“短絡的”の意味とは?短絡的思考になる原因/慎重になる改善方法を解説
「短絡的な人」が思慮深くなる方法をレクチャー
ビジネスや人間関係などにおいてよく使われるのが「短絡的」という言葉。
何度か聞いたことがあるものの、どういう意味なのかまではきちんと理解できていないという人もいるでしょう。
今回は、短絡的という言葉の意味を解説した上で、短絡的な人の思考や性格の特徴と、短絡的な性格を直す方法についてご紹介します。
深く考えるのが苦手な人はぜひ参考にしてみてくださいね。
「短絡的」とは?意味を簡単に解説!
短絡的とは、判断対象になっている物事の本質をしっかりと見たり考えたりすることなく、起こった状況の筋道を無視して本来関係ない原因と結果を性急に関連づけることを意味します。
ある問題が起きた時、状況そのものを分析する前に「こうだからこうなったのだ」とすぐ結論づけてしまい、問題が起こった時のいろんな条件を考慮しません。
つまり短絡的とは、論理的な思考や発想をせずに、根拠のない思い込みで物事を断定することを指すのです。
「短絡的」の類語:「浅はかな」・「単純」
短絡的とは、論理的な思考をせず条件などを考慮しないまま物事を断定することを指しますが、この「短絡的」という言葉と同じような意味を持つ類語があります。
例えば「浅はかな」という言葉は、深く物事を考えず一方向的な視点で判断することを意味する言葉です。
また、「単純」という言葉は、問題の原因が一つしかないと思い込んでしまう様子を指します。
「浅はかな考えだ」「単純な思考回路だ」といった言い回しをすることが多いでしょう。
「短絡的」の対義語:「慎重」・「内省的」
思考や発想、行動などの様子を指す「短絡的」という言葉には、反対の意味を持つ対義語もあります。
例えば「慎重」という言葉は、短絡的という言葉の対義語に近いと捉えられる言葉の一つで、物事を注意深く観察してじっくりと判断する様子を意味した言葉です。
また、「内省的」という言葉は、自分で自分の思考や心理についてしっかりと省みてから判断する性格を指しています。
「慎重に行動する」「彼は内省的な性格だ」といった言い回しをすることが多いでしょう。
どんな人が多い?短絡的な思考を持つ人の特徴
短絡的な人は、「こうだからこうに違いない」というストレートな思考の持ち主です。
そして、職場でもプライベートでも、周囲から短絡的な人だと言われている人には共通の特徴があります。
短絡的な思考を持つ人にはどんな特徴があるのか、主な特徴を性格と行動の両面からご紹介します。
短絡的な人の「性格」の特徴
短絡的な思考に陥りがちな人には、性格に関する特徴があります。
自分の周囲で、何人か短絡的だと感じる人がいるなら、当てはまる特徴がいくつかあるはずです。
短絡的な人の性格に関する特徴についてご紹介します。
短絡的な人の性格1. 楽観的に物事を考える
短絡的な思考を持っている人は、基本的に前向きで明るい人が多いです。
何か悪いことが起きても「何とかなるだろう」とあまり深く悩むことはなく、想定外のトラブルが起きても楽観的で落ち着いています。
もしどうにもならなかった時はどうするのか、対策を考えることがない単純な思考の持ち主と言えるでしょう。
短絡的すぎることで問題の原因をしっかりと分析することがなく、何事も楽観的にとらえているため、ミスをしやすく周囲に迷惑をかけることが多いです。
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短絡的な人の性格2. 責任感が薄い
短絡的な思考を持つ人は、自分の行動が周囲に与える影響を考えていません。
問題が起きても「起きたことは仕方がない」と深く悩むことがなく、「〇〇が何とかしてくれるだろう」という楽観的な思考があり、人の力を当てにします。
自分がしなければいけないと責任感を持って行動することは少ないので、その時その時の条件や状況の変化によって迅速に対応しようという気がなく、ミスを最小限に抑えられる状況でも上手に対応できないのです。
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短絡的な人の性格3. 強い自信を持っている
短絡的な思考や発想を持つ人は、考え方が単純です。
「こうだからこうに違いない」という考えがあり、問題の解決において本当にその考えが適しているかどうかを客観的に分析することはしません。
自分の考えが正しいと思っているので自信を強く持っていて、周囲の意見を聞かずに行動してしまう傾向が強いと言えるでしょう。
短絡的な人の「行動」の特徴
短絡的と言われる人は、性格だけでなく行動に関しても特徴があります。
