広背筋上部に効果的な筋トレ。背中を鍛えるトレーニングメニューとは?
広背筋上部とは、どんな働きをする筋肉なの?
広背筋は脇の下から腰にかけて逆三角形上に広がる大きな筋肉。広背筋は上部・下部に分けられ、上部は脇の下から背骨の真ん中まで広がります。
広背筋は、腕を閉じたり、後ろに上げたり、もしくは引っ張ったりするときに使われる筋肉です。したがって広背筋を鍛えることで、運動パフォーマンスや日常動作が向上します。
中でも広背筋上部を鍛えるメリットは、広がりのある背中を作れることでしょう。広背筋上部が筋トレで大きくなると、逆三角形の背中の土台ができるのです。
広背筋上部を鍛えるコツは、脇を閉じるイメージで筋トレを行う
広背筋上部は、腕を上や前から引き寄せる動きで鍛えられます。簡単に言えば、脇を閉じる動きで広背筋上部を刺激できるのです。
分かりやすい例が懸垂でしょう。腕を伸ばしたままバーをつかみ、脇を閉じるように体を持ち上げます。脇をしっかりと閉じることで、広背筋上部が収縮するのです。広背筋上部もまた、中央と側部に分けられます。中央は狭い手幅で、側部は広い手幅で脇を閉じると刺激されるのです。
広がりのある背中を作りたいなら、手幅を広くして、広背筋上側部を鍛えるようにしましょう。
広背筋上部の効果的な筋トレメニュー|背中中部を鍛えるトレーニングとは*?
広背筋上部は正しいフォームで行わなければ、効果に期待できません。
そこでここからは、初心者でも簡単に行えて効果の高い広背筋上部の筋トレメニューを紹介します。
正しいフォームやコツも解説するので、ぜひ参考にしてください。
効果:★★☆|懸垂(チンニング)
自重で広背筋上部を鍛えたいのなら、懸垂は外せません。懸垂は広背筋上部や僧帽筋、上腕二頭筋などを鍛えられます。中でも、広がりのある背中には欠かせない広背筋上側部に効果的。
懸垂は顔をバーよりも上げるのが大切と思われがちですが、広背筋トレーニングではその必要はありません。重要なのは背中を少しそって、胸をバーにつけるようにすることです。そうすることで、広背筋が完全収縮されます。
グリップは幅を大きくとった状態で行う「ワイドグリップ」がおすすめですよ。
トレーニングの正しいやり方
- 手幅は肩幅よりも広めにしてバーを握る
- 浮かした両足は後ろで組む
- 肩甲骨を寄せるように、上体をバーに近づける
- そのさい背中は少し後ろにそらす意識で行う
- 胸がバーに近づいたところで息を吐ききり、広背筋を完全収縮させる
- 負荷を感じながら、ゆっくりと上体を下げる
- これを数回繰り返す
懸垂の目安は8~10回×3セットです。負荷の高い筋トレなので、インターバルは90秒ほど取りましょう。
【参考記事】懸垂のコツはこちらをチェック▽
効果:★★★|ラットプルダウン
ラットプルダウンは広背筋上部を鍛える王道の筋トレメニュー。バーやケーブルを上から下げる動作で、広背筋上部を刺激できます。
ラットプルダウンを広背筋上部に効かせるには、肩幅よりも広い位置でバーを握ること。狭く握ってしまうと広背筋下部に効いてしまいます。
また、動作を行うときに肩を上げてしまうと刺激が僧帽筋に逃げてしまうので、胸を張ってバーを胸に当てるように行いましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 手幅を肩幅の1.5倍ほどにしてバーを握る
- 骨盤を立てて座る
- 視線を少し上に向けて、胸を張りながらバーを引く
- バーを下ろしながら、少し背中を後ろにそらす
- バーを胸に当たるまで引いたら、肩甲骨をぐっと寄せる
- バーの負荷を感じながら5秒ほどかけてゆっくりと元の位置に戻す
ラットプルダウンの目安は10回×3セットとなります。チューブで行う場合は、回数を15回ほどに増やすのもおすすめです。
【参考記事】ラットプルダウンのコツはこちらをチェック▽
効果:★★★|ワンハンドプルダウン
ワンハンドプルダウンとは、片手で行うラットプルダウンのこと。片手で行うことで、可動域がぐっと広がるため、広背筋を最大収縮させられます。
ワンハンドプルダウンは横向きにラットプルダウンマシンに座り、大円を描くように片手でバーを引くだけ。トレーニングのコツは肘が体の後ろを通るようにすること。肘が前を通ると広背筋の収縮率が下がってしまうので、肘を骨盤に近づけるイメージで行うようにしましょう。
強度は高いですが、その分大きな効果に期待できるので、中上級者は積極的に取り組むといいですよ。
トレーニングの正しいやり方
