「本田宗一郎さんも一緒です。」伝説の舞妓から聞いた 昇る人「3つの共通点」
目黒雅叙園でのイベントで、伝説の舞妓と呼ばれる岩崎究香(いわさき・みねこ)さんが、一流の人である「昇る人」の共通点を語った。
参考までに紹介する。イベントにて登壇した究香さんは「100年に1人の名妓」と呼ばれた伝説の舞妓だ。連続6年間で売り上げナンバーワンを達成し、Hondaの創業者である本田宗一郎氏を始めとした多くのトップビジネスパーソンを贔屓筋に持った。
興味がある方は著書『祇園の教訓―昇る人、昇りきらずに終わる人』を読んでみることをおすすめする。
今回はイベントにて感じた筆者の観点を混じえ、昇る人に共通する3つのポイントを紹介する。
1. 好奇心と探究心が旺盛
1つ目の共通点は好奇心と探究心。
その極意について、究香さんは語る。
「昇る人には共通点があるんです。それは好奇心があること、そして好奇心を持ったことをさらに深く知りたいという探究心があることです。彼らは、祇園のお座敷にもその気持ちで遊びに来てくれていました。」
「本田宗一郎さんも遊び心があって、好奇心が旺盛な人でした。」
好奇心を持って一つを追求することで、自然と興味関心の幅が広がる。一般の人では仕事よりは無駄に感じられるかもしれないお座敷遊びも、昇っていく人間には一流の人間だけが集う情報収集の場であったり、エンターテイメントの本質を学べた場だったのだろう。
「好奇心と探究心を持ってやり続けてみないと、見えるものも見えてこないんです。」
2. 世間的にはケチ。だが、「ここ」という場所に物凄く綺麗にお金を使う
2つ目の共通点は「ここ、という場所には物凄く綺麗にお金を使う」ということ。
「成功者には実は倹約家が多いんです。でも、ここぞ、というところに物凄く綺麗に使わはるんです。地域に音楽堂や美術館を建てたりと、文化的なところにお金を使われてます。(ここという場所で)綺麗にお金を使われる方と、単に出し渋るケチな人とは人間的な格が違いますよね。」
本田宗一郎氏が私財を奨学金制度や財団法人に投じて若い研究者などに貢献したように、使い方に人の"粋さ"は表れるのだろう。
お金には使いどきがある。使うべきときは出し惜しみをせず粋に使うことで、使ったお金以上のものを得られるのだ。
3. 目に力が宿っている
3つ目の共通点は、目。究香さんは目を見れば全てわかると語る。
「昇る人を間近で見ていて、“咲いた!”というタイミングが明確に分かります。それは、目の色の違いで、本当にキラキラとしていて、以前お会いした時とは全く違っていました。」
昇っていく人の目には意思というべきか思いというべきか、力のようなものがあるのだ。祇園町でナンバーワンであり続けていた究香さんの目にもやはり力があった。
1つ目の共通点の話にも繋がってくるが、好奇心や探究心があるからこそ、自分が心から情熱を傾けられるものが見つかるのだろう。
講演終了後も「目を見るようにしてるんです。"ああ、この人お話聞きながら別のこと考えてはるなあ"とか、"真剣に聞いてくださってはるなあ"というのは目を見ればわかります。」と私に伝えていた。
しきりに繰り返す「目」というワードに、究香さんの人間哲学の本質を見た気がした。
昇る人の共通点は、今も昔も変わらない
本田さんを始めとした祇園に訪れる一流ビジネスパーソン達を見続けてきた究香さん。「昇る人の共通点」は、本田宗一郎さんの時代から今まで、何も変わらない。
好奇心や探究心を持って物事を突き詰めることで、情熱を燃やせるものが見つかり、目に意思が宿る。お金を使う時には、ここぞという場所でさっぱりと使う。
現代を生きるビジネスパーソンの我々も、そういう人間でありたい。
この週末は、祇園町に出かけ、先人たちが見てきた祇園の世界に思いを馳せてみるのもいいのではないだろうか。
【登壇者プロフィール】岩崎究香(いわさきみねこ)
1949年 京都生まれ。
15歳で舞妓デビュー、6年連続売上ナンバーワンとして活躍し「100年に1人の名妓」と呼ばれる。
作家としては、自伝『芸妓峰子の花いくさ』、『祇園の教訓 昇る人、昇りきらずに終わる人』『祇園の課外授業』などがあり、花柳界の伝統や文化を国内外に向けて発信している。
【参考記事】好きなことを仕事にするビジネス感覚▽
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