性格に影響されて行動を起こすため、性格の特徴とまとめてとらえると分かりやすいでしょう。短絡的な人の行動に関する特徴についてご紹介します。
短絡的な人の行動1. せっかちで、深く考えずに行動に移してしまう
短絡的な思考の人は、思いついたらすぐに行動に移す傾向が強いです。
普通なら「これで上手くいくだろうか」と一旦立ち止まって考えますが、短絡的な人はいろんな視点を持って分析するという考えがもともとないため、さっさと実行してしまいます。
行動力があるように見えますが、事前に準備をろくにしないまま行動してしまうので、ミスをしやすいと言えるでしょう。
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短絡的な人の行動2. 人の話をしっかり聞かない
短絡的すぎる思考を持つ人は、自分の考え方に固執する傾向にあります。
「こうなるはずだ」というワンパターンな考え方しかできない上に、そんな自分の考え方以外の意見は取り入れません。
そのため、視野が狭くなって思考も浅く、主張が説得力に欠けることも多いでしょう。
周囲からアドバイスをもらっても聞き流すだけで活用しないので、ミスが多いだけでなく問題解決の能力も低いと言えます。
短絡的な人の行動3. 面倒なことは人に任せてしまう
短絡的な人は、普段から物事を自分で考える癖がついていません。
分かりやすい単純なことだけを実行して、手間がかかることは人に任せてしまうため、思考に深みがなく知識や経験も人より浅い傾向が強いです。
周囲からの信頼が厚いとは言いがたく、単純なことしか任せてもらえなくなって発想力が乏しくなりやすいでしょう。
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短絡的な性格が引き起こすデメリットとは
その時その時の状況や条件を考慮せず、ワンパターンな発想しかしないのが短絡的な性格の人です。
ビジネスや人間関係など、様々な場面において短絡的な性格はデメリットになることが多いと言えます。
短絡的な性格が引き起こすデメリットについてご紹介します。
短絡的な性格のデメリット1. 失敗が多くなる
短絡的な思考を持っていると、問題が起きた時に「なぜその問題が起きたのか」「どうすればいい解決方法が見つかるか」といった深い分析が苦手なので、問題を解決しにくくなります。
問題の原因はたいてい一つではなく複数の内容が絡み合っていることが多く、多角的な視点で考えることができず、問題の本質がとらえられません。
その結果、ミスが多くなって周囲に迷惑をかけることが増えるのです。
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短絡的な性格のデメリット2. 円満な人間関係が築きにくい
短絡的な思考や発想のままだと、周囲から浮きやすくなります。
例えば、責任感を持って対応すべき仕事について、しっかり状況を確認し本質をとらえるという行動ができないため、慎重に進めたいタイプの人から「信用できない人だ」と思われがちです。
深い議論なども苦手なので、周囲と本音で話し合うといった関係を築くことができないでしょう。
短絡的な性格のデメリット3. 想像力が低下する
物事の原因をきちんと分析し、その結果から行動すべきことを決める思考の人は、発想力が豊かです。
対して短絡的な思考の人は、そもそも情報を集めて考え分析する習慣がないため、状況や条件の変化にそって考え方を変えられません。
視点が狭いため想像力が育たず、提案する内容がいつも同じような内容になりがちです。
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短絡的な性格のデメリット4. 周りの人を困惑させる
短絡的な思考や発想のままだと、主張が固まってしまい話を聞いてもらいにくくなります。
自分の考え方にこだわりすぎて、いつもワンパターンな提案しかしないため、物事の本質からずれた主張になることが多く、周囲は困惑してしまうのです。
特に職場で一緒に働く人は、「あの人はいつも同じことしか言わない」という印象を持つので、重要な仕事を任せてもらえなくなることもあります。
短絡的な思考のメリットはある?
短絡的な思考を持っていると、深く物事を考える習慣がないため行動が早いという特徴があります。
また、思考が単純なので基本的に楽観的で、一見前向きでポジティブな印象を周囲に与えやすいです。
ただし、行動が早いのは短絡的な考え方をするためで、物事の本質をしっかり掘り下げた上での行動ではないため、軽率に動くことが多く、結果的に望ましくない方向へ進むことが多いでしょう。
短絡的な思考を持ってしまう原因は何?
