お酒を全く飲めないホストは、なぜ売上2,200万円の“超モテるホスト”になれたのか?
きらびやかな空間に足を運ぶ女性たち。ひとりのオトコのために、今宵も札束が舞うーー。
ホストの仕事は、女性を魅了すること。限られた時間のなかで、また会いに来てもらえるように女性の心を惹きつけます。そんな“モテ”を職業にしているホストだからこそ、独自のモテ術をもっているはず。
そこでSmartlogでは、歌舞伎町のカリスマホストにインタビュー。そこで飛び出したホストたちの「モテ論」を、全5回の連載でお届けします。
※本インタビューは2019年12月に実施しました
第4回目の今回は、歌舞伎町のホストクラブ『CLUB ART』の代表取締役 春人さん。月2,200万円以上を売り上げるNo.1ホストの実力を知れると思ったら、まさかのお酒を一滴も飲めない人……⁉︎
【春人(はると)】人気ホストグループ AIR GROUPの『CLUB ART(アート)』代表取締役。昨年の最高月間売上は驚異の2,200万円。王子様オーラを放つ甘いマスクでありながら、趣味はアニメというギャップの持ち主。
飲めないホストのコミュニケーション術。気遣いで落とす「耳元戦法」
かしみん
春人さんはグループ全体でもトップクラスの売上だと聞きました。今日はお酒の場での盛り上げ方とかモテ方とかを教えてもらえたらなと。
春人さん
あ、僕お酒が飲めないんですよ。本当に一滴も飲めないので、いつもノンアルドリンクです。
まさかのお酒が飲めないだと……⁉︎
かしみん
なんと、お酒NG! 失礼ですが、ホストという仕事は、飲めてこそ成立するものだと思っていました。
春人さん
飲めないからって「指名が取れない」「モテない」ってわけじゃないですよ! シラフで接客するうちに、下戸ホストだからこそのコミュニケーション術があることに気づいたんです。
まあ、飲めるに越したことはないし、僕もお酒を飲める体質に生まれたかった……とは思います。最初は、お酒を飲まずに大きな売上をあげられるなんて、夢にも思わなかったし。
かしみん
実際に春人さんは、1カ月に2,200万円も売り上げてますもんね。お酒を飲まず、どのようにNo.1ホストに上り詰めたんですか?
春人さん
アルコールが入ってないからこその、丁寧な気遣いじゃないですかね。
お酒が入ると陽気になって、一人ひとりと話すよりも、みんなでワイワイと盛り上がるようになります。そのみんなで盛り上がっているタイミングに、女の子と一対一で向き合えるか、がポイントです。
盛り上がってる中で春人さんとこっそり向き合う……想像しただけでキュンです……
かしみん
一対一で向き合う、ですか。
春人さん
例えば、女の子がテキーラを飲んだら。お酒が入っているその場では、「いい飲みっぷり〜!」と空気がヒートアップしますよね。
そんなとき、耳元戦法を使うんです。こっそりと唇を耳元に近づけて「飲みすぎてない? 大丈夫?」と話しかけて、女の子の体調を気遣う。
かしみん
たしかに、その気遣いはヤバイ。周りが盛り上がるなかで、小声で「大丈夫?」と囁かれたらキュンとしちゃいます。
春人さん
でしょ? そして、さらなる心くばりで畳み掛ける。女の子が酔っているようすだったら、そっとお水を差し出したり、ノンアルコールのドリンクに差し替えたりね。
女の子を観察して、すぐに気の利いたフォローができるのは、酔ってないからこそです。
お酒を飲めないからこその武器……!
かしみん
盛り上げるのはお酒が飲めるホストさんに任せて、春人さんは細かな気遣いをするサポート役になるってことですね。
春人さん
ん〜。気遣うのはマストなんですが、シラフだからといってサポート役だけに徹するのは違うかもしれません。
かしみん
どういうことですか?
春人さん
「僕、飲めないんで」って言い訳して、場を盛り上げないのはダメ。コールが始まるときに、席に座ったままでいるなんてもってのほかです。お酒が入っているホストと同じテンションで、その場を盛り上げて、女の子に楽しんでもらわなきゃ。
「場を盛り上げて、女の子に楽しんでもらう」
春人さん
お酒を飲んでなくても、コールのときは誰よりも張り切って、誰よりも大きな声を出すようにしてます。
その場を誰よりも盛り上げながら、女の子への細かな気遣いを忘れない。これが、下戸ホストが築いてきた、コミュニケーションの取り方です。
「つべこべ言わず、目の前の相手を本気で知ろうとする。」2,200万円プレイヤーの会話テク
かしみん
春人さんの話を聞いていると、下戸はマイナスポイントではなく、プラスなんだと思えてきます。春人さん流のコミュニケーション術、もっと知りたいです。
春人さん
コミュニケーション術か……例えば、会話を盛り上げたいなら、話を自分の得意な領域に持っていくのは必須です。
かしみん
どうやって得意な領域に持っていくんですか?