- ラットプルダウンマシンに横向きで、浅く腰をかける
- 片手でバーをつかむ
- 大円を描くようにバーを引く
- このとき肘が体の後ろ側を通るように意識する
- 肘を骨盤近くまで下げたら、呼吸を吐ききり、広背筋を最大収縮させる
- バーの負荷を感じながら、ゆっくりと腕を伸ばす
- 反対の広背筋も同様の手順で鍛える
ワンハンドプルダウンの目安は、左右12回×3セットです。セットをこなすたびに、2回ずつ回数を減らすといいでしょう。
効果:★★★|ベントオーバーロー
ベントオーバーロウは、上体を傾けた状態のまま、バーベルを持ち上げるトレーニング。広背筋上部と僧帽筋を鍛えることができますよ。
ベントオーバーロウのコツは、視線を少し上に向けること。背中が曲がると、刺激が逃げてしまいます。それを防ぐため、視線を上に向け、胸を張りながら行うのが重要です。
バーベルだと重すぎる方は、ダンベルやチューブを使って慣らしていきましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 足を肩幅に開く
- お尻を突き出すように、背筋を真っすぐにしたまま、上体を倒す
- バーベルを肩幅の広さで掴み、膝の高さまで持ち上げる
- 胸を張り視線を上に向けて、バーベルを引き上げる
- 肩甲骨を寄せるイメージで、バーベルは引く
- バーベルが太ももの上を通る軌道で膝の位置まで戻す
ベントオーバーローの目安は、8~10回×3セットです。2セット目以降は重量を変えずに、回数を減らすようにしましょう。
【参考記事】ベントオーバーローイングのコツはこちらをチェック▽
効果:★★★|ワイドグリップベントオーバーロー
その名の通り、肩幅よりも1.5倍から2倍手を広げて行うベントオーバーロウです。ワイドグリップにすることで、広背筋上部に集中的に効かせられます。
基本の流れは、ベントオーバーロウと同じです。しかし、上体の傾き加減には注意してください。通常のベントオーバーロウは上体を起こし気味にするのに対し、ワイドグリップでは上体を伏せ気味にします。
上体が伏せ気味になると、背中が曲がってしまいますが、背中が丸くなると広背筋に効かせられなくなるので気をつけましょう。
トレーニングの正しいやり方
- 足を肩幅に開き、上体を傾ける
- 手を肩幅の1.5倍ほどに開いてバーベルをつかむ
- バーベルを膝の高さまで持ち上げる
- 背中を真っすぐにしながら上体を深く曲げる
- 肩甲骨を寄せるようにバーベルを引く
- 肩甲骨をぐっと寄せて広背筋を完全収縮させる
- 広背筋に負荷をかけながらゆっくりと元に戻る
ワイドグリップベントオーバーロウの目安は、8~10回×3セットです。インターバルは十分にとって、高負荷で追い込みましょう。
効果:★☆☆|ケーブルクロスオーバー
ケーブルクロスオーバーは、立ったまま上体を前傾させバーを引く筋トレです。トレーニングの仕上げとして行われることの多い広背筋上部のメニュー。
ケーブルクロスオーバーのコツは、肘を曲げないこと。肘を曲げると、刺激が大胸筋へ逃げてしまいます。肘を伸ばしたまま腰あたりまで引くことで、広背筋に効かせながらトレーニングできますよ。
また動作肘は、顔を下に向けたまま行うと広背筋上部を意識して鍛えることができます。
トレーニングの正しいやり方
- 両足をそろえて立つ
- ケーブルをつかみ、上体を前傾させる
- その際、背中が曲がらないように注意する
- 広背筋の収縮を意識しながら、ケーブルをゆっくりと引く
- 最大限まで引いたところで、2秒ほど静止
- ケーブルの負荷に耐えながら、ゆっくりとした動作で元の位置に戻す
- これを数回繰り返す
ケーブルクロスオーバーの目安は、15回×3セットです。低重量で高回数こなすことで、広背筋をしっかりと追い込めます。
【参考記事】ケーブルクロスオーバーのコツはこちらをチェック▽
広背筋上部を鍛え上げて逆三角形をつくりあげよう
広がりのある背中を作るのなら、広背筋上部の筋トレは欠かせません。引く動作の中でも、広背筋上部はワイドグリップで脇を閉じるような動作をすることで刺激できます。
ただし、バランスのとれた逆三角形やくびれのある体形を作るのなら、広背筋下部の筋トレも必須です。
今回は広背筋上部のおすすめ筋トレも紹介しました。ぜひフォームやコツを参考にして、広くて厚みのある背中を作ってください。
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