深く物事を考えず、自分の考え方に固執すると短絡的な思考に偏りがちです。短絡的すぎる思考になってしまう背景には、いくつかの原因が考えられます。
短絡的な思考を持つ原因にはどういったものがあるのか、主な原因を2つご紹介します。
原因1. 甘やかされる環境で育った
短絡的な思考になる原因として多いのは、苦労を知らないまま大人になったというものです。
両親や親せきなどから甘やかされて育つと、自分が軽い気持ちで決めたことがもしうまくいかなかったとしても、「誰かが何とかしてくれるだろう」という気持ちが根底にあるので自分で責任を負う自覚が芽生えません。
実際に誰かがフォローしてくれる環境だったために、深く物事を考える癖がつかないのです。
原因2. 心に余裕がない
物事によっては、すぐ結果が出る場合もあれば、時間をかけて取り組まなければいけない場合もあります。
しかし、深く物事を考える癖がついていないと、結果がすぐ出ない場合にイライラして「こうすればいいから!」と短絡的な思考になりがちです。
結果をすぐ出したい、知りたいと求めるあまり考えようという余裕がなくなり、人の意見を聞かずに独断で突っ走ってしまうことが増えると言えます。
改善したい!短絡的な思考を直す方法5つ
独りよがりになりがちな短絡的な思考は、ビジネスや人間関係など様々な場面でデメリットになりがちです。
もっと周囲の信頼を得て成長したいと思うなら、短絡的な思考を直す必要があります。
短絡的な思考はどうすれば改善できるのか、おすすめの改善方法を5つご紹介します。
改善方法1. 行動の前に、複数の選択肢を考える習慣を身につける
短絡的な思考だと、原因と結果の関係性を1つのパターンでしか考えられないため、選択肢も必然的に少なくなります。
その結果、分析が浅くなり説得力が弱くなるのです。問題が起きた時は「こうだろう」と思い込まず、視点を変えていくつかの選択肢を出す癖をつけましょう。
A案がダメな時のためにB案やC案を準備していれば、行動した時に結果が出やすいでしょう。
改善方法2. 自分の行動は自己責任であることを意識する
短絡的な思考を直すには、自分の発言や行動に責任を持つよう意識するのがおすすめです。
何かあった時やうまくいかなかった時でも他人に頼らず、基本的には自分で解決するよう努めましょう。
自分が責任を負うとなれば、自然と慎重に考えるようになります。そして行動に甘えがなくなり、より効率的な行動ができるようになるでしょう。
改善方法3. 行動や選択に対する悪い結果をイメージする
短絡的な思考の人は行動が早く、一見アクティブに見えますが、あまり考えずにすぐ行動するため結果が出ません。行動にきちんとした裏付けがなく感覚的に動くので、ミスも増えます。
なので、行動する前に「もしこれが失敗したらどうなるか」ということを一度考えてみるようにしましょう。
悪い結果を想像してワンクッション置くことで、物事にじっくり取り組み根拠ある行動をするようになるので、結果が出やすくなります。
改善方法4. 人の話を最後まで聞くよう心がける
短絡的な思考を持っていると、「こうしよう!」と考えてすぐ行動するため、ミスが多くなりがちです。
問題の原因を掘り下げてから解決のために動くというわけではないので、むしろ問題を大きくしてしまうことも少なくありません。
仕事など自分一人の問題ではない場合は、人の話をきちんと聞いてみましょう。
客観的な視点が生まれて、すぐに結果を出そうと見切り発車することが減り、いい結果を出せる確率が高まりますよ。
改善方法5. 自ら人に意見を求めるようにする
仕事や人間関係など、どんなことでも自分以外の人が関わる場合がほとんどです。
自分の意見を持つことは大切ですが、偏った考えに固執するようだとかえって問題は悪化します。
短絡的な思考を直すためには、「自分はこう思うけれどどう思う?」と人に聞いてみる方法がおすすめ。
人の意見を取り入れようとする姿勢は好印象を与えますし、自分自身も人から意見をもらって深く考える習慣がつくとミスが減るでしょう。
短絡的な思考を改善して、仕事も人間関係も円滑にしていきましょう。
普段から短絡的な思考を続けていると、慎重に物事に取り組むタイプの人と比べてミスが多くなり、周囲の信頼も低くなりがちです。
せっかく頑張っていても、結果が出ないと頑張りがいがありませんし、自分自身の成長にも繋がりません。
短絡的な思考を直して論理的な考えができるようになりたいなら、この記事を参考に短絡的な思考の特徴やデメリットを把握して、短絡的な思考を直す方法を少しずつ実践してみてくださいね。
【参考記事】はこちら▽
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