春人さん
持っていきたい話題を連想させるワードを、わざと会話のなかに盛り込んでます。身長の話に持っていきたければ、女の子に「何センチのヒール履いてるの?」って聞くとか。
さすがNo.1ホスト。話の展開が巧妙すぎるッ!
かしみん
女の子が話しやすい話題を切り口にして、自分のフィールドに持ち込んでるんですね。
春人さん
僕だったら、スキンケアもメイクも好きだし、美容系の話が得意です。だから、女の子に「そのメイクかわいいね! ◯◯ちゃん、美意識高そう」という感じで話しかけるようにしていて。そしたら、「春人くんも美意識高そうじゃん!」と返してくれるんです。
そうして一旦美容の話になったら、こっちのもの。得意分野だからどんどん話を広げられます。
たしかに春人さんめちゃめちゃ美しいです。毛穴どこにあるのよ。
かしみん
美容がテーマだったら、積極的に話してくれる女性が多そうです! ただ、女性の関心ごとに関心がない男性も多いと思っていて……その場合、どんな話をすれば盛り上がると思いますか?
春人さん
女性を褒めることがイチバンだと思います。
会うのが2回目以降だったら、女性の細かな変化に気付いてちゃんと言うこと。ネイルを変えてたり、髪を切ったり。髪色を変えたことは、生え際を見たらすぐにわかるじゃないですか。
かしみん
普通に過ごしていると、なかなか気付けない男性もけっこういそうです。女性を褒めたり変化に気付いたりするポイントはありますか?
春人さん
その子のことを本気で知ろうとすることが大事ですね。もし好みではない子だとしても、つべこべ言わずその子に興味を持つんです。肌やメイク、ファッションなど、何かしらこだわってる部分を探すため、真剣に女の子と向き合う。
普段から「目の前の相手に興味を持とう」と意識すれば、見えてくる景色は変わるはずです。
コミュニケーションの本質は、相手に興味を持つこと。
8年前は無精髭のトラック運転手。No.1ホストのコミュ力は、自分で掴み取った
かしみん
ここまで話を聞いておいて申し訳ないんですけど……。春人さんはイケメンでホストだからこそ、うまく女性と接することができるのかな、という気もします。
春人さん
(笑)でも実は僕、今はホストの世界に入って8年目になりますが、その前は3年間トラックの運転手だったんですよ。
もちろん仕事に誇りを持ってやってましたけど、「モテ」に関しては完全に無関心で。ヒゲは常にボーボーだったし、身だしなみにはまったく気を遣っていませんでした。
とにかく何回も経験を重ねてきたから、今があると思っています。
8年前は無精髭のトラック運転手!?!?
かしみん
春人さんにもそんな時代が……!
春人さん
女の子とまともに接した経験のないまま、いきなりホストの世界に飛び込んだんです。無精髭で短髪頭の、大してかっこよくもないヤツが。
女の子とうまく話せず、「笑うのヘタだね」「え〜、お酒飲めないの?」とガッカリさせることもたくさんありましたよ(笑)
「人は努力でカッコよくなれます」と笑顔で話す春人さん
春人さん
でも諦めなかった。週6日出勤して、ひたすら女の子と話し続けましたね。美容にも力を入れ、整形をして、自信も持てるようになりました。
1年くらい経ったあたりですかね、女の子を喜ばせられる会話ができるようになってたんです。
かしみん
春人さんのコミュニケーション能力は、天性のものじゃなかったと。
春人さん
コミュニケーション能力は、神に与えられるんじゃない。コミュニケーションの回数を重ねたら、誰でも掴み取れると思っています。
僕は、かつての自分のように「うまく話せない」と悩む後輩に対して、外でも女の子とよく会ったほうがいい、と言っていて。
会話スキルも慣れだし、エスコートも臨機応変な対応も、とにかく慣れ。
「コミュニケーション能力は、鍛えられる」
かしみん
「これさえやれば話せるようになる」という近道はないんですね。
春人さん
断言できます、ありません。
いくら頭のなかで「こうコミュニケーションをして、うまくやろう」とイメージしても、それは想像の範疇でしかない。もし、予想外の出来事が起きたら、イメージ通りにいかないとテンパってしまうはず。
でも、成功パターンや失敗パターンを溜めておけば、だんだんと臨機応変に対応できる範囲が広がっていきます。「誰もが最初はできないもの。何度もトライした先に、成功がある」、これが元トラック運転手で、今でもお酒が飲めない僕だから言えるメッセージです。
「ホストなのにお酒が飲めない」「女の子と上手く話せない」、とんでもないハンデを背負いながらNo.1ホストに上り詰めた春人さん。最初は弱みだったものが、今では最大の武器として彼の魅力を際立たせています。
「あいつはいいよなイケメンで」とか「お酒強いから飲み会でモテるよな」とか、周りのいいところを羨ましく思う人生よりも、自分の個性を活かして自分らしく生きる人生のほうがやっぱり楽しいし、周囲の人を惹きつけるよなあ……そんな人生の学びが得られるインタビューでした。
女性との会話に悩んでいる方は、今回の記事をヒントに“勇気ある一歩”を踏み出してみてはいかかでしょうか。
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