現のため、どうしても強い印象を持たれがちです

使い方の例文として、確認するかどうかを相手の裁量にゆだねるかたちにしたり、話者がいる場では確認しにくいものを相手に確認してもらいたい場面を想定しました。会話だけなく文章語としても使える語ですが、いずれにせよ、相手に配慮しつつ使うのが適切です。


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