「娘を妊娠させた僕、彼女のお母様と初対面。」僕は彼女に妊娠を告げられた|第16話

小嶋 2017.10.05
もしも彼女が妊娠したら、男にはこんな現実が待っている。父親になる男のリアルに描く体験記「僕は彼女に妊娠を告げられた」第16話。
パパ連載

彼女が無事に退職を迎えた妊娠14週目。


とうとう、2週間前に急遽決まった、大阪にいる彼女のお母さんが東京に来る日が来てしまいました。


義母の来訪に備え、事前に休みを取っておいた僕は、彼女と東京駅へ迎えに行くことに。


指定された時間より早めに着いたので、八重洲中央口の改札前でお義母さんの到着を待ちます。



「いよいよか〜、緊張するな〜」


義母との対面が現実味を帯び、僕が動揺していると


「大丈夫やと思うで!なんなら、お母さんも緊張してると思うし(笑)」


彼女が優しい言葉で僕を諭してくれます。


ソワソワする気持ちをどうにか抑えながら待っていると、彼女の携帯へ母から着信が。


八重洲中央口に居ることを伝え、しばらく待っていると、キャリーケースを引いた女性が、こちらに向かって歩いてきました。



「ごめん、遅くなってもうた!東京駅大きいわ〜(笑)」


颯爽と登場したお義母さんは、とても気さくで明るい方でした。


「どうもはじめまして、小嶋です!」


「どうも、(彼女の)母です。今回は急に押しかけてごめんな。立ち話もなんやから、とりあえずお茶でもしよか!」


軽めの自己紹介を済ませると、近くに見えたスタバへ入ることに。



オーダーを済ませ、コーヒーを片手に腰を下ろすと、


「小嶋くんやったっけ?やっと会えたな(笑)いつも娘がお世話になってるみたいで、本当にありがとうね」


「とんでもないです!僕の方こそ挨拶が遅くなってしまい、すいません」


お義母さんはフレンドリーに話しかけてくれます。


最初こそ緊張しましたが、些細な話題でも広げてくれたので、終始楽しくお話できました。


仕事や家族についてざっくばらんに話は進み、時間も丁度いい頃だったので、


「そろそろ、晩ご飯でも食べに行きますか?」


と僕が食事の提案をします。


すると、


「東京来たら月島やっけ?有名なもんじゃ焼きを食べ行きたいと思ってたんよ!どこら辺にあるとか、全然知らんけど(笑)」


と、月島のもんじゃ焼きが食べてみたいとのこと。


早速、調べてみると、東京駅から月島までわずか20分足らず。


「意外と近いですね。それじゃ、月島に行ってみましょう!」


その提案に彼女も同意してくれて、月島に行くことが決まりました。



気さくなお義母さんの性格もあり、ここまで楽しく会話を重ねてきましたが、肝心の結婚や出産については、まだ踏み込めていませんでした。


お義母さんとの距離は縮まったものの、その話題を出すのにどこか無意識に躊躇う僕と、やはり少しツッコみにくい!というお義母さんの心理的ハードルがあったからでしょう。



とはいえ、事態の当事者である僕からその話題に触れにいくのが礼儀というもの。


娘に妊娠を告げられた時、ぶっちゃけどう思ったのか?


僕らの結婚について、本心ではどう考えているのか?


妊娠が発覚した日から今まで、ずっと心に引っ掛かっていた部分を解消すべく、


「食事の席では、もう少し踏み込んだ話をしよう。」


そんな事を強く決意しながら、緊張MAXで東京駅を後にするのでした。


<続く>


僕は彼女に妊娠を告げられた

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